ノイズnoise1話ネタバレ感想
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「予告犯」や「有害都市」などの話題作を作り上げた筒井哲也最新作。
イチジク栽培で一躍有名になったとある山村に、得体の知れない男が仕事を求めてやってきた。
明らかに怪しく、真っ当な人間には思えないその男。
にわかに活気づいてきたその村で、果たして何が起こるのだろうか・・・
1話
名古屋から車で2時間の自然に囲まれた猪狩町では、日本全国の山村の例に漏れず高齢化と過疎化が進んでいた。
しかし、その村出身の泉圭太が黒いイチジクの栽培に成功したことにより、それがふるさと納税の返礼品に指定されて注目され、有名ユーチューバーが配信動画で紹介してくれたおかげで一気に知名度が広がり、全国から注文が相次いで村は活気付き始めていた。
その収入で町役場が改装され、次は図書館を作る計画が持ち上がっていた。
その一連の町おこし成功の流れがテレビでも紹介され、村民の老人たちも若者のおかげで村が有名になったことに喜んでいた。
著者名:筒井哲也 引用元:グランドジャンプ2018年1号
泉農園代表の圭太は、その放送を観ることもなく、大きな木の枝にお手製のブランコを取り付けていた。
著者名:筒井哲也 引用元:グランドジャンプ2018年1号
それを手伝っていた田辺純は圭太の友達で、農業手伝いで生活していて2歳年下だった。
著者名:筒井哲也 引用元:グランドジャンプ2018年1号
90kg近くある純が乗ってもその平気なブランコは、圭太の娘のエリナのために作ったものだった。
うまく作れたのはいいが、圭太は図書館よりも先に小学校の建て直しを優先して欲しいと思っていた。
圭太が枝に座って見慣れた景色を眺めていると、道端に置いてある無人販売所の傍に見知らぬ男が立っていて自分たちのイチジクを食っているのが見えた。
著者名:筒井哲也 引用元:グランドジャンプ2018年1号
男は料金箱に金を入れずに食べ、また箱を振って中で硬貨の音がすると、律儀に払っている奴がいることをバカにした。
その直後に圭太が愛想よく声をかけると、男は農園の求人チラシを見て来た鈴木睦雄だと名乗った。
その名前に、純は聞き覚えがあるような気がした。
鈴木は金を入れたと明るく笑うが、圭太たちはそれが嘘だと分かっていた。
なぜなら、料金箱は硬貨を入れると中に仕掛けた鈴が鳴るようにしてあるので、その高い音が見える位置にいた二人に聴こえないはずはなかった。
その仕掛けを作ったのは、工作が得意なエリナだった。
それを指摘しても、鈴木はふてぶてしく認めようとしない。
著者名:筒井哲也 引用元:グランドジャンプ2018年1号
分が悪いと思ったのか、仕事の話に切り替え、肉体労働には自信があるところを見せようと、鍛え上げられた腕を見せて来た。
腕に注射痕や刺青はない。
免許証を見せてもらったが、偽造のようには見えない。
すると鈴木は、お土産だといって鹿のジャーキーを差し出して来た。
しかし、冬の間は猟師もしている二人からしてみれば、その肉はどう見ても粗悪品だったし、本当は何の肉かと訊くと、またふてぶてしく仕事の件を催促してきた。
著者名:筒井哲也 引用元:グランドジャンプ2018年1号
そこで純は鹿の英語のスペルをスマホで圭太に見せるフリをして、この鈴木と名乗る男を刺激しないように追い返せと伝え、その場は体よく追い払った。
純は睦雄をいう名前を聞いてすぐに調べていた。
鈴木の本当の名前を小御坂睦雄といって、14年前に名古屋で起きたストーカー殺人事件の犯人で、散々ストーカーしたあげくにバラバラにして殺した凶悪犯だった。
著者名:筒井哲也 引用元:グランドジャンプ2018年1号
18年の実刑判決を受けながら、13年目の今、社会に出て来たということは、刑務所内では模範囚だったといえる。
しかし、逮捕直前の映像では恋人を殺された被害者面をし、さっきは盗み食いをして平気で嘘を吐いていた。
つまり、何も反省していないし更正もしていないのだった。
どうしてこんな山村にいるのかはわからないが、また何かしようとしているなら自分の身は自分で守らなければならないと言って、純は猟銃を圭太に見せた。
著者名:筒井哲也 引用元:グランドジャンプ2018年1号
それはそれとして、鈴木の存在を警察にも報告することにした。
この村の警察は駐在所に詰める一人の警官だけだった。
新任が入って来たばかりだったが、どうも頼りなさそうな守屋真一郎という若い男になる予定だった。
前任は岡崎正という初老の男で、引継ぎの真っ最中だった。
この村の警官の仕事は、基本的に轢き殺された動物の処理が多く、うまくやるには住民の家庭事情を把握して不用意な発言はしない方がいいと忠告していた。
例えば、イチジク栽培で村を潤している圭太は、娘の教育問題で妻と意見が合わず、協議離婚を進めている最中だと教え、村が閉鎖的な物である以上、均衡を保つために忖度することが大切だと伝えた。
著者名:筒井哲也 引用元:グランドジャンプ2018年1号
その頃、愛知県警刑事部に、家族が失踪しているかもしれないので調べて欲しいという相談が持ち込まれていた。
相談者は鈴木景子という中年の女性で、連絡がつかないのは賢治という72歳の父親だった。
著者名:筒井哲也 引用元:グランドジャンプ2018年1号
認知症等の傾向はなく、普段からスマホのアプリで連絡を取り合うほどしっかりしていた。
しかし、1週間前、突然「旅に出る」というメッセージの後に普段使わないスタンプを使って来たので不審に思い、「シロの世話はどうしたらいいの?」と返信した。
すると「お前に任せるわ」と返ってきた。
シロという犬も猫も一切飼っていなかった。
指紋認証でロック設定をしているはずなので、何者かが何らかの方法で解除し、探されないように嘘のメッセージを送った疑いが濃厚だった。
賢治は警察のOBで、退職後はボランティアで保護司の活動をしていた。
すると先月、10年以上の長期刑を受けている男が仮釈放されるのだが、珍しい苗字で今後の生活に支障が出るから、養子縁組してどこにでもいる鈴木姓に変えてやりたいと言われたのだった。
話を聞いた畠山は、その受刑者がすぐに小御坂睦雄だと思い至った。
著者名:筒井哲也 引用元:グランドジャンプ2018年1号
感想
ノイズ1話でした。
これはめちゃくちゃおもしろくなりそうです。
にわかに活気付く村を邪魔するように現れた更正していない凶悪犯罪者。犯罪内容から女性を狙うのが予想できます。過疎化が進んでいる村ですから、ターゲットは自ずと絞られてくるんでしょう。
山村を舞台にしたリアルサスペンスを、これからも追っていきたいと思います。