
テセウスの船2巻ネタバレ感想
テセウスの船2巻のネタバレと感想とあらすじと画像、漫画を無料で読める方法を紹介。
大量無差別殺人犯を父に持つ田村心は、最愛の妻に出産と同時にこの世を去られ、絶望のどん底に突き落とされた。
さらに義両親に生まれたばかりの娘まだ奪われそうになり、父の事件の呪縛から解放されるためにかつて住んでいた北海道の音臼村を訪ずれた。
しかし、急に霧か何かに包まれ、気づけば28年前にタイムスリップしていたのだった。
テセウスの船2巻
文吾は心の免許証の生年月日が平成の未来になっていることを、すぐに妻の和子に伝えておかしいと伝えたが、和子は何かの間違いだと返し、しばらくこの家においてあげるつもりだと答えた。
しかし文語は、もう別の刑事に彼の身柄を引き渡す段取りをつけていた。
明日、木村さつきの父の敏行が雪崩に巻き込まれてしまうという記事があった。
木村さつきは無差別殺人の犠牲になった小学校の教員だった。
過去を変えてしまえばどうなるか分からない不安はあったが、翌朝早くに木村敏行を訪ね、時間と場所を正確に伝えて雪崩が起きると伝え、そこにさつきも家から出てきたが、当然気味悪がられるだけで止められなかった。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻
そこに偶然文吾がパトカーで通りかかったので、強引に乗り込んで後を追ってもらった。
しかし、間に合わずに目の前で雪崩が起きてしまった。
雪煙がもうもうと立ち込める中、木村の名前を叫ぶと、無事な姿で煙の中から出てきた。
心が引き止めたおかげで若干時間がずれ、雪崩の直撃を受けずに済んだようだった。
心が変に追窮される前にそそくさと家に帰ると、母たちがこれから生まれてくる赤ちゃんの名前の案を出し合っているところだった。
すると鈴は、命の恩人の心の名前をもらおうと言い出した。
自分の名前は姉につけられたと聞かされていた彼は、その通りの家族の歴史を見ようとしていた。
しかし、文吾が「正義」と書いてせいぎと読ませる名前に決めていると言い張った。
心は文吾にとっての「正義」とは何か訊ね、その答えを聞いて、やはり殺人をするような人間ではないと思えた。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻
自分は心ではなく、父の想いを受け継いで正義になるかも知れなかった。
不思議な気持ちに囚われていると、北海道警察の捜査一課が心に会いに来た。
捜査一課の金丸とその相棒は、三島千夏の件で話を訊きに来たのだった。
この村に来た理由を父を探すためだと言っても、はなから信用されておらず、威圧的な態度で所持品検査もすると言う。
もちろん二人を呼んだのは文吾だった。
金丸はストレートに千夏殺しの疑いを持っていた。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻
心がどう答えるのが最善なのか判断がつかないでいると、鈴と慎吾がお年玉目当てに駐在所の中に入ってきた。
金丸は子供たちの意図を読み、10円玉と1万円札を見せてどっちが欲しい?と訊いた。しかし慎吾は気圧されてどっちもいらないと答えた。
10円玉を取るか、1万円札を取るか、断るか、だけじゃなく、両方奪う道もある。それがチャンスを掴むということだと金丸は二人に伝えた。
その後で文吾もやって来たが、彼は心の所持品は雪崩に巻き込まれ、拾ったのはパラコートじゃなく洗剤の容器だったと言ってごまかし、なぜか心への疑いを逸らした。
あのパラコートが拾ったものなら、文吾の物ではない?
心が戸惑っているうちに金丸たちが帰ると、文吾は正直に引き渡すつもりだったと打ち明け、ダンボールに入れてあるパラコートは三島医院から続いていた足跡を辿って見つけた物だといった。
鈴を転落事故から救い、木村敏行に危険を知らせた。
なら三島千夏を助けるためにパラコートを盗ってまで捨てたんだろうと訊かれ、心が素直に「はい」と答えると、文吾はスッキリしたように温泉に誘ってきた。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻
山奥の天然温泉に浸かりながら免許証を見たことも打ち明けられ、2017年の未来から来たと白状した。
文吾は笑い飛ばし、未来の自動車の話や北の国からの今後、未来の自分や家族がどうしているか気にしただけで疑うことなく受け入れ、これから起こる事故や事件を教えて欲しいと言ってきた。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻
それも正義のためだと言われれば、心に断る理由はなかった。
すっかり佐野家に溶け込んでいた心は、プロレスごっこのレフェリーを務めて姉と兄の遊び相手になっていた。
そんなある日、木村さつきが訪ねてきた。
仕事を探し、教師を目指していた心のために母が方々に聞いて回ってくれていたのだった。
今は教育事務所に誰も登録しておらず、ちょうど音臼小で臨時職員の募集をしているところなので、教員免許を持っている心ならすぐに採用されるだろうとのことだった。
3学期から転校生が来るらしく、人数の関係で複式学級から単式学級に変わるので、急遽教師の増員が必要になっていた。
鈴は転校生が男子か女子か気になってさつきに訊いたが、秘密だと悪戯に笑う彼女に、心はわずかに見惚れてしまっていた。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻
話はトントン拍子に進み、教員免許状等も追々で構わないと校長に言ってもらえ、あっという間に教師になる夢が叶った。
働くことが決まり、そこで校長お手製のおみくじクッキーをもらって食べてみると、さつきは大吉で恋の予感、文吾は大凶で災難あり、心はジョーカーが出た。
ジョーカーは良いも悪いも自分次第だという、どっちにも転ぶくじだった。
話が決まった後でざっと校内を案内してもらった時、あの事件が起こる多目的室を初めて実際に見た。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船2巻