15話

地面が揺れるような雷の雨は程なく治まっていった。

 

人々はまだ真っ暗な空を見上げながらも、もう大丈夫だろうと安心し始めた。

 

しかし、矮小な人間をあざ笑うように巨大な足が黒雲から突き出てきた。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年15号

 

 

超巨大な人間の形をした足は次第にその全容が見えてくる。

 

明らかにあのサイトで決定した破壊神が具現化したものに違いなかったが、誰もがその場から逃げようとはせず、この世に終わりをもたらすかも知れない人知を超えた存在から目が離せなくなっていた。

 

 

あの拙いデザインがリアルになったそれは全裸だが腹部がすっぽりなく、頭部もぱっくり割れて前後に分かれているつるっぱげの天使だった。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年15号

 

 

ビルよりでかいそれが地面に降り立つと、地響きを上げながら歩き始めた。

 

まさに、映画の世界に迷い込んだようなものだった。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年15号

 

 

 

父は破壊神が空から降りて来る様子から目を離さず、歩き出すや否や危険なのを後回しにしてスマホで撮影するんだと行って追いかけた。

 

母と彼は放っておけず、破壊新を追いかける父を追いかけるしかなかった。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年15号

 

 

 

破壊神はニューヨークと東京に出現していた

 

ちほはSF映画がリアルになったニュース映像を見ながら彼に電話をかけるが、父を追いかけて混乱の最中にいる彼は着信に気づかない。

 

ニューヨークでは有名なキャラを明らかにパクっているセーラーマンと、ちほの腕に機械をくっつけて人形になったブリーフおじさんのアメリカ版みたいな2体が対峙していた。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年15号