綺麗にしてもらえますか。1巻
ネタバレ感想
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「さんかれあ」や「少女不十分」のはっとりみつる最新作。
熱海の坂道の途中にある小さなクリーニング屋さん。
そこを一人で切り盛りしているのは、まだ若いお姉さんだった。
綺麗にしてもらえますか。1巻
キンメクリーニングを一人で切り盛りしている金目綿花奈さん。
店の大きな鞄を肩にかけ、綺麗にし終わった衣類をお客様のところに一軒一軒配達して回ったおかげで、すっかり汗だくだくに。
著者名:はっとりみつる 引用元:綺麗にしてもらえますか。1巻
一人しかいないのにわざわざ集配までしているのは、地域密着をモットーに年配のお客さんに配慮した真心サービスの精神だった。
配達から帰ると、店の前で待ってくれていた常連のお婆ちゃんのために急いで店を開け、エプロンを着けて準備万端。
品物の汚れを確認して「金目にお任せ下さい」の決め台詞でお預かり。
さっそく流れるように動いて汚れを落として一段落したところで、常連の矢柄さんというセクシーな人妻さんが、甘いモノを差し入れがてらに品物を取りに来た。
著者名:はっとりみつる 引用元:綺麗にしてもらえますか。1巻
熱海の坂道を自転車で移動するパワフルな矢柄さんの旦那曰く、金目さんに洗ってもらったスーツは着心地が最高とのこと。
嬉しくなった金目さんは着心地の良さの秘密をそっと耳打ち。
洗濯そのものが好きな彼女だったが、それは洗濯の方法だけ記憶に残っていたからだった。
一日の仕事が終われば行きつけの銭湯へ。
そこで店の常連さんとも会ったりして、疲れと汗を流しながら身体も綺麗にする。
著者名:はっとりみつる 引用元:綺麗にしてもらえますか。1巻
そして、夏の風物詩の花火の音を聴きながら、少しにぎやかな夜道を歩くのだった。
開店前、海沿いの道をランニングしていると、民宿旅館の高校生の息子が掃き掃除をしているので会釈をしたのに、プイッと横を向かれて一日の始まりの出鼻を挫かれる。
そんな日の午後に限って雨が降って来るし、その高校生が母親のお使いで汚れ物を持ってきた。
常連の石持さんの息子は無愛想だが、改めてお客さんとして見ると、どうも気になってチラチラ見てしまい、思わず彼の前にひざまずいた。
それは彼への好意が抑えられなかったのじゃなく、靴の汚れが気になってしょうがなく、クリーニングを始めたからで、いきなり無防備にスカート姿でしゃがまれたので、彼もドキッとしてしまう。
著者名:はっとりみつる 引用元:綺麗にしてもらえますか。1巻
服だけじゃなく、鞄に靴、革製布製の小物なんかも綺麗にできる金目さん。
クリーニングのことになると饒舌にペラペラ喋ってしまう癖が出て、一人で喋って勝手に謝るその姿もまた無防備で、また彼をドキッとさせる。
著者名:はっとりみつる 引用元:綺麗にしてもらえますか。1巻
品物を預けて店を出るまでずっと無愛想な彼だったが、店の傘まで貸してくれた優しい彼女に、学校の鞄をクリーニングに持ってくる約束をするのだった。
綺麗にし終わった品物を配達する中に、さっそく石持家のものもあったので、傘を受け取るついでに民宿旅館いしもちへ。
一日走り回った最後に寄ったところだったので、女将さんの厚意で自慢の源泉掛け流し温泉に入っていきなと言ってくれた。
著者名:はっとりみつる 引用元:綺麗にしてもらえますか。1巻
洗濯も好きだが温泉も好きな金目さんは、好きなものを我慢するのが苦手で、銭湯とはまた違う趣のある湯船で足を伸ばさせてもらうことに。
その後で屋上で涼ませてもらっていると、お手伝いをしている息子の毬祥と再会。
母親と同じ台詞でこの旅館を誇りに思っていることが伝わってきたので、思わず二年より前の記憶までクリーニングしちゃったんだと打ち明けたのだった。
春先から初夏にかけての繁忙期がそろそろ終わりそうな快晴のある日、ミニに乗った綺麗なお母さんと可愛くて小さな娘さんがご来店。
友達の紹介で来てくれたと言う親子にまたマシンガンセールストークを繰り出した後で、絵を描くのが好きな娘さんが、飛び散らしたイカ墨ソースで服にペインティングしたのだと聞き、急激に可愛く思えなくなっていく。
でも、仕事風景を見学させて欲しいと純粋な目を向けてくれたので、コロッと気持ちが変わってしまう。
著者名:はっとりみつる 引用元:綺麗にしてもらえますか。1巻
那色という名前の娘さんは、真剣にシミ抜きの方法を質問してメモして微笑ましいが、それを試すためにまた自分の服を汚したので、そこはしっかり注意。
クリーニングの仕事をするならまず服を大事にしないといけないと諭し、クリーニングが嫌いにならないよう、また遊びに来てねと微笑んで送り出したのだった。
著者名:はっとりみつる 引用元:綺麗にしてもらえますか。1巻