4分間のマリーゴールド1巻
ネタバレ感想
4分間のマリーゴールド1巻のネタバレと感想と画像、漫画を無料で読める方法を紹介。
救急救命士をしている花巻みこと。
彼が9歳の時に父が再婚して、母と3人の兄弟が一気に増えた。
賑やかな食卓は、ずっと続くものだと思っていた。
沙羅とマリーゴールド
再婚後、父はすぐに亡くなってしまい、フリーカメラマンの母は不在がちだった。
兄の廉は警備会社で働き、弟の藍は今や高校生。
そして、姉の沙羅は画家として日がな一日キャンバスに向かっていた。
著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド1巻
夏になれば縁側の襖を開け放ち、タンクトップにショートパンツで絵を描いている。
救命士のみことが出勤する直前、「鎖骨貸して」と無邪気にポーズを頼んでくるので、彼はそれに応えながらもうまくできないフリをすれば、姉が手取り足取り触れてくるのを知っていて期待していた。
みことには特殊な能力があった。
事故や急病で死に近づいた人たちを病院まで運ぶ救急車。
その間、少しでも生存率を上げるために手を尽くす救命士。
そんな彼には、人の手に触れるとその人の人生の最期がビジョンとして見える不思議な能力があった。
著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド1巻
だから、懸命に処置していても助からないと分かった時には、どうしようもなくやるせない気持ちになってしまうのだった。
もちろん、その能力に気づいた頃はビジョンで見えた死の未来を覆そうとしてきた。
だが、一度も救うことはできなかった。
また救えなかったその日は、姉の26歳の誕生日だった。
いつからか贈るようになったマリーゴールドの花束を抱えて帰り、姉さんと呼びながらも心の中では「沙羅」と何度も呼びかけて、花束を渡した。
著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド1巻
誕生日は毎回、何か願い事をする。
沙羅はその年、もう14歳になる犬のシロの白内障が治りますようにと願った。
ケーキの蝋燭を吹き消し、飲んで食べて笑いあってから、庭に出てささやかな花火を楽しむ沙羅は、とても楽しそうで元気に見えた。
みことは庭にもマリーゴールドを植えれば、一年の間いつでも見られるよと言ってみるが、彼女は一年に一度の花束の方がいいと答えた。
著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド1巻
「しわしわのおばあさんになっても毎年ちょうだいね」
それは、彼が一番望んでいることでもあった。
だが、みことはちょうど一年後の27歳の誕生日に沙羅がこの世を去ると知っていた。
著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド1巻
彼女の誕生日は、彼らが家族になった記念日でもあった。
残り一年しかないと分かっていても、常に彼女の傍にいられないのは仕方なく、救命士として、日々死が間近に迫った人たちと接しなければならなかった。
もう孫が生まれる間近の老人は、息子の願い通りに天寿を全うし、大きくなった孫や息子夫婦に看取られて亡くなる最期が見えた。
そんな少し気分が晴れやかになる未来が見えた日は、タイミングよく父の命日だった。
仕事が終わるのを待ってくれていた沙羅と連れ立って出かけ、お供えもののスイーツを買ってから墓地に行くと、墓参りに来ていた人に若い夫婦だと間違われた。
著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド1巻
廉と藍は先に来ていて、既に掃除やなんかを終わらせてくれていた。
まだ10歳だったとしても、父が倒れた時に何もできなかったみことは、子供ながらに自分を責めた。その時、沙羅が代わりにこれからいっぱい人を助けてあげたらいいと言ってくれ、その言葉で救命士になると決めた。
沙羅は手を合わせながら、「このまま二人とも結婚しなかったら、同じお墓に入れるね」と冗談めかして言うが、彼は一人の男として彼女を助け、同じ墓に入りたいと思った。
著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド1巻