異常者の愛3巻
ネタバレ感想
異常者の愛のネタバレと感想とあらすじと画像、漫画を無料で読める方法を紹介。
沸々と復讐の念を溜めて生きていたカズミはついに、ミドウの居場所を突き止めた。
これで復讐を果たせると思ったが、相手は記憶を失っていて自分が犯した罪を忘れていた。
しかし、翌日になって東京に帰ろうとした彼の前に、あの頃のミドウが姿を現した。
異常者の愛3巻
四谷の妹、シホを何らかの方法で支配下に置いたミドウ。
記憶を失っていた時の生活をあっさり捨て、東京に帰るカズミについてきたミドウは、まずは彼と関係を持った女たちを排除すると、そら恐ろしい決意を込めた笑顔を見せた。
記憶喪失は失態で、女たちと浮気されたのは神様からの試練だとのたまう。
彼はなんとか止めさせようとするが、やはりミドウは一方的で底のない愛情を押し付けてくるだけだった。
その求愛に彼が答えられないでいると、ミドウはシホにお茶と水を渡し、無理矢理飲ませ始めた。
昨日からトイレに行かせていないらしく、酷い我慢ゲームの始まりだった。
シホが勝手に喋るのを許さず、止めさせようとする彼には交わしたはずだと言う約束のことだけを考えてと手を出させない。
先にシホの下着さえ脱がさせようとしたミドウは、しかしもう我慢しなくていいとあっさり我慢ゲームを終了させた。
ただ、トイレに行くのは許さず、大勢の乗客が見られるこの通路のど真ん中でしろと言う。
シホは抗おうとしたが、結局ぬか喜びさせられた安心感もあり、その場で盛大に漏らしてしまう。
足元に溜まる水溜り。
騒ぎ出す乗客。
嘲り笑うミドウ。
シホは怒りを我慢する限界を超えてミドウを殴ろうとしたが、「お姉ちゃん殺すよ」の一言で行動の自由を再び奪われてしまった。
わざと売り子を大声で呼び、拭く物を貸してもらい、それを漏らしたシホ本人に拭かせる。
綺麗に拭き終えたが、服は尿でびしょ濡れになっているし、顔も涙と鼻水でぐしょぐしょになっているがミドウはすぐに新しいゲームをさせようとする。
その時彼は覚悟を決め、無理矢理にでも作った笑顔をミドウに見せた。
するといきなりキスをしてきたので、彼は舌を絡めて積極性をアピールした。
殺すつもりだった。殺さなければならないと思っていたが、言葉を求められれば「愛してる」と呟かざるを得なかった。
それは、現時点での敗北宣言に等しかった。
一ヵ月後。
久しぶりにイツキと飲んだカズミは、新しい彼女ができたことと男友達となら前より遊べる時間が増えたことを伝え、単純に楽しんで帰路についた。
タイミングよく玄関のドアを開けて出迎えてくれたのはミドウだった。
いや、今は三扇三咲と名前を変えている復讐すべき相手と一緒に住んでいた。
「ごはんにする?お風呂にする?それとも私?」と、同棲生活を十分満喫してはしゃいで本当に幸せそうに笑うミドウに、彼も幸せだと答えて笑顔を見せる。
もちろん心の中は憎しみしかなかったが、これ以上周りに手を出させないために、自分は幸せなんだと言い聞かせていた。
この部屋に転がり込んですぐ、ミドウは自分と彼のスマホを交換させ、女の連絡先を楽に手に入れ彼が愛を注がなくなった時の人質にしていた。
普通のカップルのように毎夜身体を重ねる二人。
一ヶ月経ち、その日も激しく交わり合った後、ミドウはまた恐ろしい笑みで果てのない独占欲を誰にともなく宣言した。
そして、唐突にフミカを殺した直後からのことを話し始めた。
小学5年から中学3年の始まりまで児童自立支援施設で生活していたミドウは、生活態度の良さからか通常より1年早く施設を出て母親だけが待つ家に帰った。
そこでやつれ切った母を見て、殺人犯なりに母が経験した辛さを思って涙した。
しかし、母と二人の生活を続けているうちに彼がいない退屈さを我慢できなくなり、ついにネットで彼の現在を知る手がかりを見つけた。
そこで四谷と仲良くしているのを浮気だと断罪し、再び凶行に及んだのだった。
だがミドウのその後のクライマックスはこの後だった。
四谷を傷つけた後、母の実家がある東北への引っ越しは予定されていたことで、東京にいる限り事件を嗅ぎつけた正義気取りに嫌がらせを受け続けるのを避けるためだった。
しかしそこでも加害者家族が生き辛いのは変わらず、嫌がらせを受ける日々だった。
それもミドウ自身にとっては自業自得だったが、母は耐えられなかった。
ある時、あの幼稚園の仕事を見つけてきた母はミドウを園長に託したが、何か嫌な予感がして家に戻ると、首を吊って死んでいる母を発見したのだった。
母の死は記憶を失うほどにショックだったが、カズミと再会したことで記憶を取り戻したのだから、母の分まで彼と幸せにならなければならない。
そんな理屈を捻り出すところが、やはりどこまでいってもイカれたミドウのままだった。
ミドウの過去を聞いた後、彼はこの生活を平穏に見せかける暗黙の十ヶ条を守り続けることにした。
1、遊び・飲みは月に一度
2、異性のいる遊びは厳禁
3、同性との遊びは門限22:00時
4、帰宅中は5分おきに現在地を報告
5、異性との接触・視界に入れるのも要注意
6、スマホを毎日チェック
7、バイトの休憩時間は要連絡
8、愛し合うのは一日最低2回
9、タイミング良く愛情を伝える
10、上記の外出に相当する時間やトイレ・風呂以外は常に一緒にいる
憎しみを表に出さないようそれらを守り続けた結果、月に一度の遊びの回数を超えて、ミドウ本人から許しを得ることができた。
しかし、その信頼をより強固にするため、あえて気持ちだけ受け取り一緒にいたいのだとタイミングよく愛を伝えた。
従順でい続けて信頼されれば、おそらくデータ化して持ち歩けるようにしている四谷を脅すネタの在り処を聞き出せるかも知れない。
それを手に入れない限り殺すことはできないと思いながら、日課であるミドウの性欲を解消させる行為に励んでいた。
そしてついに、その努力が実を結ぶ時がきた。
見せたい物があると言ってミドウが差し出したのは、一枚のSDカードだった。
しかしそれは四谷を映したものではなく、妹のシホの方だった。
母親が死んだ家に連れ込み、薬入りの水を飲ませて昏倒させ、縛って自由を奪い、耳のピアスを引き千切り、姉が陵辱されている動画を見せながら妹に絶望を与えようとしている。
変わらない外道っぷりに殺意を抑えるのに苦労しながら、胸糞悪い動画を観続けなければならない。
途中で録画できる時間を超え、シーンが切り替わった。
するとシホが舌に空けていたピアスの穴に糸を通され、畳と括り付けられながら姉が切り刻まれている動画を見せられていた。
シホは心が折れて姉に謝りながら泣き出していたが、また姉をターゲットにすると言われると、仕方なく顔を上げていた。
その後は姉と同じ傷をお腹に刻まれ、新幹線の時と同じく、トイレを我慢させられて漏らしていた。
女の子はお揃いが好きだから同じ傷を刻んであげたのだと笑顔で語るミドウに、今すぐ殺してやりたい衝動に駆られたが必死で抑え、なんとか心にもない言葉を捻り出して褒めた。
すると、ミドウは号泣し出した。
そして、そのシホの動画が入ったSDカードを彼に持っていて欲しいと言ってきたのだった。
四谷のものではなかったが、予想通りにミドウの信頼を得る事に成功し、脅しのネタの一つを手に入れられた。
後日、上機嫌でイツキと居酒屋で飲んでいると、料理を運んできた店員がテーブルの直前で皿を落としてしまった。
その店員は彼の前のバイト先の同僚でセフレの関係だった女の子だった。
彼の顔を見るなり店を飛び出した彼女を追いかけ、突然店を辞め連絡しなくなったことを謝ったが、彼女が動揺しているのはそんなことが理由じゃないのは、誰が見ても明らかだった。
嫌な予感がし、連絡するのも忘れて部屋に急いで帰り、玄関を開けるや否や前のバイト先の後輩に会ったか訊くと、ミドウはあっさり会ったことを白状した。
それで何をしたのかも訊くと、それを逆手に取ったかのようにグッと詰め寄ってきた。
しかし、ミドウは先に彼の質問に答えた。
可愛らしいデザインのがま口を持ってくると、その中に入っている数十枚ものSDカードをばらまき、その中の一つをスマホに挿して動画を再生させた。
それはもちろん、後輩が酷い目に遭っている動画だった。
四谷やシホだけじゃなく、ミドウは彼が関係を持った全ての女性を余さず傷つけ、脅しのネタを手に入れていたのだった。
感想
異常者の愛3巻でした。
面白度☆7 異常度☆9
イカれっぷりは止まるところを知らないですが、全員が全員、あっさりミドウの罠に落ちるってさすがにチョロ過ぎる気がしますが、目を瞑らないといけないんでしょうね。
年齢に関係なく罪に見合った罰を与えなければならないという声が強くなりそうなこの漫画ですが、どこにゴールで設定されているのかが、一番気になるところです。