「東京核撃」ネタバレ1巻6話7話最終回。別れの恐怖と再会の感動!核攻撃後も続く未来!

東京核撃1巻6話7話
ネタバレ感想

東京核撃の漫画最新話と最終回まで、最新刊ネタバレと感想、あらすじ、画像、結末、漫画を無料で読める方法を紹介。

 

夫と子供二人と仲良く平穏に暮らしていた佐原祐希。

いつもと変わらず子供たちを保育園に送り届け、それぞれの職場へ別れて仕事を始める。

そして、青天の霹靂の出来事が東京に住む人々に襲い掛かったのだった。

 

6話

春日駅は何事もなかったように通常運行していた。

 

 

祐希は西高島平駅に向かう下り電車に乗り込んだ。

 

他人に無関心ないつもの東京の車内に見える気がしたが、よく見ると、やはりほとんどの人の服がボロボロになっていたり汚れている

 

腕に酷い怪我をして夥しい血を流している女性もいる。

 

そして、誰も彼もの表情が暗く沈み、泣いている人も少なくなかった。

表紙

 

 

全焼半径に居た人たちは、何が起こったのか分からないまま消し炭になったのかも知れない。

 

炎に燃え盛る人は、無意識に地下鉄を目指そうともがいたのかも知れない。

 

そんな地獄絵図を想像してしまうと、また目の前に眞人の幻影が見えた。

 

 

今度は何も喋らず、目の前に立って吊り革を掴んで笑顔で見下ろしている。

 

祐希はまた見て見ぬフリをしてここまで来たことを悔やみ、彼が苦しまずに逝けたのかが気がかりで、自分が作り出した幻に訊ねた。

 

 

疲れから僅かな間うたた寝をしていた祐希。

 

実はここで、彼女は致命的なミスを犯してしまっていたが、それに気づくことは無かった。

 

 

 

高島平に着いたアナウンスで目を覚ました祐希は飛び起き、急いで階段を駆け上がって外の様子を確かめに地上に出た。

 

駅前の建物にほとんど被害は無く、自転車などが倒れている程度だった

 

 

しかし、左の道の先にあのキノコ雲が見え、その通りの建物は激しく崩壊しているものもあった。

 

 

とにかく保育園が入っているビルの前に行き、そこは何事もないのを見て安心できたのも束の間、ここに来て被爆の可能性を考えて寒気がした。

表紙

 

 

最初にいたのは脱出半径。

その後、バイクで外を走った時間はおよそ1分半。

地下鉄に入る前にライダースーツは脱ぎ捨て、高島平まではずっと地下で爆心から離れ続けた。

 

体調に変化も無く、髪が抜けることもないのを確認してからビルの階段を駆け上がり、保育園の扉を開けると、中は平和そのもので、無事でいてくれた宗太とゆいがいた。

 

 

ただ、ゆいはまだしも、宗太まで何が起こったのか分かっていない様子だった。

 

しかし、ビルを出ると宗太は腰にしがみつき、爆発音を聞いてキノコ雲を見たのだと打ち明けた。

 

それが両親の会社がある方向だとも分かっていたが、まだ迎えが来ていない友達に配慮して、園にいる間ははしゃがず気を張り続けていたのだ。

 

 

宗太はまだ、たった5歳だった。

 

 

息子が大人顔負けの気丈さを持っていると知れた直後、近くのスピーカーから防災アラートが鳴り響き始めた。

 

そして無防備に歩いていたこの辺りが、黒い雨が降ってくる可能性が高い地域だと知った。

表紙

 

 

7話

防災アラートが告げるのは黒い雨の危険だった。

 

祐希は辺りを見回して避難できそうな場所を探すが見つからず、自分が冒したミスのせいで子供たちを被爆させてしまうかも知れないことに恐怖した。

 

 

祐希のミスは、周りの人と積極的に情報交換せず風向きのことを失念していたことだ。

 

電車で転寝していなければ、周りの人の会話で高島平が黒い雨の降る地域だと知れていた。

表紙

 

 

 

空がより一層恐ろしいものに見え、怯える子供たちの顔を見て自分を責める。

 

そうして後悔しているうちに、べたついた放射性降下物が肩に落ちてきた。

 

 

とにかくその場から動く行動を起こす余裕もなくなり、子供たちに覆い被さって「ごめんね」と謝ることしかできない。

 

そうして極限のストレスに晒されると、また眞人が見えた。

 

 

こんな時でも、彼の幻は笑いながら走り寄ってくる。

 

その幻はついに実体を伴い、その場に縮こまる祐希たちを黒い雨から守るためにブルーシートを広げて覆い被せた。

 

 

祐希に感謝と労いの言葉をかけた眞人は幻ではなく、生きて駆けつけてくれた本物だった。

 

彼の頬に触れてもまだ信じ切れないでいる妻に彼はキスをし、祐希はようやく本物なのを実感することができた。

表紙

 

 

 

感動の再会を洗い流すように、核の雨が激しくなっていく。

 

しかし眞人は、雨に濡れてもすぐに危険レベルになるわけじゃないと励まし、「俺に任せろ」と言い切った。

 

その頼もしい姿に、祐希は危機的状況でも惚れ直した

 

 

 

眞人が家族を連れて逃げ込んだのは、今朝話していた巨大倉庫だった。

 

地下施設のないこの辺りでは、最適の避難場所だった。

 

 

倉庫には誰もおらず、駐車場に車が一台もなかったことから、ラジオで風向きと核の雨の情報を手に入れて避難したと思われた。

 

放射性降下物からの避難は、最初の1時間後以上の屋内退避後に、風向きと直交方向に5km以上離れるのが原則だ

表紙

 

 

眞人はまず自分たちとこの倉庫をできるだけ安全な状態にすべく、子供たちに宝探しだと伝えて楽しませながら、数多くあるダンボールの中から衣服や靴、飲食物、ガムテープを探し出して欲しいと頼み、二人は嬉々として走り出した。

 

続いてシャワー室を探そうと言い、それで祐希は除染するためだと理解した。

 

 

 

ずっと冷静に的確に指示する姿に、祐希は照れながらも惚れ直した言葉をかけ、夫も照れさせた。

 

こんな時だからこそ愛し合っている二人はいい雰囲気になるが、思ったより早く子供たちが服を見つけて戻ってきた。

表紙

 

 

人体の除染は、放射性物質が付着した衣服を脱ぐだけでも大部分が除去できる。

 

 

危険区域から脱出し、家に入る前に着ていた服を全て脱ぎ、家の中に持ち込まない。

 

シャワー等で身体の小さな窪みの中まで丁寧に洗い、使用後の浴室も水洗する。

 

ガムテープ等を使い、酸欠に注意しながら核の灰や雨が浸入してこないよう、窓や換気扇の隙間を塞ぐ。

 

水道水が汚染されている可能性も考え、飲料水の確保。

 

食料は、腐りやすいものから食べて長期化を想定しておく。

 

祐希と眞人は子供たちを不安にさせないよう、それらを行動に移していった。

 

 

 

ラジオやテレビの災害情報には常にアンテナを張っておく。

 

核爆発が空中地表のどちらで起きたのか知れるだけでも、どんな危険が起こるか多少なりとも判断しやすくなる。

 

 

 

夜になり、大人二人はあえて子供たちと距離を取って布団を敷き、寝ることにした

 

ゆいは意味が分からず駄々をこねようとするが、聡い宗太はちゃんとした理由があってしていることなのだと自ら考え、妹を納得させて布団に潜り込んだ。

 

より爆心地に近かった大人たちの方が被爆レベルが高い場合、子供たちと触れ合うのはできるだけ避けるべきことだった。

 

 

そして布団を敷いた場所は、窓がなく建物の中心で一番安全だと思われる廊下だった。

表紙

 

 

夜も更け、夫婦二人になり、眞人は自分がどうして生存できたのかを打ち明け出した。

 

しかしそれは、生きていることへの感謝と共に、言いようのない後悔と懺悔、我が身可愛さに他人を犠牲にして生きようとする人間の醜さ等、地獄の光景を見てきた恐怖が多く含まれていた。

 

その時のことを思い出して震える眞人を、祐希は強く抱きしめた。

 

 

今だけは、放射線量のことなど忘れて、ただ愛する人の無事を喜び、颯爽と助けに来てくれたことへの感謝を伝えたかった。

 

 

 

そして一夜が明けた。

 

子供たちはまだ無邪気に眠っているが、どうして核爆弾が落とされたのかまだ知らない祐希たちにも予想もつかない未来が始まる。

 

ただ、次代を担う子供たちにとって苦しい未来になるのは想像に難くなかった。

表紙

 

 

感想

東京核撃7話にて完結です。

とにかく二人の子供と眞人が無事で良かったです。

黒い雨と言えば有名な小説もありますし、死の雨だというイメージが強いですね。

もっと読みたかったので7話で早々に最終回を迎えたのにはびっくりしましたが、東京マグニチュードみたいに、一応の完結というところですね。