22話
どこからか聞こえてくるユキの叫び声に気付いた直後、麗奈の前に偽子が現れた。
テレポなのかタッチが成功したのか見分けがつかないまま、偽子は組みましょうと誘ってくる。
確かに麗奈は現時点で子だが、相手にそれを知る術はないし、こんなに堂々と手を差し出してくるのは鬼だからに違いないと思い、一先ず断った。
すると偽子は、さっきまで鬼だったがユキにナイトメアを使った隙にタッチして子になったと言う。
著者名:鬼八頭かかし 引用元:たとえ灰になっても3巻
麗奈を誘った理由は、ただ相手を子だと信じないと無敵になれる機会をどんどん失っていくだけだとも言われ、確かにそれはその通りだと納得しかけていく。
そこに、何かに追われているように叫びながら亡々死が走り過ぎようとしていくので、偽子はそっちに向かおうとした。
その時、逃がした魚は大きいかも知れないと思い、麗奈は組むことを承諾して手を差し出した。
偽子はお礼を言って、しっかりと彼女の手を握り返した。
「はい、でーん」
麗奈に鬼が移り、偽子は舌を出して笑い、どこかへ消えた。
著者名:鬼八頭かかし 引用元:たとえ灰になっても3巻
ユキにトラウマを見せた時、偽子は鬼だったにも関わらず、彼女をなぜか見逃したのだった。
怯えに怯えた亡々死が息を整えていると、今度は沙羅が現れた。
しかし、彼女は子だと名乗り組まないかと誘ってきた。
23話
このゲームを止める方法が見つかったから、今死ぬわけにはいかない。
だから組んで欲しい。
しかし、その方法は今言えない。
そんな怪し過ぎる誘いに乗れるはずもなく、亡々死は沙羅を鬼だと疑い、また一目散に逃げ去った。
「人生だけは打ち切りにされるわけにはいかないんだあああ!」
と、現世での情報を叫びながらどこかへ消えていった。
麗奈は自分の迂闊さを詰りながら、子を見つけようと歩き回っていた。
時間が経つほど子同士の無敵ペアが増えていく。
そうなると鬼のターゲットは減っていき、鬼以外の10人がぴったりペアを作る可能性もなくはない。
その時は、自動的にゲームオーバーが決まってしまう。
そして、鬼と子の見分けがつかない以上、今子だと判明している偽子を見つければ、優先的に狙う必要がある。
そう考えた直後、その偽子とリヴが一緒にいるのを発見した。
もしリヴも子で、無敵になられたらどうしようもなくなる。
その前に麗奈はそろそろと近づき、二人が手を繋ぐ前に偽子にナイトメアを発動した。
悶え苦しむ偽子に駆け寄り、手を伸ばして「でーん!」と宣言したが、ギリギリでリヴを盾にされ、リヴの身体に手のひらが触れていた。
著者名:鬼八頭かかし 引用元:たとえ灰になっても3巻
しかもタッチは成功せず弾き返された。
リヴも子で、偽子はしっかりと彼女の手を繋いでいたのだった。
麗奈が襲ったことで、やむを得ず偽子は一か八かリヴと手を繋ぎ、無敵を手に入れた。
麗奈は何から何まで、偽子の好条件をお膳立てした形になってしまったのだった。
著者名:鬼八頭かかし 引用元:たとえ灰になっても3巻
そこに今度は沙羅から逃げてきた亡々死がまた通りかかった。
また誰かか逃げている様子を見て子に間違いないと判断した麗奈は、今度は確実に入れ替わるためにチェンジを発動した。
しかし、チェンジの光が当たる前に彼女はテレポを発動して、チェンジを躱したのだ。
視認できる範囲で発動できるチェンジ。
しかし、テレポで視界から消えたことにより、チェンジの成功条件を満たせず外したのはおろか、失敗したとしてもしっかり10億円は消費されていた。
チェンジは失敗してもう使えないし、10億円も減った。
踏んだり蹴ったりの状況に、麗奈は兄に助けを求めたくなった。
24話
残り45分。
現世にいると思っている兄に力を貸してくれるよう祈り、動き出そうとした時、今度はルセットが現れた。
躊躇なく近づいてくる彼女にタッチして「でーん!」と宣言したが何も起こらなかった。
彼女も鬼だったのだ。
彼女は麗奈が「お兄ちゃん」と呟いていたのを聞き逃さず、お兄ちゃんに会いたいなら一緒に子を探しに行こう。
「いい作戦がある」と、誘いをかけてきた。
著者名:鬼八頭かかし 引用元:たとえ灰になっても3巻
その頃、中身は明らかに男っぽいカエデに、姫蘭は色仕掛けで迫っていた。
手を繋いでくれるなら胸を触らせてあげると誘惑し、それにカエデが引っかかりそうになった時、フクドクが現れ、姫蘭は鬼だよと忠告して、二人のピンク色の争いをかき回した。
著者名:鬼八頭かかし 引用元:たとえ灰になっても3巻
その場にはいつの間にか鈴野もいて、フクドクの正体に迫ろうとしていた。
作戦を邪魔された姫蘭は本性を現し、不適な笑みを零す。
トラウマから回復したユキは、危険視していたショーコからなぜか全員の居場所を教えてもらっていた。
そして、無敵状態になった偽子はただじっとしているのに飽きて、ゲームを盛り上げるために動き出そうとしていた。
感想
たとえ灰になっても3巻でした。
面白度☆7 ノスタルジック度☆8
小学生の時に鬼ごっこが流行ったことを思い出しました。
あの当時にこんな変則ルールを思いついていたら、かなり喧嘩が起こったことでしょう。
気になるのは沙羅が思いついたゲームを止める方法ですが、まずゲームの説明時に思ったのは、暴力行為はセーフなのかどうかです。
腕時計を奪ったり、制限時間を待たずに鬼を殺したりしたらどうなるのかは、結構重要じゃないのかと思いました。