煉獄女子3巻
ネタバレ感想
煉獄女子の漫画最新話と最終回まで、最新刊ネタバレと感想、あらすじ、画像、結末、漫画を無料で読める方法を紹介。
女子中学生の惨殺事件。
伊島の自殺?した事件。
その両方の近くにいたのが瀬尾霧恵。
詩音は霧恵の元同級生の安部に恋をしそうになっていたが、彼女は二人の関係に冷たい視線を向けていた。
巻数目次
11話
帆場愛子は入院患者らしく、頬がこけて不健康そうではあるが、見た目では精神を病んでいるようには見えなかった。
しかし、例の弁護士について訊こうとすると、抱きかかえた不気味な人形がまるで生きているように振る舞い、自分の赤ん坊だと思い込み愛情を注いでいる態度を見せた。
医者の話でも意思疎通は困難で、入院当初から人形を赤ん坊と思い込んでいるようだった。
詩音は手の平を返して霧恵に近づいて友達面をする女子たちと、囲まれる霧恵自身に複雑な思いを抱き、昼休憩になると逃げるように教室を出て図書館に足を向けた。
そこで安部に愚痴を漏らし始めたのだが、彼はあまり霧恵と仲良くしない方がいいと言い出した。
彼がそんなことを言うのは、伊島たちの噂だけでなく、中学の時から多くの忌まわしい事故や事件が霧恵の周りで起こっていたからだった。
化学の実験中に薬品が爆発し顔に大火傷を負った男子。
体育の授業中に平均台が壊れ、足を骨折した女子。
2年次の担任は児童ポルノ動画所持で辞職。
鳥羽と付き合っていた男子は、交通事故で死んだという。
霧恵がやった証拠はないが、偶然にしては多過ぎた。
しかし詩音は霧恵が辛い思いをして追い詰められて自傷に走ったのを目の当たりにしたので、根拠のない噂で離れようとは思わなかった。
そして安部が例の噂の出所だと知り、彼のアドバイスを拒絶した。
帰りは当然のように霧恵が一緒に帰ろうと言ってくれ、彼と喧嘩したらしいのも察し、後悔しないうちに仲直りを勧められ、詩音は図書室に引き返した。
すると、まだ閉める時間ではないのにドアノブに閉館中の札がかけられていた。
ただ鍵は開いていたので入ってみると、背中を包丁で刺されて倒れている彼を見つけたのだった。
一方真壁たちは、帆場に刺された男に話を聞きに行っていた。
別れ話のもつれで刺されたその男は大企業の専務だったが、会社の会長の娘と結婚したことで昇進しただろうことは明らかだった。
その専務とは、詩音の父親の浦辺善弥だった。
12話
詩音は咄嗟に駆け寄り助けようとしたが、タイミング悪く女子生徒に目撃され、説明する暇もなく人殺しだと叫ばれ、逃げられてしまう。
早く救急車を呼んで欲しかったが、詩音の声は届かなかった。
詩音の父、義弥に接触した真壁たちは、瀬尾霧恵について知っているか訊ねたが、彼は知らなかった。
義弥は帆場愛子についても物理的に弁護士殺害は無理だと思っていたし、殺すなら自分を先に殺すだろうとも思っていた。
真壁はそれとは関係なく、この会社の会長の娘と結婚して今の地位を築いた線かた揺さぶりをかけ、帆場と別れた時期を改めて訊いた。
義弥は憤慨しながらも以前の聴取と同じ答えを出し、しつこく食い下がろうとする真壁たちを追い払った。
そして警察が帰った後、詩音が学校で事件に巻き込まれたと連絡を受けた。
殺人未遂事件は瞬く間に学校中の噂になり、誰も彼もが第一発見者の詩音が犯人だと決めつけ、いじめていた伊島たちの件の罪もなすり付け始めた。
客観的な視点で味方をしたのは、霧恵だけだった。
事情聴取を受けていた詩音は、阿部に何かされそうになったのではないかと勘繰られ、必死に違うと弁解し、友人のことで少し喧嘩になっただけだと説明していた。
そして真壁たちは浦辺詩音が義弥の娘で瀬尾霧恵とも友人関係だと知り、そこに偶然では片付けられない繋がりがあると確信した。
過去の事件と最近の学校内の事件の中心に瀬尾霧恵がいるのは明らかだが、殺人までする動機があるようには見えず、考えられるのは結果的に詩音を追い込むことだった。
そして霧恵が疑われた時と同じく、今度は詩音が犯人だとしてネットで騒がれ始めた。
住所、氏名、顔写真まで公開され、クラスメイトは全て鵜呑みにして登校してきた詩音を精神的にどんどん追い詰め、詩音は鞄を置いて家に逃げ帰った。
そして放課後、霧恵は詩音の鞄を届けに浦辺家を訪れ、義弥は刑事に聞かされた名前を思い出し彼女が気になった。
真壁は霧恵が最重要人物だと確信していたが、弁護士殺害とどう関連するのかは見えなかった。
そんな時、最近何度も補導されている非行少年が養子だと聞き、繋がりができた気がした。
13話
義弥は娘の友達が瀬尾霧恵だと聞かされ、なぜ警察がそんな子を調べているのか疑問に思った。
礼儀正しく、帰る際にも頭を下げてお暇を告げる様子に不審なところはなかったが、頭を下げながら自分を見て来た何ともいえぬ何かを含んだ視線に、義弥は鳥肌が立った。
一命を取り留め、病室で普通に話せるようになっていた安部は真壁たちから事情聴取されていた。
犯人は見ていないが詩音がやったなんてあり得ないとだけ言い募り、しかし、友達関係で喧嘩した直後なのを指摘されると、連想されるのは霧恵の顔。
しかし、霧恵に釘を刺されたことを思い出し、それに詩音が何か絡んでいるかも知れないと思い、警察には何も話さなかった。
真壁は病院から出る直前で、また医療事故を疑っている男が騒いでいるのを見つけ、彼に亡くなった妹と霧恵に関係がなかったか訊ねた。
すると、霧恵が妹に何か頼んでいたことがあったという。
真壁はもう一度霧恵の担当看護師に話を訊き、霧恵が頭から布団を被っていた日があったことが分かった。
つまり、急死した吉田怜未に身代わりを頼んで病院を抜け出し、最短ルートで学校に向かって犯行をしたとすればアリバイは崩れる。
だから、医療事故に見せかけて口封じに吉田怜未を殺したとすれば動機にもなる。
さらに情報が舞い込み、当時帆場愛子には5歳の娘がいたことが分かった。
その子は環境のごたごたで小学校入学が遅れ、そのまま進学していれば高校一年生の霧恵と同じ学年になっているはずだった。
帆場愛子は義弥から無理やり切り離され、彼の担当弁護士に力ずくで各条件が盛り込まれた契約書に署名と母印を捺させられていた。
弁護士は話が通じない愛子に切れ、髪を引っ張ると言う暴力を振るいながら脅しをかけていたのだった。
それで復讐の標的になったのかも知れなかった。
そして精神病院に入院している現在の愛子は、清掃員のゲスな男を使って誰かと手紙のやり取りをしていた。
その内容は愛子にしか分からないらしい、難解な文面になっていた。
そして見返りとして、清掃員は愛子の身体を好きに使わせてもらっていた。
14話
詩音も家で真壁たちから事情聴取を受けていた。
安部は誰かに恨まれるように人ではないと分かっていたが、彼から霧恵の不穏な噂を聞かされた直後の事件だったので、霧恵がやった可能性を思わずにはいられなかった。
噂通り、次々と自分の周りで事件が起こっていたが、それと霧恵を結びつけて警察に話すのは憚られ、まだ彼女を信じたい気持ちが勝った。
詩音のDNAを手に入れた真壁たちは、次にどうやって霧恵のDNAを手に入れようか考えた。
二人が姉妹だったとして、霧恵が犯人なら目的は何なのか?
旧約聖書のイサクとイシュマルに二人をなぞらえた真壁は、奴隷から生まれ理不尽に捨てられたイシュマルを霧恵に重ね合わせた。
身勝手なアブラハムに怒りを覚え、正反対の人生を送ることになった二人の子供の運命に憤ったのは部下の方だった。
警察が帰ってから詩音を訪ねた霧恵は、義弥がいない隙に夕飯まで呼ばれていた。
その時、母が来週末は泊まりで家を留守にすると言い出し、詩音は気まずい父と二人きりになりたくないと素直に愚痴った。
すると霧恵は、友達を助ける名目で泊まりに行こうかと持ちかけ、詩音は嬉々として招いた。
霧恵はマンションの前まで送ってもらい、部屋に戻ろうとしたその時、待ち伏せていた記者の雁谷に声をかけられた。
自分のことを探って好き勝手書いた雁谷に嫌悪感を抱いていた霧恵はさっさと部屋に戻ろうとするが、帆場愛子の写真を見せられ足を止めた。
知らない人だと答えてマンションの中に入るが、雁谷の目的が写真に触らせて指紋を取ることだとは気づかなかった。
後日、愛子はまた清掃員を使って届けられた手紙を読み込み、その時が来たのを知った。
封筒の中に隠し入れられていたワイヤーを取り出し、いそいそとズボンを脱いで鼻の下を伸ばしている清掃員の隙を突いた。
性欲を解消することしか頭にない下卑た男を殺して清掃員に成りすまし、病院から抜け出して久しぶりに社会に出て来たのだった。
15話
清掃員の死体はすぐに発見され、愛子は緊急指名手配された。
殺害現場のトイレの壁には「Voe Victis」と血文字で記されていた。
真壁の部下で相棒は指示されて霧恵を監視していた。
パートナーにつけられた同僚刑事は意味が分からない女子高生の張り込みに愚痴りまくり、真壁と組んでいる限り昇進は望めないだろうとぼやき半分、心配半分でヤル気がなかった。
DNA鑑定で詩音と霧恵が姉妹だと判明したが、プロファイルとは違うことも文句を垂れた。
そうこうしているちに雨が降ってきたが、車には傘も合羽も常備しておらず、部下は近くにコンビニまで買いに走り、それでまたぼやいた同僚は僅かにマンションから目を離した。
その隙に、何者かがマンションから出てくるのを見落としてしまう。
各所に検問が設置され、帆場愛子捜索にかなりの人員が割かれていた。
テレビやラジオでも殺人犯が逃走中だと流され、世間を震撼させ始める。
しかし、巧みに捜査から逃げていた愛子は、通行量の少ない雨に煙る道にいきなり飛び出し、轢かれたように見せかけて倒れた。
そして、慌てて出て来た運転手を殺し、車を奪って目的を果たすためにアクセルを踏み込んだのだった。
久しぶりに娘が待つ家に帰ろうと思っていた真壁は、雁谷からの緊急連絡を優先し、とある地下のバーに来ていた。
普段から電話しかしてこない雁谷がメールしてきたことで用心しながら入ると、奥のスペースで気絶させられている雁谷を発見。
その直後、髪の長い何者かにスタンガンで昏倒させられてしまう。
声に聞き覚えはあるが、薄暗くて顔ははっきり見えない。
その時、父の帰りを待っている娘のさくらから電話がかかってきた。
着信画面を見た何者かは、これから母子家庭になる不幸を笑い、真壁を煽るが、身体に力が入らない彼に携帯を取り返すほどの力はなかった。
彼の煙草を奪って火をつけながら、上着とズボンを脱いでワンピース姿になった何者かは脱いだ服にも火をつけた。
炎に焼かれたライターは破裂し、取り残された真壁と雁谷。
真壁は母子家庭どころか両親とも若くして亡くしてしまう娘にさせないため、気合で立ち上がり、雁谷を運び出そうとした。
しかし、電撃のダメージに勝てず倒れてしまうのだった。
感想
煉獄女子3巻でした。
面白度☆7 クライマックス度☆8
霧恵の両親が里親で、産みの母が帆場愛子なら、義弥への復讐の念が共有されていても不思議じゃないですね。
とは言え、相当なメンヘラであることは否めませんし、愛子は連続殺人鬼に成り果てて同情の余地はないですね。