6話

ディスクを託された零は、帰ってすぐに観始めた。

 

テーブルにパピコのAVパッケージを置いたままヘッドホンをかけた。

 

冒頭は、ブリーフ男が駅前で何をするでもなくブラブラしているシーンからだった。

 

 

シンギュラリティ。

平和ボケした世界。

衛星軌道。

ギガストラクチャー。

 

SF映画に出てきそうな単語を織り交ぜながら一人でぶつぶつ喋っているだけのなんのおもしろみもない内容で、168時間というあり得ない時間が収録されていた。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年6号

 

 

あまりにおもしろくなくて長過ぎて、零は途中で観るのを諦めた。

 

 

 

翌朝、パピコがまだベッドでまどろんでいると、竜二がパチンコの軍資金を彼女の財布から抜き取ろうとしていた

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年6号

 

 

咎められても悪びれもせず出て行く竜二。

 

強く言えずにやり切れなさでまたベッドに倒れこむと、兄から電話がかかってきた。

 

母にまた何かあったらしく、渋々ながらも仕方なく帰ることを受け入れた。

 

 

母のことを心配しながら新幹線に乗り込み、地元の駅に着いた。

 

かなり大きめの和風建築の実家に着き、玄関でただいまと声をかけても誰も出迎えに来ず、兄たちは居間で母を見舞いに行くでもなくグダグダと過ごしていた。

 

パピコの収入で暮らしているくせにAV女優をしていることが気に入らず、自分たちが周りに何を言われるかだけ気にしているクズな兄弟だった。

 

キャバクラやソープの方が顔バレしなくていいだろうと好き勝手に言いたいことだけ言うが、入院している母を見舞いに行くのはきっぱりと断り、妹のパピコに押し付けた

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年6号

 

 

彼女は特に文句も言わず、父の遺影に頬を寄せてから家を出た。

 

 

足を骨折したらしい母も兄たちと同じだった。

 

娘の収入で暮らしているくせにやはりAV女優の仕事に文句を言い、娘の身なり一つにも口を出す。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年6号

 

 

家族全員あんたにぶら下がっていると恥ずかしげもなく口に出し、自分たちも働く考えはないのか、治療費30万も忘れずに催促した

 

 

帰り道、パピコはそこが小さい頃に父が自転車に乗せてくれた道なのを思い出した。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年6号

 

 

 

部屋に帰ると竜二からパチンコで金をすったメッセージが来ていてストレスを溜め、もちに癒しを求めて飲みの誘いを適当に断る。

 

日が暮れて来たとき、零からディスクのことで話したいことがあるので会えるか?とメッセージが来たのでようやく少し心が晴れた

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年6号

 

竜二がサウナに泊まってくるので、彼を部屋に呼んだ。

 

そのメッセージを読むなり、零は家を飛び出し、またテンションが跳ね上がって自転車のペダルを力の限り回し始めた。

 

GIGANTギガントを読むならこちら