テセウスの船5巻
ネタバレ感想
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明音は結局助けられず、金丸に疑われた心は拘留されてしまう。
釈放されたものの、本来の過去から変わってきていることに戸惑い、ついに文吾に21人が殺される無差別殺人が起きることと、その犯人として文吾が捕まることを打ち明けた。
だが文吾は信じず、心を追い出した。
行く当てのない心はまた霧に包まれ、いつの間にか現代に戻っていた。
しかしそこは、自分が生きてきた世界とはかなり変わってしまっていた。
テセウスの船5巻
死んでいるはずの由紀と対面できたのは何より嬉しいことだったが、この世界の彼女は心と出会っておらず、ただただ驚くばかり。
以前、自分を訪ねてきたらしいと親から聞いてはいて、心に連絡先を訊ね、彼は素直にメモ帳に書き記した。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船5巻
そこで、心を不審がっている父親に警察を呼ばれ、退散するしかなくなった。
翌朝、自作したハーモニカの曲を笑っていた由紀を夢に見たところで目が覚め、チャイムの音に気づいた。
昨夜の父の行動を詫びに来た由紀。
それはついでで、週刊誌の記者になっていた彼女は音臼の事件を掘り返しているらしく、心が逮捕された佐野文吾の息子だと気づいて好奇心を掻き立てられていた。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船5巻
心が自分を訪ねてきた理由も、記者だからだと思い込む由紀。
しかしこの世界の彼女のことを知るはずのない心は、由紀の笑顔が心無い記者たちで塗り替えられる気がして追い返した。
やはり、もう佐野と呼び捨てにするには抵抗感がある文吾に会って、1989年のあの日に何があったのか聞かなければ何も始まらないと思った。
しばらく札幌に滞在できる準備を整えていると、この世界の自分のアルバムが見つかり、本来の自分よりも明るく楽しい青春を送っていただろうことが分かったが、由紀とは出会っていない。
なら、あの気味の悪い絵は誰を描いたものなのか?
あの妊婦らしき絵以外にも何枚も見つかり、全て同じ人物が送って来ているらしいことが同じ筆跡なことから分かった。
わざとなのか壊れているのかなのか、全て気味の悪い絵だった。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船5巻
直後、また由紀が訪ねてきた。
先日の無遠慮な言動を謝ると、拘置所にいる文吾とやり取りしていた手紙の全てをポストに入れ、早々に帰った。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船5巻
最後の文吾の返信には、これ以上やり取りする意思がないことと、田村心という男に聞けば、知りたいことが分かるかもしれないと書かれていた。
札幌の拘置所に着いた心は、否応なく緊張感が高まっていた。
弁護士に付き添われて面会室まで先に行って待っていると、数日前まで顔を合わせていた若い文吾の顔が蘇ってくる。
しかし、数十年の時を経た文吾は全て白髪に変わった老人になっていた。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船5巻
ただ文吾は、あの時と変わっていない心にすぐに気づき、自分が正義と名づけるはずだった息子だと認めた。
父は数十年ぶり、息子は数日ぶりに会うアクリル板越しの再会は、あまりに残酷だった。
著者名:東元俊哉 引用元:テセウスの船5巻