ドローン部隊

坂本と吉良は得体の知れない何かを確認しようとするが、ヒミコがそれを強引に止めさせ、カウンターの中に隠れさせた。

 

追ってきたものは、四足歩行の巨大なドローンだった。

著者名:井上淳哉 引用元:BTOOOM!23巻

 

 

レーザーで標的を焼き切り、僅かな物音にも反応してマシンガンを連発する殺人マシーン。

 

その場は何とかやり過ごせたが、訳の分からない坂本が説明を求めると、ヒミコは深呼吸してからゆっくりと話し出した。

 

 

添い寝してすぐ眠りについた坂本を起こさないようにそっと離れたヒミコは、吉良にも休むよう勧めたが、思春期真っ只中の彼は、窓のサッシに座って考え事があるからいいよと断った。

 

なら二人で見張りしようとヒミコは言ってくれるが、彼は露出たっぷりの身体を舐め回すように見つめてエロガキの称号を与えられる。

著者名:井上淳哉 引用元:BTOOOM!23巻

 

 

露出し過ぎなんだよ!
好きでこーなったんじゃないわよ!

と争っていると、空からパラシュートが一つ落ちてくるのが見えた。

 

火の中に着地したそれは、何だか嫌な感じがした。

 

吉良は確認してくると言って早々に出て行った。その直後、輝夜のタブレットにペリエから連絡が入り、予想以上に早く米軍が到着したうえに、ドローン部隊を投入してきたと焦ったように口早に伝えてきた。

 

向こうを直視するな、肌を見せるな、物音を立てるなと捲くし立ててから、通信は突然切れてしまった。

著者名:井上淳哉 引用元:BTOOOM!23巻

 

 

上杉と輝夜は吉良を止めに、ヒミコはバリケードを作って待機することに。

 

 

何も知らない吉良は、遠めから建物の壁に隠れてドローンの様子を窺っていたが、僅かな熱を感知されて銃弾の雨あられが飛んできた。

 

しかも巨大四足歩行の他にも、空を飛ぶドローンもいて、それらも実弾を装備していた。

 

逃げているうちに上杉たちと出会え、相手の特徴を教えてもらうと、吉良は自分が刺し違えてでもドローンを倒すから、二人は隠れててと答えた。

 

女性を強姦殺害し、ここでも父親も含めて人を殺した。

そんな彼でも、父のように思っていた東郷を失ったことで、ようやく自分の罪と向き合うことができるようになり、これからは人のために命を賭けたいと思うようになったのだった。

 

だがドローンにBIMは通用せず、彼は窓から落ちて気を失った。

 

 

すぐに標的を上杉と輝夜に切り替えたドローン部隊に追われた二人は、一室にある戸棚の中に咄嗟に隠れるしかできなかった。

 

一つ一つ戸棚を蜂の巣にするドローン。

 

上杉は自分がここから抜け出して一人で走った方が、二人とも助かる確率が高い。だからお前はここに隠れてろと、皮肉交じりに囮になることを伝えて、死ぬ覚悟をした。

著者名:井上淳哉 引用元:BTOOOM!23巻

 

 

 

その頃ヒミコは、しっかりバリケードを作っていた。

 

だが、びちゃびちゃと音を立てて何かが近づいてくるのが聴こえた。

 

恐る恐る隙間から覗いてみると、そこにいたのは濡れネズミになった吉岡だった。

著者名:井上淳哉 引用元:BTOOOM!23巻

 

 

 

上杉は四足歩行に気付かれるギリギリで飛び出した。

 

前を向いたままノールックでBIMを後ろに投げて少しでもドローンの邪魔をしながら、とにかく全速力で走った。

 

爆風の熱で背中が熱い。

服が熱で破ける。

ドローンは上杉に狙いを定めて、レーザーを横に薙いだ

 

輝夜は祈った。

爆風で吹き飛ばされた色んな物が辺りを舞い、戸棚から零れ落ちたステンレスの鍋がレーザーの行く手を遮り、上杉を守ってくれた

 

 

彼は坂本に助けを借りるため二人がいる部屋の前まで戻ったが、そこにはバリケードを乗り越えようとしている吉岡がいた。

著者名:井上淳哉 引用元:BTOOOM!23巻

 

 

吉岡がまた怒りのままに銃口を上杉に向けると、彼は窓から飛び降りて逃げた。

 

その直後、ドローンがやって来た。

 

 

それを彼はチップを集めたから迎えに来た何かだと思い込み、逃げる考えも浮かばなかった。

もちろん彼は殺された。

レーザーで殺された。

 

それはそれは惨い最期だった。

著者名:井上淳哉 引用元:BTOOOM!23巻

 

 

 

そしてヒミコは深い眠りに落ちている坂本を転げ落としてソファを被せ、自分も中に入り込んでドローンをやり過ごしたのだった。

 

 

感想

BTOOOM!23巻でした
面白度☆7 吉岡度☆9

ヒミコの可愛さが徐々に戻ってきつつ、坂本の活躍はなし。

上杉の株が上がり、吉良はスケベで、輝夜は信者を増やし、吉岡はどこまでも吉岡でした。

もうあの奇怪な歌とステップが見れないかと思うと寂しさを禁じ得ませんが、相応しい最後だったと思います。