辺境の森に突如現れた白い塔は悪魔の塔と名づけられ、最初に存在を確認した隊商のうち、一人が正体の分からぬ人型モンスターの犠牲になった。

 

 

陛下はこの件を調査すべきだとは思っていたが、実際問題、軍を派遣する余裕はなく、相談相手に剣の乙女を選んだ。

 

剣の乙女はゴブリン退治には全く手を出さないことを皮肉り、最初の返事とした。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年11号

 

 

もちろん陛下はゴブリンのもたらす被害が無視できないものだと分かっていたが、ドラゴンや魔神王の残党の脅威に比べれば個人的レベルだと言い返せたし、冒険者ならゴブリンくらい倒せて当然だと考えていた。

 

剣の乙女はそれを陛下の優しさだと微笑を見せながら、麗しき清廉な歌声で陛下の偉業を称え、やはり最後は皮肉った。

 

そして、悪魔の塔は冒険者に任せるのが最善だろうとアドバイスした。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年11号

 

 

陛下もそれしかないと考えていたが、隊商が見たものが悪魔ではなくガーゴイルだった場合、危険レベルは変わってくる。

 

それでもゴブリン以上魔神以下なのは変わらず、今も厄介な騒動に手を焼いている今、悪魔の塔と言われても、あい分かったと軍を派遣できる状況ではない。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年11号

 

 

だから愚痴を吐き出す気持ち半分で友人の剣の乙女と密会したのだが、立場上、ふらりと酒場で落ち合うことさえ叶わないのにもストレスを感じていた。

 

 

身軽に動けた過去を懐かしむが、すぐに剣の乙女に茶化され、陛下もすぐに言い返して、気の置けないやり取りを楽しんだ

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年11号

 

 

ただ剣の乙女も、立場を捨てて自由に動きたいと思っている陛下の気持ちに十分共感できた

 

それも全て、ゴブリンスレイヤーという冒険者に出会えたからだった。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年11号

 

 

お互いの近況を話し、ままならない立場の苦しさを話し、個人的な目的を果たした陛下はするべき目的の戦司祭を借りるために腰を上げた。

 

剣の乙女は恭しく膝を折って挨拶するが、陛下は一人の娘に戻りたがっている剣の乙女の見ている男が、自分ではないと分かっていた。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年11号