荒ぶる季節の乙女どもよ2巻
ネタバレ感想
荒ぶる季節の乙女どもよのネタバレと感想とあらすじと画像、漫画を無料で読める方法を紹介。
和紗は幼馴染みの泉の成長を目の当りにし、他の女の影を見て彼への好意を自覚する。
曽根崎は初めて男子を意識し始め、菅原はストーカーをうまく躱していた。
そんなこんなの後、廃部を言い渡される。
支配からの卒業
廃部の原因。
それは、彼女たちが知らず知らずの内に招いていた事だった。
文学作品を朗読するのはまだよし、しかし、卑猥な表現を高らかに発声する声は通り過ぎる生徒達の苦情の元になり、ここ最近はセックスの隠語をあーだこーだと話し合っている声もダダ漏れで、教師の耳にも届いていたのだ。
何より、現在顧問不在なのが大きかった。
管理指導する存在がいない部を野放しにするのは危険だし、それが卑猥な言葉を連発する部なら尚更だった。
と言う事で、何としても新顧問を引き入れる事で彼女たちの意見はまとまった。
話し合いの帰り、曽根崎と本郷は憂さ晴らしに本屋へ。
そこで男女の青春が始まりかけている曽根崎は、あの天城が似ているといったモデルが載っている雑誌に文句をつけながらも購入。
本郷は、自分の作品が知らぬ間に許可していない煽り文句で店頭に並んでいるのを発見し、怒り心頭で編集に連絡を取った。
さて、翌日から手当たり次第に教師に声をかけていったが、文芸部と聞くや彼らは苦笑いや、運動部並みの鍛錬を求めたり、単純に嫌がったりして、世知辛い現実を突きつけてくる。
文芸部は嫌われている。
その事実に考え方を改め、同情ではなく学校の横暴を白日の下に晒して、顧問をつけざるを得ない状況にしてやると息巻き、本郷はヤル気を漲らせていく。
激しく責め立てる文章の波が押し寄せる中、本郷は次の休みは手伝えないと申し出た。
人生のターニングポイントになるであろう経験を積んでくる予定なので、そっちを優先させたいとのこと。
相当な覚悟を持っている様子に、戸惑いながらも部長は送り出す言葉をかけた。
その経験とは、セックスをしに行くというものだった。
いつの頃からか始めたある人とのチャット。
ミロなるその人物とは、卑猥な言葉をやり取りしてきた。
言うなれば、言葉だけのセックスだった。
その彼に送るために生み出してきた数々の表現が彼女の中にうず高く蓄積され、一冊の本を完成させたのだが、編集は彼女の文章をバカにし、女子高生作家の肩書きだけで売り込んでいたのだ。
編集は事ある毎に言った。
実感が篭っていない、リアリティがないと。
ならば、実体験を踏まえたうえでの文章を書いてやろうと思い、チャット相手に処女を捧げる覚悟を決めたのである。
意地とプライドと文芸部存続のために、いざ待ち合わせ場所へ。
目印は花柄のシャツ。
ヤバそうで不潔そうならすぐ逃げよう。
目印を発見し、視線を上にスライドさせていくと、よく知っている顔と重なった。
メガネを外していたが、セックスしようとしていた相手は彼女の高校の存在感がない教師だった。
脅迫と顧問
相手も本郷がどこの誰かに気付き、緩急をつけた逃走の末に雑踏の中に消えていった。
週が空けてから、文芸部一同は部存続のための署名活動を開始した。
しかし、イロモノ扱いの曽根崎、和紗、百々子の3人しかいない空間に誰も近寄らず、冷たい笑い声が届くばかり。
その時、曽根崎の心を惑わす天城が登場。
強引にビラを奪い取って、生来の明るさでもってあっという間に何人かの署名をゲットしてくれた。
しかし、曽根崎は意地でも彼の優しさを認めようとしないが、思わずちょっと惹かれている風な事をポロッと零し、勝手に赤くなる。
そして、菅原がやることには男子が何をしていようと群がってくる。
他3人は嫉妬するでもなく、彼女を大きな戦力として感謝の念を送るところなんかは、イロモノ扱いするにはもったいないほど、清らかな心の持ち主だと言えよう。
さらに泉登場。
和紗が困っていたことなど知らなかった彼は、遅まきながらも手伝おうとしてくれたようだ。
しかし、二人の間のぎこちない空気は変わらずで、そこに彼に告白した浅田もやってきた。
彼へのアピールのつもりかビラを奪い取って手伝おうとしてくれるが、それ以上に菅原に敵対心を抱いているようだった。
それは先日、菅原が彼を呼び出したからだった。
そんななんやかんやの協力もあって、署名は目標数に到達し、それを持って張り切って校長に直談判にいった。
それでも、ドヤという彼女たちに顧問がいないと始まらないと非情な答え。
その時、どこへいたのか分からなかった本郷が現れた。
彼女の横には、脅しの末に顧問になることを承諾させられた、ミロこと山岸先生がいた。
そして、名前も影も薄い彼のために、適当な理由でミロ先生というあだ名までつけて、彼を新顧問に強制着任させた本郷であった。
それから、ミロは名前だけでなく、しっかりと部活にも顔を出すようになり、女子高生が朗々と語る性描写にも眉一つ動かさず、的確な感想を述べて部員たちの評価を上げていた。
部活の危機を乗り越え、和紗は改めて泉のことを考えた。
自分がモテるようになったことで、女子のやっかみが和紗に向かうのを心配してくれていたことが、今思えば分かる。
だから、彼がえすいばつを他の女子としたいと思っているのかどうかは忘れて、一般的な高校生の男女として考えようと思った。
そんな決意をした当日。
所用から帰ってきた泉母に夕食に誘われ、彼の部屋に置きっぱなしになっているらしい調味料を取ってきてと頼まれる。
まだ泉は帰ってきていない。
しかし、扉を開ければパンツを脱いだ彼がいそうで怖い。
もちろんそんな事はなかったが、昔二人で観た懐かしいアニメ映画のDVDを発見して、パカっとパッケージを開けてしまったのがよくなかった。
その直後に階段を駆け上がってくる泉の足音。
咄嗟にリュックの中にパッケージを押し込み、彼女は逃げ帰るように隣の我が家へ飛び込んだ。
なぜだ泉。
なぜだ私。
パッケージの中身は、彼が観ていた痴漢モノのエロディスクだった。
その頃、曽根崎り香は生まれ変わっていた。
それぞれの恋
和紗は夢を見た。
白く輝く太陽のような球体を、無数のおたまじゃくしが目指している。
ああ、これは人間が生まれる前の競走している世界なんだと分かった。
その中に、くしゃっと丸められたティッシュがあった。
そこから、一体のおたまじゃくしが抜け出してきて、よろよろと卵子を目指し始めた。
それはきっと泉だ。
そう思うと応援せずにはいられなかった。
でも、卵子の前には、告白した浅田がセクシーな下着姿で待ち構えていたのだ。
そんな神秘的な夢を授業中に見ていた頃、3年のテリトリーでは曽根崎の話題で持ち切りだった。
ぱっつんにした前髪を下ろし、結んでいた髪はさらさらストレートで流し、メガネもやめて登校してきた彼女は、まさにあのモデルに似た美少女に変身していて、クラスはざわざわ天城ももじもじしていた。
処女膜破れたと言って後悔していたギャルも、メガネ外しからの美少女なんて漫画みたいでいいじゃんと、素直に可愛さを認めてくれていた。
しかし、天城がモデルに似てるって言った後でイメチェンしてきたのは、彼が好きだから~と誰かがからかったせいで、彼女は恥ずかしくて必要以上に拒否してしまい、彼の傷ついた目を見た。
いたたまれなくなって教室を出て行った彼女の後を彼は追って伝えた。
もうみんな誤解してないと思うけど、俺は誤解で少し残念だ。
「曽根崎さんの事、好きになりかけてたから」
初めての告白。
舞い上がって喜びたい。
受け入れていいのかも知れない。
でも、そうする方法を知らなかった。
どうしていいか分からなかった彼女は素直になれず、どこをどう好きになったのかレポート50枚書いてきたら認めてあげると言って、また逃げ出した。
文芸部部長に恋の花が咲きそうになれば、他の部員も蕾のままではいられなかった。
百々子は今まで男子を好きになった事がないと、菅原に相談していた。
その時、彼女に和紗と百々子は人生で一番仲良くなった友達だよと言われ、不思議な気分に陥っていた。
本郷はチャット相手で今は顧問になった山岸と、秘密の逢瀬をしていた。
そして、こっそり痴漢DVDを泉の部屋に戻そうとしていた和紗はあっさり彼に見つかってしまい、夢も希望も打ち砕かれる言葉を浴びせかけられてしまうのだった。
感想
荒ぶる季節の乙女どもよ2巻でした。
面白度☆8 波乱度☆7
メガネを外したらパターンが二人連続で続きましたが、部長のインパクトが強過ぎたし、ミロはやっぱり薄過ぎて特にびっくりできず。
天城にはあそこでガッと引き止めるくらいして欲しかったですね。
そして泉くん。はっきりするのはいいけど、いらんことまで言って傷つけちゃあダメですよ。