虐殺ハッピーエンド1巻
ネタバレ感想
虐殺ハッピーエンド1巻のネタバレと感想と画像、漫画を無料で読める方法を紹介。
究極のデスゲーム「シグナル100」の原作者、宮月新の最新作。
病気の妹のために、日夜バイトに明け暮れている高校生の草壁真琴。
しかし、健気に頑張っていた彼に人生最悪の一ヶ月が始まってしまう。
始まりの一日目
7月10日。
真琴の一日はまだ陽の昇らない暗い時間から始まる。
新聞をバイクに積み込んでメットを被り、何かとよくしてくれている社長夫婦に出かけの挨拶をして静かな町に走り出すのがいつものことだった。
ただその日は、朝から年上の同僚の脇田に絡まれて嫌な始まりだった。
ガラが悪く、女を道具扱いしてドラッグもやっているようなクズ野郎で、年下など関係なく金をせびってくるうだつの上がらない男だった。
配達が終わって学校に向かう途中、幼馴染みで年上の弥生が声をかけてきた。
同じ高校に通っている彼女は、真琴の妹の詩織が入院してあまりよくない状態なのを気にかけてくれるが、彼は誰にも頼らず、自分の努力で妹を助けるんだと誓っていた。
著者名:向浦宏和 引用元:虐殺ハッピーエンド1巻
しかし、詩織は長くて二ヶ月と宣告されていた。
それも適合するドナーが見つかれば大丈夫なのだが、そればっかりは彼の努力でどうにかなる問題ではなかった。
頼れるのは自分のみ。
父親は一日中飲んだくれていて、帰ってみれば、詩織の入院費に手をつけて豪勢な出前を取って同じクズ仲間の男たちと酒盛りをしていた。
父親は自分の娘がどうなろうと知ったことじゃなく、どうせ死ぬんだろ?と、真琴に向かって酷い言葉を投げつけ、怒る彼に対しても暴力を振るうどうしようもない毒親だった。
彼は家を飛び出して近くの神社に駆け込んだ。
毎日必死に頑張っても報われないどころか邪魔をされる。
絶望しかない未来なら、もう自分と詩織に明日なんて来なければいいと、いるとも思っていない神に向かって叫んだ。
著者名:向浦宏和 引用元:虐殺ハッピーエンド1巻
するとその後、他のバイト先では余った弁当がもらえたし、詩織に適合するドナーが見つかったと連絡が入った。
翌日、喜び勇んで配達所に行くと脇田が昨日と同じ台詞で絡んできた。
さらに新聞の日付が昨日のままになっていた。
だが、社長に伝えても間違っていないと言い返されてしまうし、脇田も同じことを話した覚えはないとキレられた。
そして学校帰りに病院に寄ってみると、ドナーなんて見つかっていないと言うのだ。
7月10日は昨日だったはずなのに・・・
訳が分からないでいると詩織の容態が昨日より悪くなっていた。
そして夜のバイトの帰りに、またドナーが見つかったと病院から連絡が来た。
7月10日を繰り返している可能性を考えたが、そんなことがあるわけないと頭を振った。
著者名:向浦宏和 引用元:虐殺ハッピーエンド1巻
だが一応念のため、日付が変わる瞬間にしっかり目を見開いて部屋で様子を窺っていると、日付が変わった瞬間、全てが一瞬で戻ったのだ。
もらったはずの弁当が消え、シャツの位置が変わり、スマホの日付も10日に戻っていた。
ただ、記憶だけが継続されていた。
そして、詩織だけが同じように時間が継続しているようで、徐々に容態が悪くなっていたのだった。
あの神社で無茶なお願いをしたせいなのか。
せっかくドナーが見つかって希望が見えてきたところで神様にまでこんな仕打ちをされたんじゃ本当にどうしようもない。
彼が賽銭箱の前で頭を抱えていると、そこに脇田がやってきた。
すると賽銭ドロボーだとか言ってまた絡み出し、父親に取られないように持っていた入院費を奪われてしまった。
そこで我慢の限界を超えた彼は、近くにあった石を掴んで脇田の頭に叩きつけ、勢い余って殺してしまうのだった。
著者名:向浦宏和 引用元:虐殺ハッピーエンド1巻
彼は逃げた。怯えた。
しかし、どうせまた昨日に戻るんだと言い聞かせて震える夜を過ごした。
だが、11日はやってきた。
神社で脇田の死体が発見されていて、警察が捜査を始めていたのだ。
そしていつの間にか、真琴の手に一枚の紙片が握らされていた。
それは神様からのお告げが書かれたおみくじで、憎き者を一人殺せば明日に進めると書かれてあった。