16話

父のように破壊神を撮ろうとしている人は数え切れないくらいいた。

 

今更逃げても意味がないと諦め開き直っているのか、こんな時でもSNSに載せるために撮っているのか本人しか分からないが、最早どっちでも大した違いのない状況になっているのは明白だった。

 

 

害虫のように人々が破壊神に群がっているうちに、空にも多くのヘリが飛び交い始めていた。

 

破壊神に近いほど残り100万人に入れないと考えた零は必死に父を避難させようとするが、父は命よりも好奇心を優先させて動こうとしなかった。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年16号

 

 

 

ヘリからの生中継を通じて、テレビのコメンテーターたちも何も分からないなりに、巨人がいる六本木から離れた方がいいと見解を示している。

 

誰でも言えるようなコメントを聞きながら、ちほは彼に電話し続けていた。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年16号

 

 

 

破壊神と目が合う高さのビルの中にいた人々は、巨人が振り向いたのにテンションを上げ、危機感など感じずにとにかく撮影することに夢中になっていた。

 

その行為が癇に障ったのか、破壊神は顔を顰めたようにも見えた。

 

 

そして、ついに破壊行動を開始した

 

六本木に聳え立つ高層ビルの一つに手を振り抜き、まるで焼き菓子を折るようにビルを真っ二つに叩き折ったのだった。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年16号

 

 

折られたビルの上層階は地面に落ちた。

 

 

他の建物と地面を破壊し、白煙を巻き上げ、粉砕されたコンクリの塊が銃弾になって周囲の人々に襲い掛かる。

 

アメリカの同時多発テロを思い出させる地獄の光景だった。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年16号

 

 

 

ヘリに乗った中継カメラは破壊神の顔を間近に捉えていた。

 

顔はつるっぱげの白人で、人間の作りと同じに見える。

 

しかし、内部構造は巨大樹の幹や枝に太い血管が絡みついているようで、生き物なのか作り物なのかも判断のしようがなかった。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年16号

 

 

破壊神は進みながらビルに手をかけ、次々に破壊していく。

 

サイズがでかすぎるだけで、子供が民家の塀に石や傘の先を擦って遊んでいるようでさえあった。

 

 

そして、ついに零たちの前にもビルの残骸が落ちてきた

 

ヤバいと思った父もさすがに撮影を諦めて走り出し、二人も悲鳴をあげながら後に続いた。

著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2018年16号

 

 

 

破壊神はついに自身の能力を使って破壊行為を始めた。

 

手の平に作ったおぞましきエネルギーボールを目の前に叩きつけると、その辺りが大爆発を起こした。

 

 

零たちは必死に逃げ、悲鳴をあげ、とにかく全力で走り、地下鉄の入り口に飛び込んで階段を駆け下りた。

 

駅の構内に入ったところで立ち止まり、息を整え始めた。

 

 

破壊の影響はまだ現れていないようで安全に思えたが、破壊神は人口を減らすノルマを課せられていることから、それを達成するまで人類に安心など訪れるはずがなかった。

 

 

感想

ギガント14話から16話でした。

一気にGANTZ臭が強くなり始めたので、そろそろ対抗できる人類側の戦力も出てくるタイミングですかね。

つまり、巨大化したちほですね。

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