タカシと梨世

環のペースメーカーの通知が比較的速まっていたので、彼女の様子を見に行くと、ドアを開けた瞬間から彼女の荒い息使いと共に、英の名を呼ぶ声が聴こえてきた。

 

また英に負けた思いで気分が塞ぎこんだ彼は梨世と会い、セックスするでもなく彼女の膝の上で寝息を立て始めた。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±8巻

 

無防備な彼の寝顔に複雑な思いを抱いた彼女はこの関係の終わりを悟りつつ、加藤に電話をかけ、自分のボスの曹国良がタカシに会いたがっていると伝えた。

 

 

さっそく酒席を設けて二人は会った。

 

曹の目的は秋光崇と太い繋がりを持つ事であり、彼が推し進める再生医療の技術進歩を共有することだった。

 

そして手土産に、自国で有り余っている凶悪犯たちの臓器を研究材料として用意していた。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±8巻

 

 

ドナーの数に対し実際行われた移植手術の数が少な過ぎたせいで、臓器が腐るほど余っていた。輸送手段、医師不足の問題が重なったコーディネイトの不手際。

 

だから、自国の民を無闇に傷つけないためにも、違法移植に代わり再生医療を発展させたいが、その設備がない。

だから、秋光と協力したいと言うのだ。

 

 

返事は先に延ばしたが、再生医療のことを知っていたと言うことは、明らかに情報を流しているがいるとしか思えなかった。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±8巻

 

加藤は曹と手を組むことを懸念していあたが、タカシは利用されるならこちらも利用してやればいいと考えていた。

 

再生医療には研究材料があればあるほどいいし、鮮度が落ちた臓器でも、脱細胞化処理を施し細胞骨格のみの状態にする方法がある。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±8巻

 

そこに幹細胞を注入し培養して、細胞骨格に幹細胞を定着させる。そうして出来上がった細胞の素にしかるべき刺激を与えることで、臓器が出来上がる。

 

それを実用できるようにするための研究材料に、曹が提供する臓器はうってつけだった。

 

 

梨世は同期に頼んだ細胞サンプルの解析結果を見ようとしたが、ロックがかかっていて見れなかった。

仕方なく電話でパスワードを訊こうとすると、これは100万じゃ安過ぎる仕事だと感付かれたようで、また会うことにした。

 

タカシは犬の可能性がある梨世に電話をかけたが、その番号は解約されていた。

 

その頃彼女は同期の男と会い、ロックを解除させていたが、その追加の代金を自分の身体で支払っているところだった。

 

口に含んで大きくし、男の上に跨って腰を激しくゆらす。

彼が上になろうとするのを押し止め、隠し持っていたナイフを心臓に突き立て、希望通りイカせてあげていた

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±8巻

 

 

タカシはすぐに梨世の情報を加藤に指示して洗い出させると、以前にとあるホテルのロビーで曹と会っていたと分かった。

 

彼女の中国名は王梨世。日本生まれの日本育ちではあるが、両親が大陸系の帰化人だった。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±8巻

 

そして、大学卒業後に空白の3年間があり、その時、大陸に渡っていた可能性があった。

 

 

環は同級生が、先輩とヤッただの何だのとはしゃいでいる会話を聞いて、琢磨とだったらしてみたいなと想像していた。

 

そうして少し欲情したまま家に帰り、漏れる声も憚らずに股間に手を伸ばして慰めていた

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±8巻

 

しかし、し終わった後の気持ちはただ空しいだけだった。

 

 

そしてもう待てなくなった彼女は、自分で英を探すことに決め、手配書が貼ってあった交番に駆け込んだ。

もちろん交番の警官にいきなり指名手配犯のことを訊いても、怪しまれるだけだった。

 

 

ここから先、どうやって一人で調べようか悩んでいると、ふと自分が尾行されていることに気付いて、相手を出し抜いてスタンガンを突きつけた。

 

その相手は、以前環をレイプさせようとした女子の一人だったが、あの時の威勢の良さはどこにもなかった。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±8巻

 

 

里谷さゆりと名乗った彼女は、今はいじめられる側になってしまったと泣いて縋ってきた。

 

そして顔の痣の原因は、父親からのレイプだと言った。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±8巻

 

父が出所してきてからいじめの標的にされ、父殺しを手伝ってくれそうなのは鈴原しかいないと言われ、環は素直に彼女の家についていった。

 

 

まださゆりが小さい頃に父は刑務所に入り、母子家庭で育ったが、母親も他の男のところに出て行ってしまったと聞かされた。

 

薄汚いアパートの部屋の中は、外観と同じように掃き溜めのようだった。

 

環が誰の命も大事だと説得しようとすると、父親はまだ10代の頃に一人の女子高生を監禁、暴行、強姦して殺した挙句、コンクリ詰めにして遺棄までした極悪人だと語った。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±8巻

 

だから、娘の自分を犯してる時は、あの時のことを思い出すと言われたらしかった。

 

 

もちろん抵抗して止めてと何度も叫んだ。

 

すると父親は、なら代わりを連れて来いと言ったのだった。

 

 

感想

ギフト±8巻でした。
面白度☆7 梨世度☆8

梨世がついにタカシ勢と手を切ってしまいましたね。9巻では、なぜ彼女が裏の世界に浸かることになったのか、明かされるかも知れません。

環も一人の恋する女子高生感が強くなってきましたし、この巻ではほとんどドロっとした血生臭い展開がありませんでした。

それに最後のは、あの有名な事件をネタにしていると思います。

ギフト±を無料で読む