少年のアビス
ネタバレ感想特集
少年のアビスのネタバレ最新話エロ画像、漫画最新話と最終回、最終話、最新刊、感想、あらすじ、結末、無料で読む方法を紹介。
作・峰浪りょう。
黒瀬令児は今にも未来にも全く希望を持てなかった。
狭い地元、縛り付けてくる家族、悪意に色塗られた搾取されると決められた未来。
そんなある日、この町にいるはずない人と出会うが…
※まんが王国先行配信
巻数目次
1巻
それなりの大学を狙える学力があっても、兄は引きこもり、祖母は認知症、母が一人で働いて家計を支えている状況で、令児だけが進学して好きな場所で好きな仕事に就ける余裕はなかった。
高校を卒業したら、パシリ扱いしてくるチンピラ幼馴染み家族が経営している会社で働くことが決まっており、抽象的でなくはっきり夢も希望もない未来が待っていた。
唯一心癒されるのは、同じく幼馴染みの眼鏡少女のチャコが勧めてくれたアイドルグループ「アクリル」にハマっている時だけ。
そんな日々の中、なぜかこの町のコンビニでバイト中のアクリルに所属している青江ナギと出くわし、気づけば彼女で童貞を捨てていたのだが…
2巻
教え子の黒瀬令児が得体の知れない女と台風の夜の暗い川に身を投げようとしているのを見つけた担任教師は、焦って駆け下りて何とか最悪の事態を防ぐことができた。
生徒からは柴ちゃんなんて呼ばれて、過去の栄光の面影もなく、早熟な女性徒にはそこそこ経験ある風に振舞っておいて三十路前の処女。
自分と同じ垢抜けない青春を送っているだろうと思っていた黒瀬令児が女の子と心中しようとしていた驚きの事実、まだ子供とは言え男を家にあげた事実、死ななければ悩みは消えないと言い切る重い教え子の言葉。
死を選ぶほど追い詰められている生徒の登場に柴ちゃん先生は、教師生活に予期しない刺激が出たことに思わず愉悦の笑みを漏らし、少年を一人暮らしの部屋に匿った…
3巻
期せずして教え子で初体験を済ませ、お互いの闇をぶつけ、執着するようになった柴ちゃん先生。
ただそれは普通の恋する乙女のようでもあり、割り切ったドライな感覚も持ち合わせていた。
合鍵まで渡し、令児がこの町を出れるように進学や新生活の費用も出すと言い出し、たっぷり溜め込んだ預金通帳を披露する女教師。
その頃チャコは、憧れの小説家に会えたことで舞い上がっていたが、さっそく自宅のベッドに誘われたことで彼が噂通りのクズだと分かり、瞬時に熱は冷める。
しかしそんなクズに溺れたい自覚もある中で、家族全員から東京への進学許可を翻された挙句、更に追い打ちをかけられる衝撃の事実を知ってしまい…
4巻
チャコは令児が青江ナギと知り合いだけでなく、既にセック〇していることを、似非森の声で知ってしまった。
嫌悪感、不快感、一気に盛り上がった恋心を裏切られた気分になったが、ナギと心中しようとしていたことまで知ると、一時の感情で突き放せなくなった。
そして出会うチャコとナギ。
令児を死から遠ざけることに成功し、一緒に東京に行く未来を明るいものだと思い込むチャコだが、それは令児の希望を奪っただけだったし、母親のもう一つの顔を玄から知らされた令児は全く死から遠ざかることはなかった。
令児の母もまた疲れ切って激ヤバ、柴ちゃん先生もメンヘラストーカー化が加速していく…
5巻
柴ちゃん先生の凶行は勢いを増していく。
令児にチャコという女がまとわりついていると知れば、とてつもない嫉妬を怒りに炎に変え、それで素早く行動して彼女の希望を打ち砕き、未来の選択肢を潰えさせた。
そこまで異常な大人になってしまったのは、本人曰く、自分も大人たちから操られてきたから。
そして令児の母にも一人で接触し、金をチラつかせて容易く思い通りに事が進んでいると思い込むが、令児の母こそこの薄暗く小さな町の病巣と言える存在だった…
6巻
東京から転校してきたのは、よくある両親の離婚だったし、名字が名乗り慣れない野添に変わったのも、標準語をバカにされてさっそくいじめられたのも、後に小説家になる少年のせいではなかった。
祖父母は精神を病んだ娘を疎んじ、だから孫も可愛いと思えず、そんな居場所がない中で、野添少年を何かと助けてくれるのはぽっちゃり女子の同級生。
ただ少年が惹かれたのは、同じく両親に恵まれなくても人目を引く美少女の黒瀬夕子であり、密かに共に過ごす時間が増えていくうち、未来に絶望した二人は将来を誓い合った。
そんな少年少女らしい輝く未来とは程遠く、令児もチャコも、夕子も似非森も、柴ちゃん先生も人生が崩壊しようとしていた…
7巻
誰もまだ死ななかった。
すぐに狭い町の中に教師と教え子の淫らな関係が広がり、当事者の柴ちゃん先生は逮捕、夕子は重体で生死の境をさ迷い、死にきれなかった令児はより虚ろになった。
令児の父で夕子の夫が暴力を振るうクズ男だと知った少年の時の玄は現在、何かあれば稼業の会社のだだっ広い土地でタバコをくゆらせる。
仲が良かった3人はお互いを助けようとして、足を引っ張り合い、そしてどうしたって呪われたようなこの薄暗い町から抜け出す気力さえ奪い合うばかりで…
8巻
玄が零児に抱いていた特別な感情のせいかおかげか、ナギが殺されることはなく、玄は行方を眩ました。
やがて季節が冬になった頃、零児は学校を辞めて地元の倉庫業でバイトをしながら家計を支える大黒柱になっていた。
ナギは似非森に任せてこの町から抜け出させ、寒い時期になって夕子も退院できることになったが、家でもリハビリの日々が待っていた。
相変わらず家族の奴隷でいる零児は、完全に恨まれたチャコの父親から、彼女がおかしくなったことを知らされ、久しぶりに心を許した唯一の友達に会い、すっかり痩せ細っている姿に衝撃を受ける。
そんな中、これまた久しぶりに柴ちゃん先生と鉢合わせ、低い腰で謝り倒されるが、イカレタメンヘラ元教師はまだまだ初めての男の教え子を諦めていなかった…
9巻
光に吸い寄せられる羽虫のように、柴沢家で集まった幼なじみの3人。
メンヘラ教師の家に玄もいて零児もいて、蚊帳の外だったチャコは久しぶりに身体を動かしたせいもあってフラついてしまう。
そして帰ってきた柴沢の様子からチャコと玄は、この元教師は性懲りもなく零児の信頼を取り戻すためでしか行動してないことを察してしまう。
口八丁手八丁で邪魔者二人を排除しようとする柴沢。
苛立ちが募ってチャコを犯そうとする玄。
闇の底から笑って歓迎しているようだと評される零児。
そして3人はついに町を出て、チャコが憧れた東京の地に降り立つのだが…
10巻
東京の似非森を訪ねた令児は、病床にいる痩せ細ったまさに今にも死にそうな病人の彼に面食らってしまう。
出会った頃にはもう病魔に侵されていたという小説家が紡ぐ物語の主人公は、どれも最後は死に至るダウナーなものだが、彼がこれから語って聞かせる人生こそ、令児の母の夕子が存在したことで深淵を覗き込んでしまう陰鬱なものだった。
夕子もまたどうしようもない親の元に生まれ、多くを搾取され提供してきた空っぽな美少女でしかないが、自分によく似た息子がいて、重傷の今、我が子に執着して利用して愛し愛される関係になりたい元女教師を、また言葉巧みに取り込もうとしていた…
11巻
柴ちゃん先生が夕子の深淵に引きずり込まれそうになっている頃、令児は似非森の過去を聞いていた。
身内の死を契機に、一気に当時の理解者である同じような悩みを抱えた女子とヤルことヤッテ、爛れながらも肉欲に満ちた日々が始まった夏。
片や夕子は不良グループの価値を上げる花として堂に入り、似非森が御用達にしている喫茶店に通うようになる。
文学少年と少女は一緒にこの町を出ようと誓い合うが、イケメン不良リーダーの心も暗がりに連れ込んだ夕子が、またしても障害となって幾人もの男を惑わしていく…
12巻
似非森の昔話を聞き終えた令児は、小心者で臆病だった彼を小さく詰り、自分の名前を皮肉った。
病室を出たところで鉢合わせたナギと、お互いに似非森の状態を遅まきながら知ったことを共有している頃、柴田は夕子に付き添って黒瀬家に戻った。
かつて玄が人殺しをした現場には、テレビから笑い声が飛び出し、かつて娘に身体を売らせた女がすっかり年老い、ほぼ寝たきりの余生を過ごしていた。
あまりに闇を抱えすぎた夕子の謀略、DV男に変貌する半分托卵された夫であり父、責任を感じる秀才だった兄。
そこで萎れゆくだけの老婆が口を開き、娘が学生時代にも二人の男を間接的に殺していることをバラし、柴田に令児の血を残さないように忠告した。
血塗られた一家の闇を知らされた柴田はしかし、夕子の新たな謀略の片棒を担がされそうになったのを阻止し、黒瀬家に、令児に、最後まで付き合うことにしたのだった…
13巻
令児が心中しようとした相手は知る人ぞ知るアイドル。
令児の父親走る人ぞ知るこの町出身の作家で、彼が青江ナギを連れてきた。
夕子から青天の霹靂の情報を刷り込まれた柴沢は、おそらく令児はナギを求めて東京に行ったんだろうと吹き込まれ、新たな行動に移す。
一方チャコは、まだふくよかだった頃に撮った、まるで似非森との事後のような写真を出版社に持ち込み、やり捨てされたと捏造して、人生終盤にはっちゃけ出す。
クソな奴の血が受け継がれ、不幸にされてし返して、第三者も不幸に巻き込まれて深淵に引きずり込まれていく負の連鎖は誰の死で止まるのか…
14巻
諸悪の根源、いや親に身体を売らされていた夕子もまた、逃してくれない毒親の被害者だったのだが、玄にとっては深淵に引きずり込んだ悪女であり、首に手をかけても仕方ない相手だった。
母が沈んだという川辺を見た後、零児は玄を警察署に送った。
母の悲しみに共感していたようで、実は嫌悪の対象だったことをやっと自覚した零児は、母が死んだと思っても悲しみがこみ上げないことにまた絶望を覚える。
しかし夕子はしぶとく生き永らえ、同時に今にも儚く消えそうなチャコが目を覚ましたのだった…
15巻
肉付きが良くて不満で抱き心地が良さそうで、眼鏡が似合うぽっちゃり可愛いチャコの面影はなく、削げこけた頬が如何にも不健康そうで儚くて、ガリガリの病的な少女に変わり果てたチャコ。
包丁を握りしめて家から飛び出したチャコは橋の上で令児と鉢合わせ、何人かの人生を狂わせた女の巣で一先ず休むことにした。
しかしとんでもない悪女もまた、親のせいで歪んだ被害者でもあった。
そしてもう今後は住む者もいない似非森の家に身を隠すと、令児はここを終着点として小さな炎を灯した…
16巻
あのコンビニの片隅で再会した零児とナギ。
お互いに声を聞きたくて会いたかった二人がまた会えた翌朝、母が目を覚ました。
愛されていないと自覚している息子から見て、全てを憎んでいる母に対し、餞の言葉をかけたナギ。
子供の頃から誰かに言われるまま決めて生きてきて、今度はAVに出るかも知れないナギは、あの大震災で全てを命以外を失っている人間だった…
感想
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出られたくても地元から出られないって、人生単位で考えたら絶望しかねない苦しさな気がします。
その場所に留まるべき前向きな理由があれば景色も明るく見えるものですが、嫌なしがらみほど捨て去りたいものはないでしょうね。