進撃の巨人ネタバレ106話

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幾人かの犠牲者が出たものの、損害の比率で考えれば大勝利と言えた。

しかし、ガビの執念がサシャを討ち、エレンたちを悲しみのどん底に突き落とし返した。

そしてマーレを裏切ったジークとイェレナの思惑とは・・・

 

 

106話

アルミンは誰かに語りかけていた

 

それは、覆せない過去の選択を後悔するものだったのかも知れない。

 

なぜなら今回の作戦で、かけがえのない仲間のサシャを失ってしまったのだから

 

 

 

3年前に遡る。

 

 

パラディ島に送り込まれてきたマーレ調査船の襲来を察知していた調査兵団は、進撃の巨人の力を使って一隻を海中から抱え上げ、行動不能に陥らせた。

 

予想だにしない事態にマーレ兵は叫び、船から落ちないよう何かにしがみつくことしかできない。

 

ただエレンは船を破壊もせず、船員に危害も加えず、無傷のまま陸地に下ろした

 

 

段取り通りに丘の上に姿を見せたハンジは、飄々とおどけた様子でマーレをお客様だと嘯いて歓迎し、敵意がないことを理解させようとする。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

彼女の後ろにはリヴァイと、マーレ先遣隊の一人が控えていた。

 

もちろん先遣隊のニコロは後発の警戒を解くために利用されていただけだった。

 

背中に刃を突きつけられながら、ハンジの三文芝居で友好な関係を結んでいることを吐かせられそうになるが、彼は恐怖に屈さず、悪魔供を撃てと叫んだ。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

ニコロの意地を見た隊長はその覚悟を受け、パラディ島の悪魔に侮蔑の言葉を吐き、銃を手に取った。

 

ハンジは明らかに動揺しながらも威勢の良さを見せ続け、進撃の巨人がいつでも船を叩き潰せるんだと言い返す。

 

しかし隊長も死なば諸共の覚悟を決め、銃口をハンジに向けて構えた

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

空気を一瞬震わせた銃声が鳴り響いた。

 

急いで身を低くしたハンジに弾は飛んでこず、倒れたのは銃を撃とうとした隊長だった

 

隊長の頭を背後から撃った獅子身中の虫は、長身痩躯のイェレナだった。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

彼女の裏切りを機に、他にも紛れていた仲間が船を制圧し始める。

 

武器を捨てさせたイェレナはハンジの誘いを快く受け、逆に本当に敵意がないことをその態度で示して見せた。

 

彼女は調査兵団が送り込んだスパイでもなんでもなかった。

 

この襲撃された状況において造反する好機だと判断した彼女たちは、元々パラディ島勢力に協力する意思を持っていた

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

 

104期生たちは得体の知れないイェレナに懐疑の目を向けていたが、なんであれ、小規模で調査に来てくれたことは偶然の幸運でしかないと理解していた。

 

 

 

壁の外に設営している前線基地にイェレナたちを招き、ハンジは願い通りにお茶でもてなしていた。

 

連発できる小銃を見せてもらって仕組みに感心しているハンジに、イェレナはお茶を飲みながらマーレ軍の装備、規模を暴露。

 

ハンジは圧倒的な戦力と装備に開いた口が塞がらず、航空戦力の言葉の意味も分からなかった。

 

聞くだけで押されているハンジを見てリヴァイはイラつき、堂々としてるよう合図するが、航空平気が空を移動する兵器だと説明されたハンジは優位性を保つことも忘れ、驚きのあまりに大きな声を出して立ち上がってしまう。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

しかし、それだけの先進的戦力を有していながら、パラディ島に総攻撃を仕掛けてこなかった理由が分からなかった。

 

 

イェレナは二つの理由があるという。

 

無垢の巨人にしたエルディア人が皮肉にも、現在の兵器を持ってしても相当な障害になっていた。

 

ただ、こうして壁の外でお茶を飲んでいられるなら、島の巨人を全て駆逐したのではないかとイェレナは読み、リヴァイは隠さず肯定に取れる反応を返した。

するとイェレナは、そう思っているとは思えない表情で素晴らしいと賞賛した

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

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もう一つの理由は、マーレは諸外国と戦争状態にあり、パラディ島を攻めている場合ではなかったからだ。

 

とは言え、戦争の理由は獣と鎧の巨人が負かされ、超大型と女型をパラディ島に奪取されて弱体化したタイミングを狙われたからだった。

 

 

それらの話を聞き、ハンジはマーレを裏切ったイェレナたちがマーレに復讐したいかつての敵国の人間だと推理した。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

イェレナとオニャンコポンはハンジの推論に図星を指されて驚き、すぐに言葉が出てこなかった。

 

しかしこの状況で隠す意味もなく、ハンジの頭の回転の速さに戸惑いつつ、ある時までは亡国の民として復讐する気概も大してなかったのだと打ち明けた。

 

ある時とは、獣の巨人の圧倒的な力を見たときだった。

 

世界は悪魔と呼んで恐れるその力をイェレナは神と崇め、希望を見出したのだった。

 

 

彼女たちは獣の巨人を継承しているジークの命を受けてマーレに反旗を翻した、義勇兵だった。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

義勇兵の目的は一つ、エルディア人の解放だった。

 

 

 

義勇兵のもたらした情報と要求は、すぐに会議にかけられた。

 

義勇兵の目的は同胞の解放という大義があったが、義勇兵のトップとしてジーク個人の要求もあった。

 

それは生きている間にパラディ島に受け入れられ、始祖の巨人を有する腹違いの弟、エレンと引き合わせてもらうことだ。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

その見返りにパラディ島の安全を保障、武力等最新技術の提供、パラディ島に友好的な国との橋渡し、マーレに対する秘密工作など、一見、おいしすぎる条件が揃っていた。

 

もちろん上層部は、コニーの故郷の村民を巨人に変え、調査兵団を壊滅寸前にまで追い込んだ獣の巨人の甘言など、簡単に信用しなかった。

 

ただ、始祖の巨人を是が非でも手に入れんとする姿勢が一貫しているのも事実だった。

 

 

そこまで始祖の巨人にこだわる理由は、始祖の巨人と王家の血を引く人間が揃うことで、秘策を発動する条件が整い、エルディア人を解放し、世界を救済することができるからだという。

 

それを聞いたエレンは、あの壮絶な戦いの最後に何があったのかを思い出した。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

調査兵団が総力を持って自分を奪還してくれようとしたあの乱戦の中、母を食い殺した巨人と再び合間見えた。

 

ミカサを守るためにパンチを巨人に当てて触れ合った直後、巨人を操る力が発動した

 

触れ合った巨人は父の最初の妻で王家の血を引くダイナ・フリッツに間違いなく、偶然に始祖の巨人の力を発動させた瞬間だったのを思い出したのだ。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

ダイナの息子であるジーク。

王家の血を引く彼のいう秘策とは、不戦の契りを超え全ての巨人を操ること。

 

つまり、壁になっている数多の超大型巨人を操り世界を更地に変えてしまう地鳴らしを、どうしたら発動できるのか知ったということに他ならない。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

そのことを今まで話さなかった理由を、ヒストリアが巨人にされるのを避けたかったからだと説明し、エレンは席に着いた。

 

 

 

ただこれでジークの秘策の信憑性が増した。

 

そして、義勇兵と協力して無線通信を利用しなければ、マーレの調査船の脅威を退けるのは難しかった。

 

 

 

再び送り込まれてきた調査船にはイェレナに船が座礁して困っていると一芝居打ってもらい、入江に誘い込んでいく。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

騙されたマーレ兵が救援をボートで寄越したのを見計らい、入江の外側で超大型巨人を出現させ、恐怖とパニックに陥れる。

そして海に飛び込むよう仲間を装って叫び、船を無人にする。

 

泳いで必死に陸に上がって来たマーレ兵を難なく生け捕りにし、こうして血を一滴も流さず脅威を取り除いていった

 

 

海の外には敵だけじゃないと分かったのは嬉しい誤算で、義勇兵は多くの技術や言葉、文化をもたらしてくれた。

 

船を手に入れたからにはが必要になるが、海を知ったばかりの彼らは港が何か分からず、ジャン、コニー、サシャは欲望を垂れ流しにしてそれが何なのか言い当てようとした。

 

そこでもハンジは港が何のためのものなのかすぐに推察して理解し、オニャンコポンを驚かせていた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

その時サシャは、彼の肌が一人だけ黒いことに疑問を持って訊ねた。

 

 

彼はニヤリと笑いながら、神の気紛れさという風に答えた。

 

ユミルの民も黒い肌の人間も神が必要だと判断したから存在する。

 

神とはユミルに力を与えた存在だと自論を展開し、アルミンの知的好奇心を刺激していった。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

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最初に利用されたニコロは料理がとてもうまかった。

 

相変わらずエルディア人に対する偏見と敵対心で凝り固まっていた彼だが、島内の人間が知らない海の幸を使った料理に手を抜くことはなかった。

 

初めて見る料理に一番に食らいついたのは当然サシャで、あまりの美味さに泣くほど感動し、ニコロを褒め称えた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

それが、ニコロの心の中を変えた瞬間になったのを、アルミンをしっかりと覚えていた。

 

 

エレンとミカサと銃の訓練をしながら、アルミンはマーレ兵とも時間をかければ人と人として分かり合えるんだと話した。

捕らえたマーレ兵は技術を伝えるのに喜びを見出しているようで、笑顔を見せるようにもなっている。

 

だがエレンはその話に乗らず、ジークの期限がもう長くないことを改めて突きつけた。

 

この頃になって、アルミンは義勇兵の作戦に従うことに疑問を抱き始めていた

 

地鳴らしで世界を恐怖に陥れ、エルディア人を解放させる。

 

それでは悪魔と呼ばれても仕方なく、分かり合える人もいると分かったのだから、話し合える機会を作るべきだと思わずにはいられなくなっていた。

 

ただし、とてつもない時間がかかるのは理解していた。

だからエレンは、その時間を作るために恐怖で押さえ込むことに迷いがなかった。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

 

エレンが銃の訓練をしていたようにマーレ兵も銃を訓練していて、パラディ島の悪魔を強く憎んでいる巨人の継承候補生がサシャの命を奪った。

 

 

仲間の死で、今最善の道を歩んでいるのか不安に襲われていたアルミンは海岸で拾った未知の一つ、貝殻を触りながらここ3年の不安を語りかけていた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

外の世界を一緒に夢見て、がむしゃらに突き進もうとしていたエレンの無邪気な面影はもうない。

 

巨人たちに町を破壊され、母を惨たらしく殺されたのに、それと同じ事をして民間人も誰も関係なく殺戮し、アルミンも任務だと割り切って手を下した

 

目の前にいる、アニたちのように。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

 

島内は情報統制により歓喜に満ち、リヴァイとジークは相変わらず犬猿の仲で、ガビとファルコは牢に入れられ、ミカサは自己暗示に浸る。

 

そしてエレンも、一つの道しかないのだと自分に言い聞かせていた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年7号

 

 

感想

進撃の巨人106話でした。

アルミンの迷いが募る今回の流れはなかなかおもしろかったです。

イェレナは相変わらず怪しげですが、オニャンコやニコロがデレていく様子は微笑ましく、サシャが死んでどんな反応を見せたのか気になります。

アニが久しぶりに出てきましたが、顎の能力がないので解放はまだないでしょうね。

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