22話
ナナ以外に殺人犯が現れた。
殺されたのは石井リュウジという男子で、喉を切られているのと背中にも刺し傷があった。
さっそく調査を始めたキョウヤは、石井の隣室のモグオのアリバイを訊き、昨夜は取り巻きの3人に部屋で説教をしていたと分かった。
葬式終了直後から5時間もぶっ通しでしていたらしく、隣の部屋の異変にも全く気づかなかったという。
取り巻き3人の能力を確かめると、他人の声をそっくりに再現できる変声、物も触れる幽体離脱、金属を体にくっつけられる全身磁力化だった。
もう一人疑わしいのは、第一発見者で石井と付き合っていた空野フウコだった。
著者名:古屋庵 引用元:無能なナナ4巻
彼女の能力は大気を操る攻撃的なもので、室内では大勢を巻き込む可能性があるらしく、外に移動してキョウヤが身体を張って威力を確かめることになった。
空野が構えて気合を入れると、一陣の風が駆け抜けた。
腕を振って飛び出した空気の刃は、キョウヤの身体を糸も簡単に切り裂いた。
著者名:古屋庵 引用元:無能なナナ4巻
風通しの良い場所でないとコントロールが難しいらしいが、石井の部屋は窓が全開だった。
キョウヤが先生に呼ばれて調査は一旦お開きになり、ナナはミチルを伴って現場をもう一度調べ、ベッド下に蛾がたくさん蠢いているのを発見した。
食堂に行って小休止していると、朝から様子がおかしいミチルは人類の敵を倒した後の話をし始め、大学に進学するつもりだというナナに自分の実家に下宿すればいいと誘った。
しかし、両親の死にトラウマを抱えているナナにとって、温かい家庭の話は逆鱗に触れるだけだった。
著者名:古屋庵 引用元:無能なナナ4巻
ナナは一人で帰り、思わず感情的になったことを後悔していると、新しい制服を先生に届けてもらい、毒の小瓶を紛失していることを思い出した。
制服のポケットに忍ばせていたのが無くなっていることから、ミチルが介抱してくれた時に服から取り出した可能性が高い。
著者名:古屋庵 引用元:無能なナナ4巻
キョウヤにバレれば言い逃れできないと思った直後、そのキョウヤが訪ねてきた。
23話
ミチルはナナのことでキョウヤに何か相談しようとしたらしいが、詳しいことを話さないままやっぱりいいと言って帰ったらしい。
著者名:古屋庵 引用元:無能なナナ4巻
そのままキョウヤに誘われて空野に話を聞きに行った。
最近は疎遠気味とは言え、恋人が殺されて気落ちしている空野は、昨夜の葬式後、部屋で読書をした後で明け方まで部屋で友達と過ごしていたという。
明るくおもしろい性格だった石井はかなりモテたことから、キョウヤは嫉妬をこじらせた犯行の線を疑っていた。
しかし、犯人が人類の敵と信じている空野の涙は、ナナには本物に見えた。
著者名:古屋庵 引用元:無能なナナ4巻
ナナはアリバイを考えれば空野が犯人の可能性は低いと言うが、キョウヤはベッド下の蛾、石井の毎日の就寝時間と虫嫌いだったことから、モグオのリサイタルが開かれていた時間帯に殺されたのだろうと推理した。
石井の能力が毛穴に入れるほど小さくなれることも考えてみると、犯人に襲われそうになっても争う必要性が見えない。
キョウヤはあくまで、空野が犯人だと思っているようだった。
ナナも特段空野に肩入れする理由もなく、キョウヤと別れてミチルに話を聞きに行った。
ちょうど風呂に入っている最中だったので勝手に部屋に上がり、部屋の中を漁って小瓶を探したが見つからず、代わりにミチルの日記を見つけた。
自分の正体に繋がることをバカ正直に書かれているかも知れないと思い、読み進めていったが、ほとんどナナへの気遣いと友情を示す言葉ばかりだった。
著者名:古屋庵 引用元:無能なナナ4巻
ナナが手を握られた時のことを思い出した直後、またいつの間にか入り込んでいた橘が小瓶と携帯を返しながら、ナナに指令を出している何者かとのコンタクトを求めた。
ナナが素直に受け取ると、しばらく会えなくなると前置きしてから、ミチルの風呂の時間が随分長くないかと漏らした。
嫌な予感がしたナナが風呂場を覗くと、ミチルが浴槽の中でぐったりしていたのだった。
著者名:古屋庵 引用元:無能なナナ4巻
感想
無能なナナ4巻でした。
面白度☆9 泣ける度☆9
4巻はほぼ石井殺害事件に関するエピソードで、犯人が明かされる話も収録されていて、最後が泣ける展開で終わっています。
ここでは半分程度ざっくりバラしているだけなので、推理の詳細、犯人、ナナとミチルの関係がどうなるのかはコミックで確かめて欲しいと思います。
今回も300Pを超える大ボリュームでした。