環は家でも瞑想するようになっていた。
著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±11巻
それをタカシに見咎められ、ヨガをエサにするのはカルト宗教の常套手段だと注意され、最後にナナセに道着を返せばもう近づかないと心に決めた。
しかし、また公園に行っても、またナナセは参加しておらず、代わりにいちゃもん男がさっぱりした姿で新しく仲間に加わっていた。
その時、彼らから嗅ぎ慣れたような臭いがするのに気づいたが、その正体が何かも、既にナナセがこの世にいないことも分からなかった。
著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±11巻
その夜、環はアジトに入って染み付いた血の臭いを嗅いだ瞬間、道場でした同じ臭いだと気がついた。
環はすぐに道場に向かい、奥から漂ってくる臭いに導かれてドアを開けて足を踏み入れた。
暗い室内をスマホの灯りで照らすと、血のような汚れが浮かび上がって見え、すぐにタカシへの通話ボタンを押した。
その直後、ライターの火を点したヌクイが浮かび上がり、他にも信者たちが待ち構えていたかのように室内にいた。
ナナセはおらず、一番強く血の臭いをさせているのはヌクイだった。
ただ指を切って滴る血の臭いだけでなく、臓器の臭いも強く混じっていた。
著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±11巻
それで、ずっと姿が見えなかったナナセは殺され、臓器を抜かれたのだと分かった。
ヌクイは元外科医で、幸せな来世をナナセに与えるために解脱させたのだとのたまうが、彼女が他のクジラほど凶悪な人間じゃないと感じている環は、心臓の高鳴りに任せて自分がしていることと同じじゃないと言い返した。
著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±11巻
しかし、ペースメーカーはなぜか脈拍を抑えてくれなかった。
気を失った環。
ヌクイは一時期ネットで話題になったクジラ狩りの正体が口ぶりから彼女だと気づき、他の信者をうまく言い包めて運ばせ、環に解体する役目を手伝わせようと企むのだった。
著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±11巻
感想
ギフト±11巻でした。
面白度☆7 人間味度☆7
環が徐々に人間らしさを取り戻しているようで、ナナセに懐きそうになったのはほっこりできましたが、ナナセが早々に退場したので残念です。
それにしても、小便まみれのものを咥える梨世先生は、本当に豪気ですね。