モブ子の恋7話ネタバレ感想
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恋がどういうものかを教えてもらった入江くんは、さっそく信子のことを考えるとニヤけた。
それが本当に恋かどうか分からないが、顔が熱くなるのを止められなかった。
7話
急に気づいた恋心。
いや、まだ恋かどうかも分からないが、信子のことを頭の中で「君」なんて呼んだのは初めてで、その特別な響きに、帰り道の入江くんはまた一人で照れていた。
玄関のドアを開けて入れば、すぐに母親が出てきて夕食がカレーなのを教えてもらってから、先に風呂に入るよう言われて素直に入りに行った。
湯に浸かってリラックスして、さっきのカップルみたいに手を繋いでいるところを想像しようとした。
肩から斜めに鞄をかけて、ストラップをギュッと握っている彼女。
著者名:田村茜 引用元:コミックゼノン2017年11号
その片方の手がそっと伸びてきて、自分がそれを掴もうとする。
でも、指が触れそうになる直前までしか想像できなかった。
風呂から上がってカレーをよそい、居間に行くと、兄がテレビドラマを食い入るように観ていた。
話しかけると「しっ」と注意される。
高校生男女が主役の恋愛ドラマを観ているらしく、やっとカップルになった二人が初めて手を繋いでいるシーンが流れていた。
ミミとハチ夫なんてかなりふざけた名前にも思えたが、内容は初々しい恋を真面目に描いていた。
彼氏の方が彼女に、こうして手を繋ぐのが夢だったと打ち明けて顔を真っ赤にしている。
著者名:田村茜 引用元:コミックゼノン2017年11号
兄弟二人で一体何を観ているんだと思いながら、入江くんはカレーを口に運んでいく。
彼女はそれをからかうが、夢の中でも手を繋げないほど好きだと言った。
入江くんは、それが今の自分に重なるような気がして口を覆った。
著者名:田村茜 引用元:コミックゼノン2017年11号
ただほろ酔いだった兄は、相手に触れるのが怖いほど好きだという意味が、理解できていないようだった。
翌日、入江くんのシフトは休みだった。
ラストまでだった信子は店長を見送り、帰ろうとしているところだったが、安部さんに今週の日曜は空いているか訊かれてシフトを変わって欲しいのだと思った。
金子は変われるポジションじゃなかったが、信子は空いていたので時間を訊いたが、バイトを変わって欲しいのではなく、遊びの誘いだった。
オープンしたばかりの水族館への誘いだと分かると、金子は一気にテンションを上げて即座に行く事に決まり、今日来ていない篠崎さんと入江くんも誘うことになった。
著者名:田村茜 引用元:コミックゼノン2017年11号
信子が行くとも何とも口を挟めない間にあっという間に決まっていき、以前、釣りの誘いを入江に断られた金子はなんて言って誘うかと悩み出した。
すると、誘う役を信子に強引に任せて返事を聞かぬまま、早々に帰ってしまうのだった。
いくつか誘い文句のパターンを考えてみるが、初めての連絡で何か失礼があってはいけないと、いつものようにネガティブな考えに陥っていく。
どうしていいか分からなくなったところで本屋の前を通りかかり、メールマナーの本を読んでみようと思いついた。
すると、タイミングよく入江くんが店の中にいた。
これで直接伝えられれば良かったが、反射的に物陰に隠れてしまった。
著者名:田村茜 引用元:コミックゼノン2017年11号
しかしすぐに思い直し、メールするよりハードルは低いと思ってタイミングを窺い始めたが、なんだかんだ理由をつけてなかなか声をかけられない。
そうこうしているうちに、彼は店を出て行ってしまった。
今までなら、気づかれずに通り過ぎていってくれるとホッとしていた。
でも、それでは何も変わらない。
そう思った瞬間、足が一歩前に出て彼の背中に声をかけていた。
著者名:田村茜 引用元:コミックゼノン2017年11号
そして勢いに乗って日曜の件を伝えようとしたが、とんでもない真実を打ち明けそうな切り出し方をして変な空気になってしまった。
その後も要領を得ない言葉が次から次に飛び出したが、彼にはもう安部さんから連絡が来ていて水族館へみんなで行く話だと察してくれた。
彼が気になったのは信子が行くかどうかで、行くつもりだと聞いて胸が高鳴った。
だから、釣りが苦手なだけで「俺も行きます」と焦る気持ちを抑えてすぐに答えていた。
著者名:田村茜 引用元:コミックゼノン2017年11号
みんなで初めて遊べるだけではない特別な楽しみがお互いにできたとは知らぬまま、用件を伝え終わった二人は、仕事終わりと変わらないように別れようとした。
でも信子は勇気を出して鞄のストラップを握っていた手を離し、胸の前で控えめに手を振った。
著者名:田村茜 引用元:コミックゼノン2017年11号
一瞬考えた彼も、控えめに手を振り返した。
感想
モブ子の恋7話でした。
一人で照れている入江くんは、ハチ夫のように可愛いですね。ドラマから知らされる気持ちで始まる恋なんて、ドラマチック過ぎて現実の辛さが強調されるようで、ある意味毒です。
次は二人きりではなくても、初めてのお出かけ回。
気合入れて読みましょう。