ロッタレイン2巻ネタバレ感想
ロッタレインのネタバレと感想とあらすじと画像、漫画を無料で読める方法を紹介。
大怪我をして仕事を辞めた玉井一は、子供の頃に家族を捨てた父の家で暮らし始めた。
新生活を始めて程なく父を母から奪った女性が亡くなり、血が繋がらないのは義妹一人に。
そして彼は、まだ子供と言える年齢の義妹の唇に魅せられていた。
ロッタレイン2巻
坂を降りても平坦な道のない河川敷の斜面の一番下。
流れる水に足先をつけて初穂が仰向けに寝ている。
顔は帽子で陽射しを防いでいて、短いスカートの奥が見えそうで見えないくらいになっていて、一は思わずそこに視線が吸い寄せられた。
彼女に覆い被さった直後、目が覚めた。
母がいなくなった喪失感を感じながらも、子供たちの日常は今まで通りに過ぎていく。
初穂は家を出る前に一の携帯に自分の連絡先を登録し、さっそく晩御飯は何がいいか考えておいてとメッセージを送った。
初穂は学校で、奥野が頬に怪我をしている経緯を誰にも話さなかったし、彼に対する態度も今までに比べて冷淡と言えるほどに接していた。
しかし、自信家でプライドの高い彼は殴ったあの男が彼女の兄だと知っても、悪し様に責めたて、頭おかしいんじゃねえの?と怒りを見せた。
彼女に好かれていると思っていたのに、「好きじゃないからほっといて」と返され、彼のプライドは崩れ去った。
一はまた夢を見た。
今度は海が荒れ狂う浜辺にいて、飲んでいた缶ビールを初穂が欲しがり、泡だけ飲んだ彼女はやはり苦虫を噛み潰したような顔をした。
彼の膝に頭を乗せてころんと横になる。
彼は鶴彬の句が浮かび、諳んじてみせた。
そこで目が覚めると、初穂が顔を覗きこんでいた。
彼は今朝の夢と同じ、土手で眠りこけていたようだった。
帰る途中だった彼女は、彼を自転車の後ろに乗せて走り出したが、彼の夢の中に自分が出てきたと聞かされ、軽快に走り出した自転車のバランスを失ってしまう。
著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン2巻
結局、彼に漕いでもらって家に帰った。
次の日から、父は休職して布団の中で過ごす時間が増えていった。
一は東京に帰るのも忍びなく、ここで仕事を探すことにした。
さっそく仕事を探しに行ったが、前職を辞めた理由が事故だと話すと、紹介所の職員は意味ありげな反応を返して、前途多難な雰囲気を隠そうともしなかった。
肩を落としてそこを出ると、同じタイミングであのコンビ二の店員の女性とばったり会った。
彼女は小出蛍子と言い、一度仕事を辞めてバイトしながら資格取得を目指しているのだと教えてくれた。
彼がこっちで仕事を探し始めたと聞いた彼女は、親戚がやっている高齢宅への配達の仕事を紹介してくれた。
しかし、運転が必須な仕事なので、彼は無意識に身体を強張らせた。
そして親切にしてくれる彼女に、僕がどんな悪い奴かも分からないよと冗談めかして忠告すると、逆に私がだまそうとしているかも知れませんよと返され、お互いに笑みが零れた。
著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン2巻
彼が緊張させた空気がまたフッと柔らかくなった時、初穂から「こわい」の一言だけが送信されてきた。
蛍子が親戚に電話して取りあえずの確認をしてくれている間に、彼も初穂に電話をかけたが繋がらず、お礼もそこそこにすぐにその場を離れた。
初穂は奥野とトラブルを起こしていた。
プライドを傷つけられた彼は、彼女の家庭環境を卑屈な笑みを浮かべて蔑むように突きつけ、彼女の逆鱗に触れていた。
すると逆切れして掴みかかるという暴挙に出ていた。
著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン2巻
その場はまだ学校にいたので教師や同級生が間に入って大事にはならなかったが、彼は帰り道に彼女を尾行し、謝ってきた。
彼女が謝罪を受け入れた時にすぐに立ち去れば良かったのに、警戒している彼女の様子にまた頭に血が上ってしまい、怯えて逃げ出す彼女を追わずにはいられなくなった。
どこかのだだっ広い土木会社の敷地に逃げ込んで息を落ち着かせ、彼女は一に「こわい」と急いでメッセージを送っていたのだった。