いちご100%ネタバレ感想
イーストサイドストーリー
少年ジャンプで連載されていた伝説のラブコメ漫画「いちご100%」
東城、西野、北大路、南戸の美少女4人に囲まれて、心揺れる真中。
その続編は、報われぬ恋をした東城にスポットライトを当てたものになっている!
いちご100%3話ネタバレ感想
イーストサイドストーリー
好きになった年上の大学生が、実は憧れの小説家だった。
わざわざ街の古書店に通っていたのは、忘れられない人を自分に重ねて見ていたから。
それに気付いた中間は諦めてしまうのか・・・
3話
東城綾の友達に告げられた真実。
「あんた、東城さんとアタシが3年間好きだった男に似てんのよ」
だから、こんなただの古書店に何回も足を運んでいたんだ。
自分に会いに来たのは間違いなくても、見ていたのはよく似ている他の男だった。
そんな希望のない現実を知った中間は、
「俺、諦めようと思うんだ」
と、教室で友達に打ち明けていた。
搾り出すように言ったのに、「諦めんじゃなくてフラれたんだろ」と友達は熱い友情で傷を広げようとしてくる。
その頃、またさつきと美鈴と会っていた東城は、美鈴にも真中のそっくりさんがいることを話して、しかも会っていたことも打ち明けた。
当然、かなり驚かれてしまった。
美鈴は、「それじゃあいつまでも吹っ切れなくないですか?」と心配してくれ、逆に中間の友人は「それってラッキーなんじゃね?」と、その顔はOKな訳だからチャンスはあるはずだと、アドバイスしていた。
でも当人二人の思いはそう単純ではなかった。
それでも、お互いに抱いている印象は重なっていた。
「優しくて、真面目で、楽しくていい人だから」
しかも中間は東城のことが好きになっている。
だから東城は
「思い出にしがみついて、甘えてしまって、そんなの失礼だよね」と自分を責めていた。
しかし美鈴は、話を聞くうちにそのそっくりな高校生に好印象を抱いていた。
眼鏡とおさげ状態を好きになってくれたのなら、それは東城自身が言った
「作家じゃなくて、眼鏡とおさげの私に話しかけてくれたのは真中くんだけだった」
つまり中間も、ちゃんと中身を見てくれたのだから。
そこでさつきは、中間が東城のことを作家だと気付いていなかった可能性に思い至り、自分がバラしたことをバラしてしまい、美鈴にまた怒られる。
とにかくさつきは言いたいことを東城に伝えた。
「あの子に真中を重ねてしまうって理由で、あの子の気持ちまで見ないようにする方がよっぽど失礼だって思う」と。
京都に帰る駅の中。
「傷が癒えてないのは東城先輩だけじゃなかったんだなあって」
と漏らす美鈴に
「アタシが料亭でモテてんの知ってんでしょ?」
と返すさつき。
「だからって、アタシより先に彼氏作んないでよ!」と牽制しておくが、美鈴は既にいるようなそうでないような微妙な感じだった。
中間は友達に言われたことを反芻していた。
「ちゃんと当たって砕けねーと後悔するぞ」
って言われても、諦めようと思ったのは、相手が憧れの作家だって理由もあった。
自分も小説家を目指しているから、雲泥の差があるのを考えると、嫉妬や憧れが混ざり合って釣り合いが取れないと思ってしまっていたのだ。
せっかくデート用に友達から映画のチケットを譲ってもらったが、誘えるはずもなく、一人で二回観ようと思って映画館に足を向けた。
すると、タイミングがいいのか悪いのか、偶然にも東城綾も映画のチケットを買おうとしているところだった。
思わす知り合いだと言って割り込み、貰ったチケットを彼女の分にしようとした。
でも、高校生と大学生じゃ前売りの値段が違うとは知らず、恥をかいてしまう。
流れで隣に座ってしまったが、それさえも何だか後ろめたい。
でも謝ることもできずに、暗くなるまで世間話で間を持たせるしかなかった。
すると東城から
「あ、し、知ってるのよね?私が小説・・・」
と言いかけたところで暗くなり、彼女は迷惑を考えて言葉を途切れさせた。
諦めると決めたのに、初々しいデートのようなシチュエーションがもどかしかった。
それはそれとして、映画はとても良かった。
観終ったあと、興奮して感想を捲くし立てる中間は「ウザくてすいません」と謝るが、東城も同じくらい興奮していたので饒舌に感想を話してくれた。
しかし、流れで「映画は創作のヒントとか刺激みたいなものってゆーか」と訊いたせいで、
「それもあるけど、映画を作ってた頃の楽しい感覚を思い出しくて・・・高校で映像研究部に入ってたんだけど、部長が真中くんで・・・」
と彼の名前を出させてしまい、気まずい空気になって、彼女に謝らさせてしまう。
どうにか希望を抱かないように店番を理由に離れたかったが、歪んでいるネクタイに自然に手を伸ばされて近づいた距離に、やはり彼女が憧れの作家で好きなんだと実感する。
すると、直してくれた直後、急に東城はバランスを崩して尻餅をついてしまった。
どうやらヒールがポッキリ折れてしまい、足首も捻ったようだ。
だからまた咄嗟に、「おんぶしますよ」と言っていた。
もちろん東城は断るが、病院か薬局か靴屋までですからと言われると、
「私、重いよ」と言いつつ、彼の厚意に甘えることにした。
好きな人とのゼロ距離。
背中と手から感じる体温。
諦めると決めたのに、こんな映画みたいなシチュエーションを経験したら無理に決まってる。
いちご100%続編
最終回4話ネタバレ感想
東城への想いを断ち切ろうとしたが、運命の悪戯が二人を出会わせる。
相手の体温が感じられるほど密着してしまい、彼のやはり心穏やかではいられなくなる。
手に、背中に感じる柔らかさ。
それは、憧れの小説家で好きな人の感触だった。
最終回4話
諦めるって決めたはずだった。
しかし、背中と手に感じる体温と共に、彼女の香りが心を乱させる。
いや、今はとにかく怪我をした彼女に早く治療を受けてもらわないといけない。
だから、この攣りそうな腕は彼女が重いからじゃなく、自分が非力なせいだと自分自身の不甲斐なさを叱咤して、情けない所を見せないように踏ん張るしかなかった。
でも、指先は言うことを聞いてくれず、彼女の鞄を落としてしまった。
地面に落ちた鞄から小説の原稿が飛び出し、風に吹かれて辺りを舞い始めた。
失敗作だったから構わないと彼女は言ってくれるが、彼はその言葉に甘えてすぐに諦めようとはしなかった。
そんな必死にかき集める彼を、彼女は複雑な顔で見つめる。
川の傍で落としたタイミングの悪さで、結局全て集めきることはできなかった。
彼は好きな人も満足に背負えない非力さと、逆に気を使ってくれることに情けなさが膨れ上がっていく。
しかし彼女は、あくまで酷い内容だったし、これをまた誰かに読まれて何を思われるか考えると、書くのが苦手になったかも知れないと言った。
やがて接骨院に着くと、彼は改まって話しだした。
「今日はありがとうございました。
いろいろ勉強になりました。
映画も、あの東城綾と一緒に観れて・・・
今までありがとうございました」
今生の別れを伝えるように、未練を断ち切るためにそう告げて彼は走り去った。
肩で息をし始めた頃、膝に手をついて立ち止まると、また風の悪戯で集め切れなかった原稿が彼の足に運ばれてきた。
その時、集めた分の原稿を渡すのを忘れていたことに気付き、ふと彼女の名前と小説のレビューを検索してみた。
すると、女子高生でデビューした肩書きに対する中傷や、話題性、顔で売れたなどというものばかりで、小説の内容に対する正当な評価はほとんどないことが分かった。
そんな悪意に彼女が悩まされていたことを知り、彼は川の中にまで入って残りの原稿を探し始めた。
翌日。
彼は大学の前で彼女を待ち、それに気付いた彼女から声をかけてくれた。
公園に行き、彼女はベンチに座り、彼は正面に立った。
そして
「俺、小説家になりたいんです」
と打ち明けた。
でも、周りの空気に流されて今まで一行も書かずにいた時、あなたが自分と同じ年で賞を獲ってデビューして、それを知ってヤル気は出たけど、やっぱり才能の差はどうしようもないんだとも思ってしまった。
それとは別に、憧れの作家があなただと分かった時は嬉しかった。
うまく纏まりきっていない伝えたい思いを、彼は話していく。
そして、川の中にも飛ばされた原稿を見せ、全部集めて読んだと伝えた。
失敗作だって、辛そうに謙遜していたその原稿。
でも、やっぱりそれは東城綾らしさが出てて、
「好きだなあって・・・」
そう感じた。
プロだから浴びる中傷もあるかも知れないけど、それでも書いているあなたを思うと、自分も頑張ろうと思った。
しかし、彼の励ましと決意に彼女は、今でも好きだった人を忘れられない自分は君を利用して逃げているだけだと、本音を吐き出した。
その弱音にも、彼は精一杯励ましの言葉をかけた。
ずっと好きだった人を忘れるなんて簡単じゃない。
その代わり、自分が前に進んでただの似た人じゃなく、一人の男として会えるようになるまで頑張ります。
だから、小説家を続けて下さいと。
「あなたは、俺の目標なんです」
その言葉に、彼女はやっと心からの笑顔を見せてくれた。
彼が一人前の男になって胸を張って会えるようになるまで、会わないと決めた誓い。
彼の夢の先に彼女が待っているとは限らないが、二人は前に進むために筆を進めていた。
感想
いちご100%イーストサイドストーリー最終話までの全話でした。
やっぱり西野と真中は出てきませんでしたね。
期待してたんですが、ここに真中が出てきたら、こじれまくって収拾がつかなくなりそうなんで仕方ないでしょう。
他のサイド方向からのストーリーも、是非読んでみたいです。
特に、南がどうなってるのか気になります。