弟の藍の高校でバザーが開かれ、広洋はすぐに飛びついて高値で売れるだろう写真を格安で叩き売りしていた。

沙羅も描いた絵を一枚1000円という謙虚な値段で並べていたが、広洋にこの絵を今日買った人は将来食うに困らないと褒めちぎられ、素直に喜びを表していた。

 

懐かしい教室にいた彼女を見つけると、海外に行くチャンスを逃す手はないと諭した。

廉に釘を差されたからと言うより、親代わりとして家族の均衡と絆を守ってきた兄の心配する気持ちも十分に理解できたし、何より彼女の夢を応援したかった。

著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド2巻

 

しかし、彼女が答える前に広洋がやってきた。

 

二人の関係を悟っていた彼は、会わない何年かの間にみことの何が変わったのか訊ねたが、本人がいる前で言えるはずもなかった

 

 

それから後日、末期の肝臓ガンで死期が近づいている女性を運び、旦那さんにちゃんと検査をするようアドバイスをした。

その通り検査をしてガンが見つかったが、旦那さんは妻がいなくなるのと同じくらい絶望した顔が見たくなくて、本人にも子供にも話せないと漏らした

著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド2巻

 

 

 

大切な人が死ぬのを本人にも家族にも告げられない。

そんな時はどするのが正しいのか広洋に相談すると、彼はどっちでもいいと答えた。

 

いつ死ぬかは関係なく、大切なら今すぐに大切にしてあげればいいんだと。

 

 

みことは沙羅からの交換ノートの返事を読んで、廉を灯台に呼び出した。

 

花巻家に無邪気な明るさをプラスしてくれた広洋の言葉が胸に刺さり、来年の夏に沙羅が死ぬことを、最初に兄に打ち明けたのだった。

著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド2巻

 

他人の死期が見えること、沙羅が死ぬことを正直に話した。

 

もちろん廉は信用せず性質の悪い冗談としか受け取らないのは分かっていたし、実際そうだった。

だから、知り得るはずのない未来を予知した。

 

兄が勤める病院の入院患者が間もなく死に、その際に旦那さんがかける言葉と、祈りに来てくれる神父の足が悪いことを伝えてその場は引き下がった。

 

 

その日の深夜勤務で、果たして廉はみことに告げられた通りの事を体験し、驚愕すると共に信じない訳にはいかなくなった。

 

時間を見計らってみことは様子を見に行き、再び沙羅が死ぬ未来を告げた。

殴られる覚悟をしたが、家族を支えてきた兄は、ただ涙を流した

著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド2巻

 

 

帰りは二人で飲んだ。

 

廉は事実を受け入れ、沙羅を救える可能性があるにしろないにしろ、本人に隠し通すことだけを約束させ、後は好きなようにしろと言った。

 

妹が近く死ぬ未来の辛さと、人の死をずっと間近に感じてきた弟の辛さが一気に襲いかかってきたが、兄として最後まで見守る姿勢を貫こうとしていた。

 

 

その矢先、家の近所から救急要請があり到着すると、呼んだのは沙羅だった。

その家に住んでいたのはよく知っている人で、お裾分けに行って倒れているのを見つけたらしい。

身内が近くにいないそのおじいちゃんの代わりに彼女が付き添ったが、見えたビジョンは彼女が泣いている姿だった。

 

仕事が終わり、泣いている彼女と一緒に家路を辿り始めた。

亡くなったばかりのおじいちゃんとの思い出を話していた途中で、彼女は振り返って知るはずのない自分の未来を知っている事を打ち明けた

 

あの日、みことと廉が灯台の上で話しているのを、シロの散歩のついでに立ち寄った彼女は、自分が死ぬことを聞いてしまったのだった。

 

ずっとみことの言うことを信じ続けてきた彼女は、そんな突拍子もない話でも疑っていなかったが、確認せずにはいられなかった。

 

私、死ぬの?

著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド2巻

 

嘘はつけなかった。

 

そうだよ

それしか言えなかったし、励ますことも何もできなかった。

 

なのに彼女は死を恐れる前に、彼が苦しんできただろうことを心配した

謝る必要のない彼女が謝り、彼はまだ何も言葉をかけられなかった。

著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド2巻

 

 

こんな時でも他人を思いやる。

 

残された時間の長さよりも、お互いにどう生きるか、どんな関係でいるか

それを一番優先したいと思った彼は、人生で一番の決断をした。

 

 

感想

4分間のマリーゴールド2巻でした。
面白度☆8 泣ける度☆9

さらーっと読むより、文章を考えながら読み返した時の方が泣けてきました。

この漫画の世間の認知度は分かりませんが、私の中ではシンプルにとても良い作品です。

沙羅はみことの言葉を疑っていないはずなのに、その強さはどこからくるのか。いや、見えないところで震えているかも知れません。

でも、できるならどんでん返しを期待したい。

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