確かに腕も経験も二人よりは遥かに上で、それは銀のクラスであることが物語っている。

 

しかし二人は以前、良かれと思って女神官に彼の悪い噂を伝えて引き剥がそうとしたことがあり、アドバイスを求めるのはさすがに憚られる思いだった。

 

それはそれとして、彼が棍棒を携え、女神官まで血塗れになっているのが気になった。

 

そこで聖女は勇気を振り絞り、話しかけてみたが、兜越しでも伝わる眼光の鋭さにたじろいでしまう。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年6号

 

 

戦士が庇うように前に出て、疲れきってまどろんでいる女神官を起こさないよう静かに、どうして棍棒を使っているのか訊いてみた。

 

それは何でもない、剣のように刃毀れや血油を気にせず、ガンガン使えるからだけだった。

 

 

話し終わると女神官は眼を覚まし、二人は早々に立ち去ろうとする。

 

聖女はその時、女神官がいつの間にか黒曜級にクラスアップしているのに気づき、先日の非礼を詫びた。

 

女神官が一切気にせず朗らかに立ち去ったのを見て、二人はもう一度気合を入れ直して害獣駆除を再開することにした。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年6号

 

 

 

装備とアイテムを整え、棍棒を買い足して準備OK。

 

このまま破産まっしぐらで戦士は農奴に、聖女は娼婦になるかも知れない未来を回避すべく、ネズミとゴキブリへのリベンジマッチスタート。

 

 

さっそく魔法使いにもらった蝋燭に炎を点してから進むと、駆除対象の巨大ネズミを発見。

 

二匹いたが恐れず一匹に棍棒を叩きつけ、頭に振り下ろすとあっけなく退治することができた。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年6号

 

 

意外と使える棍棒に意気揚々と蝋燭が反応する方へ進んでいきながら、取り落とさないように持ち手と腕を紐で繋いでみた。

 

その直後、激しく蝋燭が燃え始めた。

 

そこにいたのは、昨日追われたゴキブリの倍はありそうな巨大黒蟲だった。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年6号

 

 

逃げても逃げても蝋燭の炎が激しさを保っていることから、剣はゴキブリが飲み込んだとしか思えない。

 

壁でも天井でも自由に這い回り、かなりのスピードで追ってくるので追いつかれるのは時間の問題。

狭いところに逃げ込んでもゴキブリならするっと入ってきてしまう。

 

戦うしかないと覚悟を決めた戦士は、棍棒でボコボコにするためにまず聖女に聖撃を当ててもらって大ダメージを与える必要があると考えた

しかし素早いゴキブリに当てるためには、少しでも動きを止めなければならない。

 

そこで、聖女が腰につけているランタンをスカートごと引きちぎって取り、ゴキブリにぶつけた

 

瞬間的に炎が舞い上がり、ゴキブリは羽を広げて飛び、大きな的になった。

しかし、聖女はあまりの気持ち悪さにお漏らししてしまう。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年6号

 

 

それでも戦士の掛け声で我に返り、聖撃を発動。

 

戦士はゴキブリがひっくり返った隙を見逃さずに棍棒でボコボコ叩き、ぐちゃぐちゃになるまで頑張り続けた

 

 

下半身が濡れたパンツ一丁になっても聖女は解毒薬を渡してくれようとするが、その前に、ゴキブリの中から剣を取り返さなければならなかった

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年6号

 

 

 

無事に地上に戻り、依頼成功を報告し、身体も綺麗にした。

 

やっとこなせたのは新人しか請け負わない最低レベルの依頼。

 

それでも、一日一歩前進したと思い、いつかドラゴンを倒せるような冒険者になるため、今夜はおいしいものでも食べに行くことにしたのだった。

 

 

感想

ゴブリンスレイヤーブランニューデイ1話でした。

これで漫画版は第三作目なので、相当な人気作なのが分かりますね。

これは原作4巻に当たる内容らしく、オムニバス形式になるようです。

今回は初々しい新人冒険者の二人で、なんだかんだ思いやりあっている関係が微笑ましく、ゴキブリはかなり気持ち悪かったです。

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