異常者の愛4巻
ネタバレ感想
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ミドウを殺すため、従順になったフリをして機会を窺っていたカズミ。
殺意を抑えて頑張っていたが、四谷姉妹以外にも多くの女性の脅しのネタを作っていたと知り、ついに我慢の限界を迎えてしまう。
異常者の愛4巻
結局ミドウは自分の愛が何よりも正しく、邪魔と感じる女には容赦しなかった。
我慢の限界を超えたカズミはようやく自分の浅はかさとミドウの邪悪さの本質を知り、包丁を手に取った押し倒した。
しかし振り下ろされた刃は、咄嗟に顔を庇ったミドウの手を貫いて致命傷を与えられなかった。
痛みと悲しみに泣き出すミドウ。
彼は構わず止めを刺そうとしたが、なぜか自分が床に突っ伏していた。
ミドウは彼の様子のおかしさに気づき、SDカードと一緒にスタンガンを忍ばせていた。
自分の涙に濡れた彼の顔を舐めてから包丁を奪い、立場は逆転されてしまった。
返り討ちに遭ってから二日、彼は全裸の状態で手と足を拘束、監禁されていた。
口には歯科医院でホワイトニングする時のように口が開けっ放しになるSM器具を装着され、歪んだ愛情がこもったスープを流し込まれて生かされていた。
トイレに行くときは申告しなければそこで漏らすしかなく、ミドウに世話されることに羞恥心があった彼は二日経っても頼めず、また漏らし、それをからかわれていた。
粗相をすれば絶食させられるおしおきを受け、三日ぶりの飲み水のためにはミドウの足の指を舐めなければならない屈辱を我慢しなければならなかった。
そうすれば、おぞましき口移しで水が流し込まれた。
そんな酷い数日間を経ても彼の目から生気が消えていないことを察していたミドウは、彼がまだ起死回生の策を用意していると睨んでいた。
彼はミドウの死を願っているだけだと言い返すが、彼女はそれを真剣に受け取らず、メンタリストのように彼の身体に無意識に現れる変化を読み取り、あの夜、彼が後輩の女の子と会っていたことを誘導して聞き出した。
そして最後には、そこで会ったイツキに何か頼んだのだろうと結論付けた。
彼の反応で推論に確証を得たミドウは彼を装ってイツキに問題ないとメールを送り、繋がりを断ってしまうのだった。
彼の頼みの綱を解いただけでミドウは満足せず、衰弱していく彼を見て興奮していた気持ち悪い性癖を白状し、足を舐められた快感で溢れた愛液を見せた。
そして、自分がサディスティックな行為で興奮するか試したいと言い出した。
そこからは、紛うこと無き拷問だった。
指を貫く釘。
カッターナイフで切り刻まれる肌。
見るのも耐え難い、一方的な相合傘の痕。
それをしている間、ミドウは自分の指で慰め続けていた。
ミドウは彼におざなりの手当てをし、嬉々としてアルバイトに出かけていった。
仕事中も彼への愛を変態行為だと自覚しながらも身悶え、同僚には明るく外面を振りまいた。
しかし、アパートに帰ると隣人がミドウを待ち受けていた。
当然と言うべきか、深夜でも変な声や音が聞こえていることを指摘してくる隣人の男だったが、ミドウのあっけらかんとした態度で、恋人とイチャイチャしている程度にか思わなかった。
この時、彼は既に部屋から脱出していた。
電気を点けて彼がいないこと、誰かが侵入して助け出した形跡があるのを見つけたミドウは、もうだいぶ前に部屋から出て行ったらしいのを知り、彼と愛し合えないと理解して涙した。
しかし、もう一つあることに気づいた。
彼を助けたのはイツキと四谷の妹のシホだった。
イツキの部屋に運び込まれた彼は、一晩ぐっすり眠って目を覚ました。
彼は起きてすぐにあの部屋に戻ってミドウを殺しに行こうとしたが、まずイツキとシホになんであんな状態で監禁されていたのか、事情を説明しない訳にはいかなかった。
ミドウのことを知らなかったイツキは、小学生の頃に殺人を犯してその後も四谷を始め、多くの女性にトラウマを植えつけたことを聞かされ、耳を疑った。
イツキが彼が助けを求めているのを知れたのは、やはりメールだった。
彼からの文面にはいつも最後に空白を一つ作ると決めてあり、それはコピペしないと分からない。
だから、ミドウが送ったメールには空白がなく、SOSを察知できたのだ。
シホがイツキと行動を共にし、ここにいる理由もやはり彼の行動からだった。
ミドウと偽りの同棲を続け、シホのSDカードを手に入れそれを送ったことで、シホはまだ彼が戦い続けていることを知り、彼に暴言を吐いた罪悪感と姉を助けるために行動を起こしたからだった。
そして、彼のアパートの前でシホが恐怖から踏み込めないでいた時、SOSに気づいたイツキと鉢合わせした偶然の出会いだったのだ。
ミドウを殺そうとし、また自分の手で殺したかった彼は警察に行くわけにはいかなかった。
その覚悟が彼とシホにあるのを知ったイツキは、強く止めようとはしなかった。
一先ず3人であの部屋に戻ると、既にミドウの姿はなかったが、一通の手紙と彼の分の夕飯が残されていた。
もちろん謝罪の言葉はなく、彼が警察に行かないだろう事も見越していたが、殺しに会いに来てくれることを楽しみにしているようだった。
そして最後に、次に会いに行った時は結婚して欲しい、子供が欲しい、三人で暮らしたいなどと、異常を超えた異常な言葉で締め括られていた。
これで一時的に平穏が訪れたが、高校の時のようにまたいつミドウが現れるかも知れなかった。
監禁から解放された時、彼は最初にしようと決めていたことがあった。
幸いミドウがSDカードを残していったので、被害に遭った女性たちにカードを送って不安を取り除いてあげることができた。
その中には当然四谷もいたが、それはシホに預けて渡してもらうつもりだった。
その際、彼は半年前に四谷に起こったことを聞かされた。
部屋の外ではパニックになるから一人になれず、トイレや風呂も誰かが一緒でないと同様で、次第に精神的にまいっていった母親からシホがその役目を担っていった。
元来姉思いだったからそれほど苦にならないと思っていたが、四六時中一緒にいる生活に疲れないわけがなく、四谷がパニックを起こしたある時に溜まっていたストレスが爆発して放置してしまった。
数分後には冷静になって戻ったが、その時にはもう手遅れで、我を失いそうになりながらも妹を探そうとした四谷は階段から転げ落ちてしまっていた。
彼からの手紙を受け取った四谷は、彼と会いたい気持ちが募った。
どうしても伝えたいことがあるとだけシホから聞いた彼は戸惑うが、自分も伝えたいことがあったのは事実で、四谷から会いたいと言ってくれるなら断る理由はなかった。
そして待ち合わせに指定された場所を聞いて、すぐに五年前のあの日を鮮明に思い出すことができた。
当日、彼は緊張した面持ちで車椅子の四谷を迎えたが、シホに連れて来られた彼女はなぜか後ろ向きになっていた。
シホが振り向かせた顔は酷く様変わりしているわけでも、怒りが滲んでいたわけでもなく、ただ久しぶりに彼に会うのに照れて真っ赤になっていただけだった。
ミドウにトラウマを植えつけられたとしてもそれはそれとして、彼女はまだ彼のことを想っていた。
それを知った彼も当時の気持ちを思い出し、真っ赤になって照れてしまう。
そして五年越しのデートは、あの時行くはずだった美術館だった。
感想
異常者の愛4巻でした。
面白度☆8 異常度☆9
えげつない愛故の監禁生活でした。
普通かどうか分かりませんが、普通は胸を狙うだろうと思いながら、あっさり返り討ちに遭ったカズミの辛い人生を応援したいと思います。