いちご100%1話ネタバレ感想
イーストサイドストーリー
少年ジャンプで連載されていた伝説のラブコメ漫画「いちご100%」
東城、西野、北大路、南戸の美少女4人に囲まれて、心揺れる真中。
その続編は、報われぬ恋をした東城にスポットライトを当てたものになっている!
いちごパンツのお姉さん
中間古書店で店番をしている中間少年は、レジに置いてある椅子に座りながら、一冊の小説に心奪われていた。
繊細な筆致と報われなかった初恋を後悔していない主人公の心理描写に胸打たれて、友達が来ているのも構わずに、だらだらと涙を流してしまっていた。
「夏に歌う者」東城綾。
美人女子大生作家として話題になっている著者の作品だったが、中間はそんな話題性より、今の自分と同じ年齢の時にこの本を書いたかと思うと、悔しくてならなかったのだ。
作家でも目指してんの?と当然の質問をされると、口ごもって否定してしまうところは、まだ大っぴらに夢を語れない気恥ずかしさに囚われているからか。
その時、一人だけいたお客さんが、棚の高いところの本を取ろうとして脚立の天辺に上って手を伸ばしていた。
それでもガッチリはまった本が抜き取れずに、中間に声をかけてきた。
しかしその脚立はもう古く傷んでいたので、使用禁止の張り紙をしているやつだった。
それに気付いた中間が慌てて危ないと言った直後、バランスを崩した脚立からお客さんが放り出されてしまった。
脚立の脚が折れる音が響いた。
ワンピースの中が露になったお客さんが宙を舞う。
いちごパンツをはっきり見た中間。
その彼がクッションになったおかげで、彼女は怪我をせずに済んだ。
すぐにスカートを直し、ずれた眼鏡を戻した彼女は、中間の顔に釘付けになった。
慌しいトラブルつきの出会いだったが、目当ての本はしっかり取っていた彼女はそれを差し出した。
彼は東城綾の作品に胸打たれたのとはまた違う初めての想いに包まれていた。
一目惚れだった。
その日から彼は、毎日嫌だった店番をするようになった。
またあの人のいちごパンツが見たい・・・こともなくはなかったが、他人に対して当たり前のように優しくし、会計して本を受け渡す時に、必ずお礼の一言を言ってくれる育ちの良さに、何よりも心惹かれていた。
そうして少しずつ会話を重ねていくうち、彼の中で彼女は可憐で清楚な野いちごのような人になっていた。
そうして話題にしていると、本人が来店してきた。
友達の外山は地味でダサいとバカにしてくるし、彼女が私立大学の2年だと話すと、そんなのは毎晩男とヤリまくりに決まってるだろと、キラキラした彼女像をぶち壊してきた。
それはそれでいやらしい彼女を想像できて一瞬悪くないなと思ったが、すぐに平常心を取り戻せた。
彼は早く告白しろよと捨て台詞を残して帰ってしまった。
狭い店に急に二人きりになって、今までになく鼓動が早くなっていく。
本当にこのタイミングで告白しようか、なんて考えていたら、彼女は一冊をレジに持ってきた。
その時、カウンターに置いてあった東城綾の本に彼女が視線を向けたので、この本は文学作品としていいですよねと言ってみるが、どうも同意しかねる顔を見せてきた。
今はあえて昔の作品を読んでいるという彼女。
ならスマホでも読めるのに、どうしてわざわざここに・・・まで言いかけて、その理由は?はギリギリで飲み込んだ。
直後に見つめ合う二人。
中間は一人で勝手に都合よく考えようとした。
果たしてその通りに先に彼女が目を逸らした。
しかし、すぐ「本が好きなんです」との答えが返ってきた。
ぬか喜びでも脈はあるに違いない。そんな余計なことを考えながら本を手渡したものだから、なぜか縦になっていて、彼女のたわわな胸に挟んでしまった。
すると、「びっくりするじゃない、真中くん」と彼女は言った。
アナグラムにもならないような、ただの言い間違い?
自己紹介をした覚えはないが、店名を見ればそれが名字だと分かるか?
でも名前を呼んでくれただけで嬉しかった。
その嬉しさの勢いで告白しようとしたら、彼女は慌てて飛び出してしまった。
涙が滲んでいた瞳。
ちがうの、ごめんなさいという一言。
本を残したまま去っていった彼女の涙の意味は、
ふってごめんなさいということなんだろうか?
感想
いちご100%1話でした。
懐かしい。
東城が選ばれなかったことに今でも納得していませんが、正統派ヒロインを選ぶ風潮をぶち壊したかったのかなと、理解できなくもありませんでした。
そんなラストを迎えたいちご100%の続編がまさか始まるとは・・・
しかも数年後くらいの設定なので、過去キャラがもっと出てきてもおかしくないと思うので、その辺りも楽しみです。