外道の歌2巻ネタバレ感想
外道の歌のネタバレと感想とあらすじと画像、漫画を無料で読める方法を紹介。
カモの過去が明らかになった第一巻。
なぜ復讐屋になったのか。彼にも悪を恨まなければやり切れ無い理由があった。
そして、また悪は誕生していく。
おぞましき自己防衛女
母子家庭の一人娘は、東京のいい大学に入ろうと勉強に励んでいた。
母親は仕事で忙しく、夕食を一人寂しくインスタントで済ませることも多かった。
毎日のように深夜まで勉強を続けたおかげか、志望大学に合格することができた。
大勢の大学生の例に漏れず、飲み会やサークル活動に明け暮れるものの、就職先はそのまま東京の企業に採用された。
しかし、理想的な人生を歩み出した彼女は、地元の後輩が地元で就職した話を聞くと、ナチュラルに見下す嫌な女に成り下がっていた。
著者名:渡邊ダイスケ 引用元:外道の歌2巻
やがて付き合っていた男と結婚、妊娠、出産とありふれた人生を歩み出す。
出産直後、我が子が傍で泣いているというのに、SNSに投稿するのを優先していた。
子供はすくすく成長し、幼稚園に入れることにした。
保護者がグループを作り交代で送り迎えをすることになり、初めて会うママ達と挨拶を交わしていく。
しかし顔はにこやかなものの「どうも」という、およそ挨拶とは言えない挨拶に他のママは眉をひそめる。
ママ達の誘いを断りそそくさと帰るやいなや、何駅も離れたスーパーでバイトを始める。
夫はプロポーズ時に、起業するからついて来て欲しいと豪勢なことを言っていたが、今は右肩下がりの経済事情に陥っていた。
一人娘には、みじめな思いを味わって欲しくない。そんな誰にでもある親心は、徐々に歪み始めていた。
著者名:渡邊ダイスケ 引用元:外道の歌2巻
次第にママ友の態度は冷たくなり、娘さえも友達同士の交流に誘ってもらえなくなっていった。
自分の態度を省みようという考えは露ほども浮かばず、怒りは逆恨みとなって膨れあがる。
ママ友のリーダー格と自分の娘を車で送っていた時、かくれんぼでもしようかと唆し、山奥へと車を走らせていく。
自分の娘を車内に残し、憎い女の娘ははしゃぎながら木々を分け入っていく。
女は白い紐を持って、幼女の後を追いかける。
薄暗い木立の間に隠れていた幼女を見つけた女は、何の罪もない命に手をかけた。
著者名:渡邊ダイスケ 引用元:外道の歌2巻
女はあっさりと逮捕された。
彼女の半生がワイドショーで取り沙汰され、好き勝手な見解を述べるコメンテーターたち。
聞き飽きた心神耗弱という診断が下され、身勝手で残忍な犯行にも関わらず医療刑務所送りとなった。
著者名:渡邊ダイスケ 引用元:外道の歌2巻
8年後に出所した女。
娘を殺された母親は、知人から知人へと渡り歩いて女の居所を突き止め、カモたちに依頼した。
夜に一人でトイレにも行けなかった幼い娘。
薄暗い山の中で殺された時の恐怖を思うと、悲しみと怒りでどうにかなりそうだった。
著者名:渡邊ダイスケ 引用元:外道の歌2巻
どこにでもある寂れたアパートの一室に女は住んでいた。
カモとトラが忍び込んでも、女は一切抵抗せず、されるがままだった。
娘とは事件以来10年以上会っておらず、拘束された状況になっても取り乱すことなく「殺せ」と掠れた声で呟くばかり。
その時、車の中から見ていた母親が飛び出してきた。
息を荒げ、平手打ちをし、恨みの言葉を浴びせかける。
それでも女は死にたいと漏らすだけ。手首には無数の傷痕が見て取れた。
その言葉を聞いた母親は、「同じ苦しみを知らない他人が、憎しみは憎しみしか生まない。
死んだ娘はそんなことを望んでいないだとか言う、ありきたりな言葉を言われ続けてきた」と話し出した。
でも、何を言われても許すことはできない。
するとカモは、許せない人間だっていてもいい、と言葉をかけた。
母親は女を殺すことじゃなく生かすことが復讐になると思い、依頼を取り下げた。
著者名:渡邊ダイスケ 引用元:外道の歌2巻
二人は、母親の姿に自分を重ねて見ていた。
感想
外道の歌2巻でした。
1巻は号泣ものでしたが、今回は今までと違う胸糞の悪さでした。元々他人を蔑む心を持っていたのが、理想の生活から乖離することで攻撃性に変わってしまったんですね。
心神耗弱って、本当に加害者に有利な詭弁だと思います。法律が更生に偏っているのは、あまりにやるせない。
園田編も収録されています。