「ただ離婚してないだけ」ネタバレ2巻10話11話12話。妻は泣き叫ぶ!糞漏らし男に包丁を突きつけて

ただ離婚してないだけ2巻
10話11話12話ネタバレ感想

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久しぶりの夫婦の共同作業で夫の不倫相手を殺害。

正当防衛の可能性もあったのに警察に届けることもせず、隠蔽を図る。

しかし、それを促した妻の方から精神が磨り減り、実家に帰ってしまう。

犯罪の証拠が残る家に残された夫は、不倫相手の彼氏を名乗る男と接触することにした。

 

10話

萌の彼氏を名乗る佐野義文という男からしつこく電話がかかってきていた。

 

輩丸出しのメッセージまで送信され、正隆は仕方なく明日会うのを提案してその場を切り抜けた。

 

そして都合が悪いと言って断った殺人共同生活5日目の今夜、帽子とマスクで顔を隠し、人でごった返す繁華街に来ていた。

 

 

 

佐野とのやり取りで萌がガールズバーで働いていたのを探り出し、明日その店で会う約束になっていた。

 

その前日に店を訪れた正隆は、佐野が車種や電話番号、名前まで知っているので、自分も少しでも相手の情報を仕入れて不利な状況を覆そうと思っていた

 

 

ガールズバーZは、佐野がオーナーをしている店で、つまり従業員の萌とは職場恋愛らしかった

 

 

雑居ビルの5階に止まり、ドアが開いて店に入ったはいいが、他に客はおらず、どうしても従業員の記憶に残ってしまう嫌なタイミングになってしまった。

 

しかし踵を返して帰るわけにもいかず、ほのかという女の子の前に座った。

 

 

初めてのガールズバーでシステムが良くわからず、酔っ払うわけにもいかないので烏龍茶を頼む。

 

正隆がガールズバーデビューだと話すとほのかは驚き、その流れを逃さずに自分も飲んでいいかとおねだりした。

 

キャバとそう変わらない絡みだと思っていると、どうしてこの店を知ったのかと、ほのかにとっては当たり障りのない話題を振って来た。

 

 

そこで萌がどういう状況に思われているか探るため、彼女から聞いたのだと話した。

 

ほのかは萌と仲が良かったらしく、急に来なくなって事件にでも巻き込まれたんじゃないかと心配しているようだった。

 

 

正隆は内心の焦りを必死に押し隠し、乾杯しようとしたその時、一見、堅気には見えないいかつい男が入って来た。

 

それが佐野だった。

 

 

 

佐野は正隆が萌を騙って送ったメールを疑っておらず、店には来ていないことを知るとさっそく電話をかけた。

 

その直後、ポケットに入っていた萌の携帯が振動し、今度こそ挙動不審な態度を取ってしまう。

 

 

ほのかは営業トークで連絡先を交換しようと言い出し、正隆は振動が気になって交換の仕方も分からなくなってほのかに任せて手渡した。

 

その直後、彼女は正隆の名字を口にしてしまう

 

 

すると、振動が止み、佐野は黙って店を出て行った。

 

 

 

正隆は嫌な汗でびしょびしょになり、逃げるように店を出て路地裏で大きく息を吐いた。

 

佐野に顔までは知られていなかったのなら、車種や電話番号は萌から聞いただけの可能性が高い。

 

 

大きな懸念が一つ解消されたが、今度は雪映の実家から電話がかかってきた

 

そして義母の声に感じた嫌な予感は的中し、実家に帰っていた雪映が飛び降りたと聞かされた。

 

と同時に、待ち構えていた佐野に帽子を奪われた。

 

 

いやらしく笑った佐野は胸倉を掴んで暗がりに連れ込もうとする。

 

電話が耳から離れ、雪映が飛び降りたという言葉だけが頭の中を満たしていく

 

 

パニックが極限にまで達し、大声を出しながら佐野を引き剥がそうとしたが逆に殴られて鮮明な痛みが顔面を走った

 

 

しかし蹲ってできた隙に逃げ出し、掴まれた上着も脱ぎ捨て、全速力で走った。

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11話

正隆は全速力で逃げ、そのまま雪映が運び込まれた病院に向かった。

 

既に午前1時で日付が変わっていた。

 

 

診療した医師によると、雪映は妊娠うつらしかった。

 

 

妊娠うつ。

 

不妊治療で心身をすり減らし、やっとの思いで妊娠した女性だから、そう診断するのが妥当だと誰もが思うのは納得できる。

 

しかし、夫の正隆だけが、ストレスの最大の要因が殺人だと知っていた。

殺人の隠蔽を提案したのが妻だとも知っていた。

 

 

妊娠うつの説明と、今後の注意点を聞かされたが、今は「なぜ?」という思いで頭が満たされていた。

 

 

今日と言うより、正確には既に昨日、雪映の様子はおかしかったらしい。

 

泣く、怒ると情緒不安定な面を見せたかと思えば、夜になって2階から誤って落ちたのだという

 

庭の草木がクッションになって大怪我は免れ、お腹の中の赤ちゃんも問題ない。

 

しかし、自ら飛び降りた可能性を否定できない

 

不幸中の幸いには違いないが素直に喜べるわけもなく、強気で自信に満ち溢れているタイプの雪映がここまで追い詰められていたことに、正隆は後悔とも恐怖ともつかない感情に襲われた。

 

 

同じくショックで疲れ果てているだろう義母がタクシーを呼んでくれ、娘のバカさを謝りもしてくれるが、夫として、また共犯者として正隆はいたたまれず、とて真実を白状できるわけもなく、不甲斐ない義理の息子として謝り返すことしかできなかった。

 

 

 

今日明日は入院することになり、正隆は一旦家に帰ることにした。

 

 

タクシーの車内で一人になると、やはり事故だったとは思えなくなってくる

 

 

過ちの重さに耐えかねて飛び降りた。

でも、どうにか助かった。

ただ、また流産した可能性は十分にある。

 

子供ができてまた夫婦としてやり直し始めたのだから、それを失えば普通は離婚を決断するかも知れない。

だが、家には二人の犯罪の証拠があり、売却など考えられない。

 

だから、いくら子供を失ってまた離婚してないだけの関係性に戻ったとしても、別れる選択肢は悪手中の悪手だと理解できる。

 

殺人犯になったあの時に、別れることはできなくなったのだ

 

 

そう結論づけたその時、スマホに出会ったばかりのほのかからメッセージが届いた

 

その内容に、また平静を保っていられなくなった。

 

 

よくある営業メッセージの後、萌に送ったメッセージに既読がついたと書いてある。

 

それで思い出した。

 

義母からの電話で気が動転し、佐野に奪われた上着をそのままに逃げたことを。

持ち歩いていた萌のスマホは、その上着のポケットに入れていたことを。

 

 

 

次から次に取り返しのつかないトラブルが起こり、頭を抱えた正隆は、タクシーが家の前に着いても顔を上げられず、どうするべきか頭をフル回転させた。

 

しかし、答えが出る前に外から窓をノックされ、一番会いたくない相手がドアを開けろと運転手に声をかけ、男がタクシー代を気前よく払ってくれた。

 

もちろん、佐野だった。

 

 

 

家を知られ、萌のスマホを奪われ、これも他に選択肢はなかった。

 

 

促されるまま一緒に家の中に入り、佐野がリビングを覗くのにも構わず2階に向かう。

 

萌を探しにきた佐野は2階にいるのかと声をかけながら、正隆に続いて階段を上がってすぐ後ろに近づいた。

 

萌のスマホを正隆が持っていたから本人が電話に出れず、以前返信されたメッセージも正隆が送ったものだろうと当たりをつけていた

 

 

それはそれとして、今、萌はどこにいるのか?

 

佐野はまだ半信半疑ながら、殺したのか?と問い詰めた。

 

 

 

追い込まれすぎた正隆は、何も取り繕うことができなくなった。

 

図星を指されたのが誰でも分かるほど動揺し、見てる方が息苦しさを感じるほどブルブルと震え始める。

 

 

全く何も言い返せず、服を握る手に力が込められていく。

 

そして振り返った瞬間、佐野に掴みかかった

 

階段の上と下では体格で勝る佐野でもどうすることもできず、一番下まで真っ逆さまに落ちてしまった

 

 

鈍い音が響いた後、大してダメージのなかった正隆が動き出した。

 

横には、壁に後頭部を預けてピクリともしない佐野がいた。

 

 

鼻から血を流した佐野を見て、またヤッてしまったのかと思った直後、佐野が呻き声を漏らした。

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12話

雪映が退院することになった。

 

 

正隆は義母と一緒に今後の生活の注意を説明されていたが、右から左に言葉が通り抜けるように頭に入っていなかった。

 

目の下には濃い隈ができていて、今の雪映と比べれば彼の方がよっぽど病人のように見えた。

 

 

妻にストレスを与えないようにアドバイスされるが、彼は今佐野の件のストレスでそれどころではなかった。

 

 

殺人共同生活8日目。

 

 

雪映は身支度を整え、笑顔さえ見せていた。

 

妹の旦那が荷物を運んでくれるのにお礼をいい、忘れ物を心配する父に返事をする。

 

早く味が濃いものが食べたいと笑いながら漏らす表情は、自殺した可能性を疑うのが憚られるほどだった。

 

 

駐車場にいた正隆は車まで出してもらったことに恐縮しつつ、少し迷って仕事が忙しいのを理由に雪映は実家に送って欲しいと伝えた。

 

その時、いつまでも病人扱いする父に声を荒げながら雪映がやって来た。

 

 

雪映はここでも朗らかな苦笑いを見せて心配かけたことを謝り、正隆の意に反して自宅に送って欲しいと言い出した。

 

まだ覚悟も処理もできてなかった正隆は焦り、取り合えず今は実家に戻るよう促すが、じろりと睨まれてしまう。

 

改めて帰ると言われると、それを否定することなどできなかった。

 

 

 

憑物が落ちたように、少し前の雪映に戻って夕食を作り始めてくれた。

 

正隆はその間、打ち明けなければならないと思いながら電気もつけずに階段の一番下に腰掛ていた。

 

不思議に思った雪映が何をしているのか話しかけたその時、二階から床を叩くような音が響いた

 

 

正隆が打ち明ける前に、雪映は薄暗い階段の上を覗き見る。

 

すると、空耳ではなくまた数回床を叩く音が響いてきた

 

嫌な予感しかしなかったが、雪映は音の出所に向かって階段を上り始める。

 

 

正隆は「ちゃうねん」と、何が違うのか自分にしか分からないちゃうねんを繰り返し、雪映の歩みを思い止まらせようとするが、躊躇なく音がする部屋のドアノブに手をかけられた。

 

 

ドアを開けた瞬間は、まだ雪映は何もリアクションを取らなかった。

 

しかし、ドアが完全に開いて明かりが部屋の中に差し込み、頭に袋を被され手足を縛られ、下半身裸で糞を撒き散らしている男がいるのを見て、まさに驚愕した。

 

 

 

訳が分からないなりに口を覆って悲鳴を押し殺し、後ずさって正隆にぶつかった。

 

正隆は途切れ途切れに、萌の彼氏で家にまで押しかけて来たのだと白状した。

 

 

 

おいしくできたカレーが冷めるのも構わず、ダイニングでどうしてこうなったのか雪映が詰問を始めた。

 

どうにかしようと頭を悩ませ、携帯の電源を入れたという正隆を詰った。

 

正隆は自分なりに色々考えたと言い訳するが、結局悪い結果しか招いていないところを突かれると強く言い返せない。

 

雪映はもう、その場限りの言葉に済まさせようとは思っていなかった

 

 

あの男のことをちゃんとするとはどういうことなのか?

 

萌を殺したことを知っている佐野をちゃんとするとはどういうことなのか?

 

 

どうにか殺さずに済まそうと思っているように見える夫に覚悟させるため、雪映は涙しながら包丁を握り締めて見せた。

 

 

善は急げ、いや、犯行を重ねてどんどん地獄に向かっていく行為でしかないが、包丁を握ったまま二階まで駆け戻った。

 

正隆が必死に呼び止めても聞く耳持たずドアを開け放し、佐野の前に立ってこれ呼ばわりし、早く片付けてと迫る。

 

 

叫ぶのを止めると過呼吸のように息が乱れ、鼻水が垂れ落ちそうになるのを吸い込み、どんどん泥濘にはまっていく今から少しでも逃れるため、雪映は別れを切り出した

 

 

正隆は何とか宥めようとし、子供を授かったこと以前に、愛しているから別れないと答えた。

 

しかし、雪映は即座にそれを否定した。

 

 

離婚したくないのではなく、殺人が離婚できなくさせているからだと。

 

 

 

図星であり、共通理解だった

 

 

反論できずに今度は分かったと繰り返す正隆は、覚悟を決める時間だけ欲しいと願い、やっと落ち着かせることができた。

 

 

 

糞臭い部屋はそのままにし、ダイニングに戻って温め直したカレーを食べ始めた。

 

 

正隆は不倫がバレ、心から雪映に申し訳なく思った後のように、まず料理を褒めたが、今度はさすがに妻の心に一切響かず、苛立たせるだけだった。

 

糞臭い男の処分を決めるために言い争った後で食べるのがカレーとは、あまりにも皮肉だった。

 

 

感想

ただ離婚してないだけ10話11話12話でした。

雪映だけおさらばなんて、それはさすがに救いがなさ過ぎなので、一先ず良かったです。

しかしこの流れは、次から次にくさいモノには蓋をしていくパターンになりそうで、歯止めが利かなそうですね。

佐野は処分する方向になりましたが、今度こそ殺意ある殺人ですから、雪映の精神が限界を超えるかも知れません。

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