直後、ザックレーの視線の先に見慣れない椅子があるのに気づき、ミカサがあれは何か訊くと、彼は新兵に運んでもらったものとだけ答えた。
少し落ち着きを取り戻したアルミンは、自分たちだからこそエレンから情報を引き出せるかも知れないと食い下がったが、ザックレーにはもう、決断を変えるつもりはないようだった。
面会さえ許されないのは、兵団がエレンを見限ったからとしか考えられなかった。
二人が部屋から出てすぐ、高官らしき3人が入れ替わるように部屋に入っていった。
ミカサは会話を盗み聞きしようとするが、アルミンが自分たちの立場を貶めるような行動は逆効果だと言って引き止める。
それでもミカサが戻ろうとしたその時、彼女は全身に悪寒を感じた。
それとほぼ同時にアルミンを抱えて飛び、爆発から逃れようとした。
著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年11号
ザックレーと他3人が居た部屋が大爆発を起こし、民衆が群がる正面玄関まで砕け散った破片が吹き飛んでいく。
それらと一緒に人間が爆発の中から飛び出し、ヒッチたちの目の前に落下した。
それは、下半身を吹き飛ばされてただの肉塊になり果てたザックレーだった。
著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年11号
幸運にもミカサたちに怪我はなく、急いで外に出てヒッチたちに合流し、ザックレーが無残に爆死しているのを確かめた。
突然の爆破テロにミカサたちが分かることはなく、今は戸惑うだけ。
すると民衆たちは爆破テロを自分たちの思いを汲んだものだと思い込み、声を揃えて叫び始めた。
調査兵団を真似て「心臓を捧げよ」と。
著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年11号
すぐに調査され、ザックレーの私物である椅子に爆弾が仕掛けられたのだろうと分かった。
犠牲者はザックレーを含めて4名だが、犯人も目的もまだ分からない状況だった。
報告会議に参加していたアルミンは、椅子は新兵に運ばせたものだと聞いたことを話し、どこの新兵かは聞いていないが、爆発の数分前に調査兵団の新兵を見かけたと明かした。
場が凍りつき、その新兵たちが犯人に違いないという空気が流れ出す。
著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年11号
さらに爆破テロにひけを取らない報告が飛び込んだ。
エレンが地下牢から脱走したと。
著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年11号
巨人の力で壁に穴を開けて地上に脱出し、また穴を硬質化で塞いで追っ手を阻んだという。
ミカサは完全に、エレンの気持ちも何が起こっているのかも分からなくなった。
その頃エレンは堂々と歩いて進み、協力者たちと合流していた。
著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年11号
想像以上の人数だと言うが驚いた様子はない。
フロックはここ以外にも味方はいると伝え、兵団内にも内通者が潜んだままで、兵団が始祖を扱いやすい誰かに移そうと考え始めた結果、ザックレーを暗殺した者もいると答えた。
エレンは上着を受け取りながら聞き、彼らを率いて再び歩き出した。
著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年11号
そしてまだ誰も、壁の中に車力の巨人の継承者が侵入していることに気づいていなかった。
感想
進撃の巨人110話でした。
ザックレーの拷問ウハウハ人生は長くは続きませんでしたね。
リヴァイの意外な弱点も分かりましたけど、エレンの真意がどこにあるのかはまだハッキリしませんし、それはイェレナも同様で。
この展開でいつ、ガビたちと交わるのかが一番気になります。