荒ぶる季節の乙女どもよ1巻
ネタバレ感想
荒ぶる季節の乙女どもよ1巻のネタバレと感想と画像、漫画を無料で読める方法を紹介。
それでも僕は君が好きの絵本奈央・漫画
あの日見た花の名前を僕たちは知らないの岡田麿里・原作
二人が生み出すのは、文学をこよなく愛し性に興味を持ち始めた女子高生たち。
始まりの言葉
少女の白い肢体。
下腹部の茂み。
跪く男。
ここは文芸部の部室であり、上記の文章を朗読しているのは部員の菅原新菜で、他の4人は各々頬を赤らめたり、目を閉じて聞き入ったりしている。
やがて作中の少女から流れる甘い汁を男が飲み干したところで、張り詰めた空気が緩んだ。
文芸部に所属しているのは5人の紛うことなき処女たち。
一息入れようと須藤百々子がラズベリーティーを淹れれば、本郷ひと葉が「甘い汁」と呟き、再び淫靡な世界へ戻そうとする。
一際男女交際や性の乱れに敏感で潔癖な部長の曽根崎り香は、ちょっとでもビッチ臭がする女子を見れば、甘い汁ではなく豚汁が出るのだと騒いで、文学の世界に没頭するあまりのいき過ぎたピュアさを晒していた。
そこに、地味で特に特徴のない小野寺和紗が空間を埋めるようにしている。
潔癖、不思議系、超美人、ほんわり、地味の5人がいる、それが文芸部だった。
そんな地味な和紗には、正真正銘幼い頃からの幼馴染みの典元泉がいた。
彼はといえば、彼女と同じように地味ではなく、中学頃からグングンと背が伸びて顔も精悍なイケメンに成長し、モテモテ街道を歩み出していた。
しかし、中身は一緒に遊んでいた昔のまま。
でもそこが可愛いといって女子たちはキャーキャー騒ぎ、特別枠の和紗に冷たい視線と陰口を叩くものだから、まだ彼と距離が近かった中学時代はそれはもう女子カーストの中で辛い思いをしていた。
今だって傍に菅原氏がいるせいで、比較対象にされて凹むこともあるけれど、部員全員いい人でおもしろくてキャラが被ってなくて、なんだかんだ楽しい高校生活を送っていた。
とは言え、高校の文芸部だけあって、性描写が生々しい文学を題材にすることも多く、一気に性への関心が強くなってきた。
おっとりして天然な母でさえ、処女ではない。
そう考えると妙な気持ちになる。
そんなモヤモヤした時に限って、お隣の泉の家におすそ分けを頼まれ、一人気まずい感じで訪ねるが、彼は大きくなっただけで何も変わっていない。
昔は彼のあそこも気にせずに見たけれど、今はさぞ大きくなっているんだろうと思うと、また自然と顔が赤くなってしまっていた。
性に振り回されるようになった今日この頃のとある昼休み。
珍しく部長から召集がかかって、部室に勢揃いした。
何の用件かと思ってみれば、部員全員が大好きな山王丸そる子先生の新作情報をゲットしたので、いてもたってもいられなかったようだ。
そして題材はバケットリスト。
死ぬまでにしたいこと。
それぞれやいのやいのと意見を出してはしゃぐ中、菅原がぼそりと呟いた一言が、一気に波紋を広げた。
「セックス」
超美人の菅原新菜は、死ぬまでにセックスがしたいと言ったのだ。
小野寺和紗。
156cm。
愛読書は「モモ」で、泉と幼馴染みで変に意識してしまうこともしばしば。
性長
菅原のセックスがしたい宣言で取り乱す文芸部一同。
特に潔癖な曽根崎は後輩に注意をするが、出し入れの方ですとストレートに言い直されて意識を失いかける。
しかし、菅原は本気だった。
私はもうすぐ死のぬです。凄くタイムリーな話だったから、ちゃんと考えた末に出した答えなのですと言う。
果たして彼女が死ぬとは難病か何かの話なのか、その答えは分からなかった。
唯一つ確実なのは、乙女たちの中で何かが動き出したことだった。
まず動いたのは性に潔癖な曽根崎だった。
自習時間にぺちゃくちゃ性的な話をしている腐れビッチの声にイライラし、「この性の獣が!」と暴言を吐いて喧嘩を売ってしまったのだ。
しかし、クラスの空気はブスの僻みだとなって、さしもの彼女も悔しさと恥ずかしさで目に涙が溜まり始める。
その時、唯一否定してくれたのが天城なる男子だった。
「曽根崎さんて、背が高くてスラッとしてるし、顔もけっこう可愛いと思うんだけど」
その意見に同意する者はいなかったが、また曽根崎の何かを動かしたことは間違いなかった。
セックス発言が波紋を生み、全員が集まらなかったその日は早々に解散となり、我が家へ帰った和紗に待っていたのは、またしても泉へのおすそ分けを持っていく任務。
今は家族の事情で一人っきりで家にいるから仕方なしと思ってチャイムを押すが出てこない。
玄関のドアは開いていて、大きな音で音楽を流しているようだった。
二階の彼の部屋から聴こえるので、当たり前のように一品料理を携えて薄く開いているドアを全開にした。
まだまだ中身は子供だと思っていた彼は、パソコンでAVを観ながらオナニーをしている真っ最中だった。
つまり、音楽は喘ぎ声を消すためのもの。
そっとパソコンを閉じ、彼が下着とズボンを履き終わった所で彼女は何を見てしまったのかが理解できて、一品料理を落として家の外にかけ出した。
破瓜。
料理はきゅうりのたたきだった。
身体が大きくなったのは見れば分かる。
でも、何年かぶりに見たあそこは、もう知っているあれじゃなくなっていたし、形状もなんだか違っていた。
アレをああしたり、こうしたり、入ってきたり・・・
幼馴染みのあられもない姿から逃げ出した夜の街は、性的な言葉に溢れている気がした。
後日、今は母が出払っている典元家のために、泉は和紗の家に夕飯をお呼ばれすることになった。
目撃してしまった日から彼女は悶々といいようのない気持ちでいたのだが、それよりもっと顔を合わせ辛かったのは、もちろん見られた彼の方。
忘れてくれないかと言われて、うんうんと了解するが、彼の恥ずかしがる顔を見ていると、気の毒になって自分に置き換えて考えてみた。
胸か茂みか・・・
両方しっかり隠せればいいのだろうけど、その時ばかりは顔を隠したかった。
青春と性春
潔癖な部長は心乱した菅原のセックス発言を許すことにし、それに成り代わる文芸部独自の隠語を作ってくるよう部員に宿題を出した。
それはそれとして、やはり同級生ギャルビッチたちの会話にはイライラしてしょうがなく、それが影響したのか、体育の跳び箱で盛大に失敗してしまった。
それが、跳んだ際に思いっきり股間を打ち付けるという、花の女子高生としては死にたくなるような恥ずかしい失敗だったが、あまりの痛みにあそこを押さえて倒れこむ。
その時、すっかり敵対し合うことになったギャルの一人に、
「今ので処女膜破けたんじゃね?」
とからかわれ、もう火が出そうに恥ずかしくなると同時にまさかと思って心配になった。
トイレに駆け込んで確認しようにも、どうしたらいいか分からない。
不安を吹き飛ばそうと水場で顔を洗っていると、あの天城が擦りむいたらしい膝を洗いに来た。
すると、メガネを外している彼女の顔に注目して、やっぱ可愛いわと言った。
また違う恥ずかしさがこみ上げた彼女は、拒絶して来た世界を遠ざけようとして彼に水をかけて追い払おうとするが、これも青春っぽいねと言われてどう返していいかわからず逃げ出す。
可愛い?私が?
性に潔癖な文芸部部長の青春が始まろうとしていた。
次に恋の嵐が襲いかかったのは、泉だった。
比較的目立つ感じの女子が彼に告白しようとしているらしいと情報をキャッチした和紗・百々子・新菜の3人は、モラルなど関係なく告白シーンを一部始終撮影することに。
すると、彼は最初は断ったものの、好きな人がいるのと訊かれていないと答え、そこからグイグイ押されて少し考えさせてと、希望を持たせる答えを返した。
結局、撮影はばれてしまったが、好きでもないのに断らないのは、ただアレが、エス・・・イー・・・・・・バツがしたいだけなんでしょーと、捨て台詞を吐いて和紗は逃げ出す。
その後で彼女は気付いた。
菅原に、どうしてもセックスしなきゃならない状況になったら誰としたい?と訊かれて、泉しか思い浮かばなかった。
その時、ようやく彼のことが好きなのだと自覚したのだった。
しかし、何がいけなかったのか、文芸部は校長直々に廃部を言い渡されてしまうのであった。
感想
荒ぶる季節の乙女どもよ1巻でした。
面白度☆8 乙女度☆8
それでも僕は君が好きよりライトな印象になって、コメディ要素が増えた分読み進めるのが楽でした。
オナニーを目撃するというハードで忘れられない経験。しかもフルの状態であの体勢を見た時は、なかなかえげつないなと思いましたね。
ともあれ、部長が可愛すぎて早くデートシーンが見たい。