進撃の巨人98話ネタバレ感想

エレンはファルコと接触し、故郷への手紙を託させた。

ライナーは自殺未遂を起こすほど、精神が追いこまれていた。

戦槌の巨人を所持するタイバー家は、歴史の表舞台に再び出てこようとしていた。

 

 

第98話 よかったな

ライナーはパラディ島上陸作戦のために情報を提供していた。

 

北の方は意識的に守りが薄い。

しかし、桟橋がある南は大量に船を沈没させられたことから、安全に着岸できる保障もない。

 

ただ知っている情報を伝え、判断をマーレに任せるために何も立案しなかったのが、逆に上官たちの機嫌を損ねてしまっていた。

 

 

 

現在巨人を宿している彼らは、この次に巨人を継承するだろう子供たちの訓練風景を眺めていた。

 

すると、ファルコがガビを抜いて競争で一番を取る光景を目の当たりにした。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2017年11号

 

 

初めての勝利に他の二人もファルコを祝福し、彼自身もとても大きなことを成し遂げたかのように拳を握り締めていた。

 

しかし、兄のコルトは今更ガビの評価を上回れないと言い、弟が巨人になる可能性を危惧した。

 

それを言葉だけジークは諌めながらも、弟の命を案じる兄の気持ちも尊重してくれた。

 

そして二人はキャッチボールをしに行くと告げてそこを離れた。

 

その二人の背中を、ポッコとライナーはジッと見ていた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2017年11号

 

 

 

訓練が終わって収容区へと帰る道すがらでも、ゾフィアたちはファルコの初勝利に湧き立っていて、顔見知りの門兵も彼を囃し立てた。

 

もちろんガビはおもしろくなく、自分が鎧を継ぐに決まっているし、コルトが獣を継いで家族共々名誉マーレ人になれるのに、なぜそこまで頑張ると訊いた。

 

 

そこでファルコはついに、お前のためだと答えて告白した。

 

しかし恋愛脳的考えが一切浮かばないガビには全く伝わらなかった。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2017年11号

 

 

 

ファルコを除いた3人は、広場に建設中の宣誓の舞台を見にいった。

 

ここに各国の要人を集め、祭りと称してタイバー家が宣言する。

 

その観客席にマガトがいるのを見つけ、傍に見慣れない男が座っているのに気付いた。

 

 

マガトは調べていた結果報告をタイバー公に伝えると、軍はあなたのものだと返されたが、軍は国家のものだと言い返した。

 

軍に指令を出せるのはタイバー公であり、だから国もあなたのものだとマガトが言うと、彼は国はマーレ人とエルディア人の国民のものだと言い返した。

 

ただ自分は、避けようのない運命でタイバー家を継いだだけだと。

 

 

その重圧に彼が溜め息を吐くと、マガトはねずみが家に入り込んでいた事実も伝えた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2017年11号

 

 

 

ファルコはあれから病院に入院しているクルーガーに何度も会いにいっていた。

その度に手紙を託されて素直にポストに投函していた。

 

 

クルーガーの横にはグローブとボールが置いてあった。

 

それは退屈しのぎに家族が送ってくれたものらしいが、片足がない彼は難しかったらしい。

 

そして、家族を安心させるためにも、各国要人が集まる祭りが終わったら故郷に帰るつもりだと言った。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2017年11号

 

ファルコはそれを寂しそうに聞いていたが、医者らしき男が近づいてきたのを見て、すぐにその場を離れた。

 

 

男はさっきまでファルコが座っていた場所に座り、診療医のイエーガーだと名乗り、クルーガーも挨拶を返した。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2017年11号

 

 

イエーガーはファルコを知っているらしく、彼が生まれる前に彼の叔父がエルディア復権派として捕まり、家族諸共楽園送りにされたのだと教えてくれた。

 

そして親戚のファルコたちは疑いを晴らして家族を守るべく戦士に志願し、兄の方が獣の巨人の継承権を得たことによって、ようやくグライス家は安泰になったのだと言う。

 

だから、ファルコに妙な頼みごとをして、疑われるような真似はさせるなと言った。

 

 

心が健康なら会えなくなって後悔しないうちに家族の元に帰れと言われ、それで逆にイエーガーに深い後悔があるのだと分かった。

 

イエーガーは後悔があるのかと訊かれ、ゆっくりと打ち明けた。

 

息子が妹を連れて壁の外に出て、取り返しのつかないことになってしまったのは、全て自分が医者になれと厳しくしすぎたせいだと思っていた。

やがて息子があんなことをしでかそうとしたのも、全て自分のせいだとわめき出し、焦点の合わない目をどこかに向けて歪な叫びを上げた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2017年11号

 

 

その直後、医師と看護師が彼を建物の中に連れ戻していった。

 

 

クルーガーと名乗ったエレンは、本当に精神を病んでいる祖父の背中を見送ってから、少し汚れているボールを軽く空に投げた。