
殺し屋と少年の疑似家族
両親を殺された復讐を果たすため、10歳になったばかりの少年は銃を手にする。
しかし、殺気を纏って生きてきた殺し屋の女は、少年との奇妙な生活に居心地の良さを感じ始めていた。
おもちゃの銃を仁輔に買い与えたその日、5億円の事件の実行犯で父を殺した警官の楠が、仁輔の前に姿を見せる。
待ち合わせの書き置きを残してすぐに消えたが、その文字を見て、彼の中に復讐の炎が燃え上がっていく。
そんなやり取りに気付かないスズキの入浴中に、彼女の銃を掴み、書き置きの夜の公園へと赴いた。
対峙する二人。親の仇と目撃者の生き残り。
銃がない事に気付いたスズキは、夜の町を走り抜ける。
途中待ち伏せていた一味の新山に車で撥ねられてしまう。
かなり痛めたものの、走り去った新山を追いかけ返り打ちにしてしまう。
その夜は二人とも危機を脱したが、両者の想いは離れていく。
復讐と平穏。
暴走する楠はまたも独断で、二人の部屋の隣に居座ってしまう。
仁輔に銃の使い方を教える彼は、牙が抜け落ちそうなスズキにあるようだが・・・
一方、楠の暴走に業を煮やした新山はスズキに彼の抹殺を依頼する。
バックに控える腐敗した警察組織は、何を企むのか。
彼女の頭の中は、仁輔との平穏な未来を思い描くことでいっぱいだった。
彼の仇をこの世から消し、見返りに追われる生活を抜け出せる。
彼女は最後の仕事と決め、依頼を受けるのだった。
すれ違う思い
なりゆきとは言え、夢見た平穏な生活が目の前にちらついている状況に、スズキの心は大きく揺れる。
仁輔がもう大事な存在になったために、人を殺している自分をこれ以上見せたくない気持ちが芽生える。
裏社会で生きてきた少女は、初めて幸せを感じ始めていた。
片や、平穏な日常と幸せを奪われ憎しみに囚われている少年。
その姿にかつての自分が重なる。
歪な関係の二人が、共に幸せを掴めるのか3巻に期待!