2話
ほとんど同じ毎日を過ごしているなんて気づかないまま幾日か過ぎ、その日は川にキャッキャウフフな時間を過ごしに来た。
カナヅチの茜は浮き輪で浮かびながら、恥ずかしさに勝てずTシャツを一枚羽織り続けた。
著者名:有田イマリ 引用元:はっぴぃヱンド1巻
いづみは自慢のナイスバディがよく分かるビキニを着て、ターザンのように飛び込む姿でさやかの悪戯心を刺激してしまい、ブラを奪われて辱めを受ける。
そうして3人が遊びまわっている間に、椎葉ハルと御厨弥生がお約束のカレーを作ってくれていた。
二人とも、なんだかんだ新参者の茜と仲良くなるきっかけを探していて、いづみの誘いを快諾したのだった。
著者名:有田イマリ 引用元:はっぴぃヱンド1巻
何気にクラスの潤滑油になっているいづみに感謝しつつ、いじられ役の彼女をスイカの横に埋めて一か八かの賭けに出たりして、日誌に書くだけでも楽しい一日になった。
この辺の住民なら誰もが知っている「アカズの家」なる心霊スポットに肝試しに行って、意外と怖がりの椎葉に追いうちをかけたり、夏祭りの金魚掬いで一匹も掬えずお小遣いを散財しまくったりと、夏らしい思い出で日誌は埋まっていく。
こんな楽しい時間がずっと続けばいいな。
なんて思いながら、浴衣の袖を揺らして姉と住む我が家に帰った。
7月10日の夜。
母親が交通事故に巻き込まれて意識不明だと連絡が入り、翌朝に東京へ向かう事になった。
その夜は母の無事を祈るだけで頭がいっぱいになり、日誌を書くどころではなくなった。
時計の針が12:00を越えて日付が変わった瞬間、茜は何かが弾けたように一回目の記憶が蘇ってきた。
そして、誰かが使っていた中古だと言われて渡されたこの日誌が、友達に殺されるまで自分が使っていたものなのを思い出した。
その直後、どこかに出かけたはずの姉が背後に立っていて
「お前、日誌書かなかっただろ」と言ってきた。
著者名:有田イマリ 引用元:はっぴぃヱンド1巻
包丁を持った姉は背中を躊躇なく刺してきた。
茜は鞄を振り回して掻い潜り、外に飛び出した。
全てが一回目と同じだった。
仲良くなった同級生も、家族の姉も7月11日に豹変して、自分を殺した。
日誌を書かずに7月11日になったから記憶が戻ったのか?
日誌を書かなければならないのにサボった場合の罰が殺される事で、それを乗り越えるためにタイムリープをしているのか?
そして、なぜかこの日誌だけが今までの出来事を記録し続けている。
茜は3回目、4回目の自分に向けてメッセージを残してから、母の顔を思い浮かべようとしたができなかった。
その直後、追いついてきた姉に殺された。
3回目の田舎生活初日。
日誌を受け取った瞬間に記憶が戻ってきた。
著者名:有田イマリ 引用元:はっぴぃヱンド1巻
今までとは違うタイミングで記憶が戻った事に戸惑うも、初日の放課後の教室で出会うさやかに、自分がこの夏を繰り返していることを話してみた。
するとさやかは、この田舎の秘密と私の知っていることをついてきたら教えてあげると答えた。
著者名:有田イマリ 引用元:はっぴぃヱンド1巻