弁当大作戦

忍び続けてまごまごしているうちに、チヨに最大のライバルが現れた。

 

嬉しそうにワタルに見事なバンバンジーお弁当を作ってきたその子は、同じクラスの花咲美優で、才色兼備でおっとりタイプの人気者。

著者名:設楽清人 引用元:忍ぶな!チヨちゃん

 

 

彼が苦手なのだろうたまねぎを使わず、油も控えめにしてあるらしく、その抜かりない気遣いも相まって、きっと彼もドキドキでお昼が楽しみなことだろう。

 

 

毎日大変じゃない?

いつも綺麗に食べてくれるから張り切っちゃうんだよね。

 

なんて甘酸っぱい会話を聞かされたチヨは落ち込みに落ち込むが、今こそ鍛錬を重ねた忍びの技術で人知れず事を起こすしかないと決めた。

 

 

今は授業中。

だが、お昼まで残り1時間であまり猶予がない。

 

チヨは前の席の居眠り中の男子に自分そっくりのカツラを音もなく被せて擬態させ、床下と下の階の天上に仕掛けた装置を作動させて、落とし穴に自ら落ちた。

著者名:設楽清人 引用元:忍ぶな!チヨちゃん

 

 

教室の真下は調理室

 

そう、美優を亡き者にするような物騒な考えではなく、お弁当にはお弁当で挑み、正攻法で彼の胃袋を握り返してやろうと考えたのだ。

 

 

 

しかし、チヨ自身、料理はからっきしだと自覚していた。

 

 

料理のりの字も覚えのない彼女は、それでも秘策を使えば勝機はあると考えていた。

 

そしてあれよあれよと言う間に純白のウェディングドレスを着て、ワタルと式を挙げている未来まで想像するほど、自信を漲らせた。

著者名:設楽清人 引用元:忍ぶな!チヨちゃん

 

 

果たして、どんな術を用いて彼が満足するであろうお弁当を作るつもりなのだろうか?

 

 

ワタルメイト

ワタルはサッカー部のエースで、チヨ以外にも彼に熱を上げている女の子たちは少なくなかった。

 

彼がディフェンスをごぼう抜きにしてゴールを決めれば、女の子たちから黄色い歓声が湧き起こるが、その集団の声を掻き消すほどの喜びの声がどこからか聞こえてきた。

 

観衆は大きすぎる声に驚くが、声の主はどこにも見当たらない。

 

それもそのはず、ちゃんと大きい声も出せるチヨは、建物の屋根の上の特等席で観ていて、思わず大声を出した直後に、すぐに隠れていたのだ。

著者名:設楽清人 引用元:忍ぶな!チヨちゃん

 

 

何mも下の地面では女子たちがキャーキャー言いながらワタルの凄いところで盛り上がっていて、チヨも屋根の上でウンウンと頷き楽しさを勝手に共有。

 

 

自分が知っている彼の情報を教えてあげたいが、やはり輪に入る事はできず、興奮が冷めると寂しさを感じずにはいられない。

 

 

すると、数人で盛り上がっている女子たちに、ちんちくりんの眼鏡っ子が声をかけた。

著者名:設楽清人 引用元:忍ぶな!チヨちゃん

 

 

タマミと名乗った眼鏡っ子は、ワタルの身長・体重・血液型なんて基本中の基本は知ってて当たり前で、自分はプロのワタルメイトだと危ないことを話し始めた。

 

手に持っているノートは、長い時間をかけて集めたワタル情報らしく、なんなら私がワタルくんについて教えてあげると、これでもかと上から目線の提案をする。

 

 

もちろんイラっとしたワタルファンたち。

 

何か言い負かせないかと考え、ワタルくんと喋ったことはあるの?と訊いてみた。

 

それは未経験だったタマミ。

 

ワタルファンたちは何でもない挨拶程度ならあるので、形勢逆転。

 

 

話した事もないくせにと、似たり寄ったりな境遇で優位に立ちつつ、でか眼鏡のイモ女には彼も興味なんか持たないよと吐き捨て、THE嫌な女たち印象づけて去っていった。

 

 

 

同じようなストーカー仲間の存在を知ったチヨ。

 

果たして忍ぶ彼女と、素直じゃない性格のタマミに、友情は生まれるのだろうか?

 

 

感想

忍ぶな!チヨちゃん1巻でした。
面白度☆7 可愛い度☆9

戦国時代の暗殺集団風の忍者ではないので、シンプルなラブコメとして楽しめました。

チヨの不器用で健気なところが可愛いですし、絵柄も好きな感じで、君届のように擦れ違うところがじれったくておもしろくなりそうです。

そう思いつつ、1巻のうちに多少進展しますし、新キャラも増えていくので、2巻は大きな波乱が起こりそうな予感がします。