11話

憧れのAV女優パピコをちほと呼ぶようになり、素の彼女を知ってもっと好きになり、泣き落としで付き合えるところまでこぎ着けた零は、お付き合いが始まった翌朝からニヤニヤが止まらなかった。

 

アラームで飛び起き、昨夜のことが夢じゃなかったと再確認してニヤニヤ。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年12号

 

 

朝食中もニヤニヤして母に気持ち悪がられ、映画の話題を振ってくる中島の話を聞き流しながらニヤニヤして指摘され、授業中に彼女になったちほに何をしてもらおうか考えてニヤニヤし、隣の女子に独り言を聞かれて怪訝な目で見られ、ようやく少し恥ずかしくなった。

 

 

 

その日のちほは、大人向け書店で開かれたファンに向けた撮影イベントに出演し、水着姿で写真を撮られまくり、ファンの男たちに愛想を振りまいていた。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年12号

 

 

夜になると彼はまたいつもの嘘で家を抜け出し、いつものファミレスに急いだ。

 

恋人同士になってからの初めての食事でドキドキしっぱなしだったが、彼女の態度は今までと変わらず、今日の仕事の話しをしてくるだけで、彼も今までと変わらず話すだけで、次第にドキドキが萎んでいった。

 

お互いによそよそしくなった帰り際、彼は期待を膨らませて自転車の荷台に乗せて部屋まで送り、彼氏として普通に部屋にも上げてもらった。

 

 

どうも会話が弾まないが、彼女の方は甘酸っぱい気持ちで照れているわけじゃないのは明らかで、彼は堪らず付き合っているのを再確認した。

 

今までの付き合いは何となくで始まったらしいと聞いた彼は、一足飛びにヤルことをヤラなければと思い、思い切って一緒にお風呂を誘い、成功した。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年12号

 

 

頭を洗ってもらっている間、目の前には裸の彼女がいる。

 

反応するのは必然で、下に下に洗う場所を移動していった彼女は「おおっ」と声をあげ、そこも洗い始めてくれる。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年12号

 

 

そしていくらもしないうち、彼は我慢できずに初一緒にお風呂で彼女の顔にかけてしまうのだった。

 

 

綺麗になった身体でベッドに潜り込み、彼女に覆い被さりながら初めてのキスをすると、感動で涙が溢れてきた

 

そこまで彼が喜んでくれることに彼女も嬉しくなり、キスを返した。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年12号

 

 

彼はまた唇に、頬に、鼻に、額にもキスをして、強くギュッと抱きしめた。

 

それがまた嬉しく、愛おしくなった彼女も抱きしめ返した

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年12号

 

 

初めての彼は上手とはお世辞にも言えず、一人で頑張って一人だけで絶頂を迎えたが、彼女はそれで十分だった。

 

ただ、未成年の男子高校生と関係を持ったことに、冗談か本気かふと一言漏らした。

GIGANTを読むならこちら