3話

歓迎会の帰り道の素晴らしい出来事に興奮して、なかなか寝付けなかった信子。

 

しかも送ってもらったのにお礼を言っていないことを思い出し、翌日も色々考えてモヤモヤしながら仕事していた。

 

 

そんなところに彼と一緒の仕事を割り振られて二人の共同作業時間に突入した。

 

昨夜のお礼をサラッと言うチャンスだが、もちろん簡単に言えるわけもなく、同じ空間にいられるだけで喜びを感じつつ黙々と作業を進め、新しい商品を取りにバックヤードへ。

著者名:田村茜 引用元:モブ子の恋1巻

 

 

しかし、高い棚の位置に置いてあるのを自力で取ろうとして、落としそうになってしまう。

 

その時、売り場にいたはずの彼がいつの間にか後ろに立っていて、さっと手助けしてくれたのだ。

 

 

その直後、阿部さんが悲鳴のような歓声をあげた。

 

信子と彼を見て頬を染め、壁ドンしてるじゃないですか!とはしゃいでいるのだが、当の二人は壁ドンが男女の近距離スキンシップだとは知らず、トキメキは生まれなかった。

著者名:田村茜 引用元:モブ子の恋1巻

 

 

そのまた直後に、他のダンボールが落ちてきて彼にヒットしてしまい、阿部さんは自分が話しかけたせいだと謝ったが、彼はもちろんそんな風には思っていない。

 

信子はただ、ありがとうやごめんなさいを思いっ切り表情に出してどんどん言葉にしていく阿部さんを眩しく見ていた。

 

 

 

さて、信子は上がりの時間になってそのまま店内で買い物を始めると、彼がボーイッシュで小さな女の子と惣菜コーナーの前で悩んでいるのを見つける。

 

果たして二人は何を悩み、信子は手助けすることができるのだろうか?

 

 

4話

いつも彼のことを考えている信子は、迷惑になるだろうとか色々考えて、告白するつもりはなかった。

 

なのに、明るく天真爛漫な阿部さんにあっさり恋心を感づかれ、仕事帰りの歩道橋の上でいつから好きなんですか?なんて根掘り葉掘り訊かれてしまった。

 

それでも信子は職場での彼の立ち位置を考え、心にもなく彼のことは逆に苦手だと言ってごまかそうとした。

 

その瞬間、阿部さんは被せるように「あ~~~~~」と大きな声を出した。

 

丁度彼が、階段を上ってきたところだったのだ。

著者名:田村茜 引用元:モブ子の恋1巻

 

 

聞こえていたのかどうか分からないが、彼は普通にお疲れ様と言ってスタスタ帰っていった。

 

 

信子はこれでもかと落ち込んだ。

 

好きな人だからだけではなく、単純に陰口のようなものを本人に聞かせてしまった罪悪感で、暗い影を纏い始めてしまった。

 

結局また色々考えて、せっかく交換した連絡先を有効活用できずに翌日を迎えたのだった。

 

 

 

休憩室に入ろうとして彼がいるのに気付くと、思わず隠れてしまう。でも顔を合わせると彼はいつもと変わらない様子で声をかけてくれる。

 

きっと聞かれていなかったに違いない。

 

そう信じて一日の仕事を終え、何事もないかのように帰ろうとしたその時、阿部さんが3人で何か食べて帰りましょうと言い出して強引に決め、先に一人で原付に乗って行ってしまった。

 

残された信子と彼。

 

諸々に気付いているらしい阿部さんの気遣いを、信子は有効活用することができるのだろうか?

著者名:田村茜 引用元:モブ子の恋1巻

 

 

5話

高く積み重なった買い物かごを運んでいた信子が子供にぶつかられて倒しそうになれば、スッと手を差し伸べて助けてくれたり、年配のお客さんに代わり重たいお米を持って上げたりと、当たり前のように親切な行動を取れる入江くん。

 

考え過ぎて結局行動に移せない信子は、自分とは正反対だと思っていた。

 

 

そんなある日の休憩時間。

 

タンタンタンと階段を踏み鳴らして休憩室に入ろうとすると、足元だけで彼がいると分かり、そっと入室してみれば、珍しく頬に手を当ててうたた寝している。

 

 

眠りを妨げないようテレビを消し、起きた時に視線が合わないように間にささやかな遮蔽物を設置し、手を洗うのでさえちょろちょろとしか水を流さず、おにぎりを食べた時にパリッとなる海苔の音にさえ気を使って、彼の眠りを邪魔しないようにする信子。

 

 

その時、とんでもないことに気づいた。

 

彼の眼鏡がずり落ちそうになっていたのだ。

 

このままでは、歪に曲がってしまいかねないと思ったが、また色々な可能性を考えて動けなくなる。

 

でも、もし彼ならと考え、信子は立ち上がって彼に近づいていく。

 

 

無防備な彼の寝顔を見て、意外に睫毛が長い事を知ったり、顔の近さにドキドキしつつも、そっと彼の眼鏡に手を伸ばした。

著者名:田村茜 引用元:モブ子の恋1巻

 

 

そのまま顔をもう少し近づければ、キスするのも簡単だった。

 

 

その時、不意にドアが開けられる音がして金子が入ってきた。

 

お互いの呼吸が伝わりそうなほどの距離から咄嗟に引いた信子。

 

まさか金子にまで、恋心を気づかれてしまうのだろうか?

 

 

感想

モブ子の恋1巻でした。
面白度☆8 モブ度☆7

確かに目立たないし目立とうとしないですが、良い言い方をすれば控えめで縁の下の力持ちと言えなくもないですね。

あまり大き過ぎないスーパーなら他部署との関わりも深くなりそうで、キャッキャウフフな出会いも多そうでいいですね。

モブ子の恋がモブらしくなく進展する様子を早く見たいです。

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