
クズの本懐ネタバレ感想6巻
クズになりたくてもなり切れない花火。
クズな女に惹かれる。でも、純粋なモカがたまらなく愛おしくなった麦。
それは毒牙か、癒しの手か。
巻数目次
29話
続きをするかどうか相手に言わせるところがずるい。ここで止めるわけがないって分かっているのに、顔を赤らめるモカに言わせたくなってしまう。
胸に触れるとビクッと反応を見せ、服を脱がすと微かに悲鳴を上げる。小さな胸を恥ずかしがる様子が、どうしようもなく欲情をかき立てる。
目に涙を溜めてされるがままのモカ。下に触れると身体を震わせて涙を流し始める。
やっぱりこれ以上はできなかった麦。汚したい。割り切りたい。でもそんな気持ちをモカで吐き出すなんて出来そうにない。
逆にモカはそれを望んでいた。ただ大事にされる特別じゃなく、触れられてめちゃくちゃにされて汚される特別が良かった。
今日は、そんな存在になれないとはっきり身をもって知らされただけだった。
思惑通りにうまくいかなかった花火と麦は、自然と会うことになった。二人とも、夏休みが終わるまでに告白して、決着をつけることにした。
成功するなんて思ってなかった。はっきりフラれれば、本当の恋人になってデートできるかも知れない。そんなことを考えて勇気を奮い起こそうとしていたんだ。
30話
篤也は早苗がいるのを理由に、隣町の夏期講習に通っていた。
中二の頃に6年ぶりに会った早苗は、クラスの女子とは違う一人の女になっていた。親戚付き合いが殆どない家庭で育った彼にとっては、たった一人の従姉妹だった。
6年ぶりに会ってもちゃんと覚えてくれていて、目が合っただけでどうしよもなくドキドキしていた。あまりに見惚れてしまったものだから、思わず抱きしめて求婚さえした。
彼女は嫌悪感むき出しで平手打ちを食らわせてきたけど、嫌われはせずに付き合いは続いていた。
今の篤也は血の繋がった体の良い相談役でしかない。女の子を好きになった早苗。初めて人を好きになった早苗。恋愛感情が芽生えたなら、自分にもチャンスがあるんじゃないかって思うと、相手の女の子に感謝したいぐらいだ。
大量に出された宿題にヤル気を奪われていた花火。麦は宿題を終わらせたら告白すると言い出すものだから、花火もその勢いに乗っかってみる。
31話
宿題に追われていても、寂しくなるのは仕方ない。
告白すると決めたけど、成功するなんて思えない。だから怖くて仕方ないのは二人とも同じだった。キスで慰め合おうとするけど、もうその頃には相手を想い人の代わりだなんて思えなくなっていた。
麦ははっきり言葉に出してそう言ってくれたけど、花火は麦の変化が自分と同じだと分かって戸惑い、言葉にできなかった。
熱い日差しが照りつける夏の一日、麦は昼間に茜を呼び出した。相変わらず偽りの仮面をつけている相手に、自分は特別なうちの一人でしかないと思い知らされるが、そんなクズ女がとても可愛く見えて仕方ないのだった。
32話
幼い頃に一人で留守番していた大雪の日。好奇心に抗えなくて違う町になったような外の世界に飛び出した。ただ前へと進んでいくうちに迷子になって、人気のない公園のブランコに座ると、初めて地面に足がついた。
お兄ちゃんが息を弾ませて迎えに来てくれた。その時、母にも見せないようにしていた涙を堪えきれなくなった。
やがて花火は高校生になって、お兄ちゃんは夢を叶えて教師になった。その時は逆にお兄ちゃんが泣いていた。そして帰り道はあの時と同じように、手を繋いでくれた。
告白前日の夜。
二人で決起集会みたいに夜の公園で会うことにした。なぜか麦を見るとドキドキして顔が熱くなっているのが分かる。
それを見透かしたように麦に耳を口に含まれ、首筋を舐められて、胸に手を這わされた。今迄で一番ドキドキして変な感じだった。
でも、悪くなかった。
喫茶店で先生に白い肌を羨ましがられたけど、じゃあ先生はどんな男が好みなんだ?色んなタイプの男と寝ているのを知ってるから、予想もつかない。
それ、俺一人じゃだめですか?
33話
先生、好きでした。あなたが俺の好意に気付いているのも知ってました。ずっと見てきたから、絶対に手に入らないってことも知ってます。
でも、今のあなたは俺を見てるように見える。やっと見てくれたのか?花火の顔がちらつくけど、ここまできたら引くに引けないだろう。
ベッドに押し倒して、言ってやった。どうしようもない男好きの性悪クソビッチだって。好意は持ってないくせに、好意を向けられないと我慢できない自己愛クソ女だって。
そう言っても、全く揺らいでくれない。だから好きなんだろう。
あなたから貰える口先だけの好きなんていらない。心からの好きを俺が最初に引き出して、あなたを変えてあげたい。
前日の夜に麦と会った公園にお兄ちゃんを呼び出した。その時でも、私が告白するなんて考えもしてない。
そんな鈍感なところも、一言好きと言えば一瞬で真剣な顔になってくれるところも、相手の考えにシンクロしてくれるところも、声も、仕草も、顔も、話し方も、優しさも、あなたの全てが好き。
でも、一人じゃないからお兄ちゃんの「ありがとう」で前に進める。きっと大丈夫・・・
34話
あの夜、麦は来なかった。
そして今、花火は早苗に誘われて軽井沢に来ていた。二人を誰も知らない土地だと、いつもより強引になる早苗。
フラれたことを少しでも意識から外したかった。麦は結局どうなったのか分からないし、ふとした拍子に涙を流すのは辛い。だから、傷心を癒したくて来たのかもしれない。
彼女の親戚のものだという別荘はお洒落で立派だった。早苗と二人きりになれば、何を求められるか分かっていたけど、テンションが上がらずにはいられない。
ただ、二人きりでなかったのは想定外だった。
35話
早苗の家に電話して先回りしていた篤也。料理はおいしかったけど、早苗のご機嫌は斜め急上昇で空気は重かった。
篤也は無遠慮に早苗に踏み込んでくるけど、誰よりも彼女のことを理解していた。この旅行を花火との最後の思い出にしようと考えていることも見透かしていた。でも、それですんなり諦めがつくほど早苗が強くないことも分かっていた。
お風呂に入って火照った花火の体にキスをする。隣の部屋に男がいて、そいつが閉じた心のドアを開けようとしてきても、今は花火に触れていたい。
早朝に目が覚めた花火は、早苗の手帳が落ちているのを拾って中を覗き見てしまう。そこには、初めて会った入試の日にあげた飴の包み紙が挟まれていた。
感想
クズの本懐6巻でした。
茜とこれからどうするのでしょうか。クソビッチモンスターを麦一人で満たせるんですかね。
お兄ちゃんと茜がどうなっているかも気になりますね。クソビッチモンスター恐るべし・・・