
屍牙姫1巻ネタバレ感想
屍牙姫のネタバレと感想とあらすじと画像、漫画を無料で読める方法を紹介。
「スズキさんはただ静かに暮らしたい」の佐藤洋寿最新作。
人気のない洋館に住む、謎の美女。
その洋館がある街では、行方不明事件が頻出していた。
1話
水泳の授業を見学している眼鏡の少年、橘壮一。
彼は同級生から金を脅し取られるような酷いいじめを受けていた。
家はゴミ屋敷のような有様で、近隣住民から煙たがられ、母親はぶくぶくと太って働きもせずに、暗い部屋の中で日がな一日ボーっとして過ごしていた。
放っておいても何も好転しないこの生活から抜け出すため、壮一はいじめっ子に金を渡す代わりに、いい思いをさせてやると言って誘い出した。
連れて行った先はある洋館だった。
そこで紹介したのが、見た目が20代に見える妖艶な美しい女性だった。
その女性はずっとこの屋敷に閉じこもっているから、どうしても溜まってきてしまうと言いながら、躊躇いなく服を脱ぎ落とし、均整の取れた裸体をさらけ出した。
著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫1巻
いじめっ子の股間は瞬時に膨れ上がった。
美輪子と呼ばれたその女性は彼の後ろに回って、ズボンの中に手を差し入れようとする。
彼はだらしない顔をしながら、散々いじめてきた壮一に礼を言った。
直後、美輪子は彼の背中を突き破って心臓を掴み、胸側も突き破って抉り出した。
いじめっ子はビクビクと身体を震わせながら床に倒れ、壮一はゴミでも見るかのように見下ろした。
美輪子から心臓を受け取り、果物をプレスして果汁を搾り取るような容器に入れ、心臓を押し潰して血液を余すことなく出し、それを美輪子の口に滴り落としていく。
著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫1巻
飲み込め切れなかった血が顎や胸を伝い、下腹部の陰毛が見えなくなるほど溜まっていく。
食事を終えた美輪子に、壮一は使い魔にしてくれるよう頼むが、あなたにも失いたくないものがるでしょうから、もう一度改めて考えてみなさいと猶予期間を与えられて断られた。
壮一はそれが何なのか考えながら、通学で使っているバスでいつも見る同じ高校生のカップルを思い出し、彼氏が一人でいる時に声をかけた。
人生を斜に構えて見ている彼氏はあっさりと壮一について行った。
裸で待ち受けていた美輪子を見て、彼氏は彼女に悪いと思い帰ろうとした。
著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫1巻
美輪子はその思いに気づきながら、尋常ではない力で腕を掴んで捻り上げ引きとめた。
壮一は自分にないものを全て持っていそうな彼氏を、ただ嫉妬で選んだだけで、その薄汚い心を表情に表しながら、美輪子が心臓を抉り出そうとする様を見ていた。
しかし、心臓を抉り出されたのは壮一だった。
何もない壮一より、大切なものを多く持っていそうな人間の方がおもしろそう。
そんな理由で、尽くしてきた壮一は見限られたのだった。
2話
彼氏の広田は、薄っすら口が裂けた美輪子を見て逃げ出そうとした。
しかし、彼女に足をスッと横に払う仕草をされただけで、ふくらはぎの辺りから切断されて身動きをできなくされてしまう。
そして痛みと恐怖にもがく彼の首に彼女は噛み付いた。
著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫1巻
その日から1週間経った。
彼は屋敷内に監禁され続け、全裸で吊るされていた。
しかしどうしてか、切断された足は切断面が歪ながらもくっついていた。
その閉め切った部屋のカーテンを時折開け放たれ、差し込んできた陽の光に当たると、肌が火傷したように膨れ上がり血を噴いた。
それを1週間の間に何度もされたせいで、死ぬ事はないのだと嫌でも分かった。
激痛の中で浮かんでくるのは、両親や妹、飼い犬の顔・・・そして彼女のちかだった。
走馬灯のような思い出から意識が戻ると、繋がれていた鎖が外され下ろされていた。目の部分にボタンがついた変な布を鎖でぐるぐるに巻きつけられていたが、身体は自由に動かせた。
美輪子がいない間に逃げ出し、公衆トイレに駆け込んでから布を取って鏡を見ると、自分の面影が見つからない化け物がいた。
心臓の鼓動と共に「狩れ」と強要する声が頭に響いてくる。
その中で一つだけ聴こえる、優しい心臓の音に誘われて追いかけると、その音の持ち主はちかだった。
しかしちかは、目の前の不気味な布を被った変質者が彼氏だと気づかず、悲鳴を上げて走り出す。
広田は今まで素直に伝えられなかった気持ちを叫びながら、彼女の腕を掴んだ。
その瞬間、ちかは軽トラックに撥ね飛ばされ、彼に掴まれていた腕が引きちぎれた。
著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫1巻
3話
運転手は逃走し、ちかを担いで病院に運ぼうとする途中で警官に遭遇し、彼女を託して身を隠した。
広田は化け物になった代わりに、人を超越した身体能力を手に入れていた。
病院に運ばれたちかは、もって3日の診断が下され、それを広田は病室の窓の外の壁に貼り付いて聞いていた。
あの洋館に引き返し、美輪子に全ての責任を押し付けて襲い掛かろうとしたが、「お座り」の一言で体が勝手に床に伏せた。
美輪子は広田の大切な人間が死にかけていると知り、救ってあげてもいいと囁いた。
交換条件は、新鮮な心臓を献上することだった。
著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫1巻