梅雨が長引いていたが、長岡の花火大会が近づいていて、地元民は徐々に心が浮ついていた。

 

そんなある時、また職場に苦情のメールが届き、他の社員にも知られることになってしまい、学校にも匿名で二人の関係を密告する手紙が届いた。

 

 

配達から戻った一は待ち受けていた同僚たちに詰め寄られたが、真っ向から否定してその写真の場面の経緯を正直に話し、社長が庇ってくれたのもあって大事にならずに済んだ。

 

 

初穂は校長を含めた数人の教師に呼び出されていた。

 

空気の読めない自分の考えを押し付ける担任の言葉に悔しくて仕方なかったが、ただ兄が助けてくれた時の写真だと伝えて解放してもらえた。

著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン3巻

 

 

しかし一は緊張で足が震え、初穂は悔しくて泣いてしまっていた。

 

 

 

そして翌日から学校では確実に噂が広がっていて、担任は服装検査で気持ち悪く髪や唇を触ってきた。

 

初穂は怒りがこみ上げ、あの時尾行していた3人に、奥野とグルで写真なんか送りつけて楽しいの?と怒声を浴びせて受けて立つ姿勢を見せた。

著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン3巻

 

 

中島がすぐに自分が請われるまま奥野に動画を送ったせいだと打ち明けたが、最早好き勝手に噂が広まってしまってから何を言われても遅かったし、犯人の奥野が休んでいるのも計算されたようで何も信用できなかった。

 

 

一の方は、東京で起こしたバス事故までリークされていて、それは社長もさすがに不信感を抱かずにはいられなくなっていた。

 

 

仕事終わりと学校帰りに二人はお互いにされた事を知り、初穂は奥野の家に乗り込もうとしていた

 

だがチャイムを押しても大声で呼びかけても出てこないので、門を乗り越えた直後、セキュリティのアラームが鳴り響いた。

 

 

交番に補導され、父が呼び出され、奥野の母にねちねち嫌味を言われ、奥野本人は体調を崩して寝込んでいると聞かされた。

 

 

 

その日の夜に初穂は一の部屋に行って悔しさをぶつけ、二人だけでどこかに行きたいと縋りついた。

 

それを澄也に聞かれてしまい、大声で父を呼ばれてしまうのだった。

著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン3巻

 

 

 

翌朝、初穂は注意されていた目にかかっていた前髪をパッツンにして学校に行こうとしたが、父に呼び止められた。

 

 

仕事の都合でオーストラリアに引っ越すことに決めたと言った。

 

ただ連れて行くのは、初穂と澄也だけだと付け加えた。

著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン3巻

 

 

 

もちろん一は受け入れられなかった。

 

一度自分と母を捨て、身勝手な都合で初穂と出会わせ、深い関係になりそうになればまたそれを自分の気持ちだけで奪おうとする。

 

そして高ぶる反発心と初穂への思いが彼女にも伝わり、「行こう!」と腕を取られ、その勢いのままテーブルをなぎ倒して行く手を遮り、着のみ着のまま二人で車に飛び乗った。

著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン3巻

 

 

 

助手席に座って東京に行こうと提案する初穂を見ると、また唇に吸い寄せられてから、セーラー服から伸びた白い足と胸元に視線を移し、誰にも渡さないと言った。

著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン3巻