煉獄女子4巻
ネタバレ感想
煉獄女子の漫画最新話と最終回、最終話、最新刊、ネタバレ、感想、あらすじ、エログロ画像、結末、無料で読む方法を紹介。
瀬尾霧恵の周りで次々に起こる事件。
彼女は無実で親友だと信じたい詩音はしかし、密かに進む愛憎の動きにまだ気づいていなかった。
16話
霧恵は警察の監視を掻い潜り、約束通りに詩音の家に泊まりに行った。
霧恵はあえて切り身ではなく一匹丸々の魚を持参し、詩音に下ろさせようとした。
習ったことがないという詩音に手取り足取り優しく背後から手を添えてあげながらも、憎しみを込めて一気に頭を斬り落とすのだとアドバイスし、出刃包丁を強く押し付けさせた。
直後、水道の検針員が訪ねて来たので、手が血で汚れている詩音の代わりに霧恵が応対に出た。
検針員が来て程なく、警察が指名手配のポスターを持って訪ねてきた。
追われている殺人犯の顔を見た詩音は、あの嫌な夢に出てくる女と似てる気がして嫌な予感を感じるが、そんな彼女の不安を霧恵は包み込んだ。
霧恵の監視をしていた警察の羽賀たちも署に引き上げようとしていた時、真壁の娘のさくらから父と連絡が取れないことを心配して電話がかかってきた。
そして羽賀は署に戻り、帆場愛子が指名手配されているのを知り、真壁と誰も連絡が取れていないことを結び付け、すぐに彼がいるはずの現場に急行した。
ビルの地下から煙が触れ出し、現場は騒然としていた。
羽賀が駆けつける前に真壁は雁谷を抱えて自力で脱出したが、全身大火傷を負っていて、地上に出た途端に意識を失い倒れてしまうのだった。
羽賀がICUに運ばれた全身包帯尽くめの真壁と思われる男を廊下から見守っていると、医師から患者が持っていたらしい一つの鍵を渡された。
まさかと思いつつ、真壁の家に行って玄関に鍵を挿し込むと、あっけなく回ってしまう。
喜び勇んで玄関まで出てきたさくらには真実を明かせず、顔を見ただけですぐその場から立ち去った。
誰が真壁をあんな目に遭わせたのか?
考えても答えが出ないでいると、阿部からの電話で、今夜霧恵が詩音の家に泊まりに行っていると知らされた。
霧恵が監視の目をすり抜けた可能性を考え、浦辺善弥に連絡しているその時、酒を飲まされた詩音は深い眠りに落ちていた。
17話
浦辺家に急行した羽賀は周辺待機していた警官に詩音を保護するよう訴えるが、それには鳥羽殺害事件の重要参考人であり、詩音と血の繋がりのある霧恵の存在を伝えなければならない。
だが霧恵が怪しいと睨んでいるのは真壁と自分だけで、警察内と言えどおいそれと個人情報を明かすわけにはいかないという原則が邪魔をしてしまう。
どうにか詩音の安否確認だけを頼んだ直後、本部から真壁が銃を持って出て行ったらしいことを知らされる。
一方連絡を受けた善弥は、ホテルに泊まる予定を変えて自宅へと急いでいた。
2人も殺して逃走中の帆場愛子が自分のところに来るかも知れないと思うと怖かったが、精神病院を転院転院でやがて廃人になるはずがそうならず、実際に恨みを晴らしに来たとしたら、今度こそ刑務所行きで一生塀の中になるはず。
そう考えると怯えなくて良くなり、むしろ来て欲しいとさえ思えた。
家に着いた善弥は自分の我がままで世話をかけている警護の警官にもぞんざいな態度で接し、相変わらず自己中な性格を発揮するが、チャイムを押しても娘が出てこないので、さすがに心配になり、警官と一緒に家の中に入った。
ただ詩音は自室でゆっくり眠っているだけだった。
安心した善弥もベッドに入った。
すると、帆場愛子のことを考えていたせいか、彼女と狭い部屋で一緒に暮らしていた時のことを思い出した。
具合を悪くした彼を、愛子が甲斐甲斐しく世話をしていた日常のワンシーン。
しかし、熱を測ってくれようとした愛子が急に霧恵に変わり、善弥は悪夢から目が覚めた。
愛子と娘の友達がどこか似ていると思った善弥が反射的に身体を起こして落ち着こうとしたその時、いつからいたのか、全裸の女が寝室の中に立っているのに気づいた。
18話
善弥の望み通り、いつの間にか家の中に入り込んでいたのは逃走中の帆場愛子だった。
驚く善弥に襲いかかった愛子は包丁を振り下ろしたが、あえて顔の真横の枕に突き立て、久しぶりに再会できた喜びと寂しさを伝えた。
そして、こけた頬で笑みを作り、これからはずっと一緒だと宣告した。
善弥は咄嗟に突き飛ばして寝室から逃げ出し、階下に向かって走った。
階段途中でさっきの警官がいるので助けてもらおうと肩に手をかけた。
直後、首と胴体が離れてしまうのだった。
警官二人はあっさり殺され、首を吊られており、後ろの壁にはメッセージが残されていた。
電話回線も切られていて助けも呼べず、ゆっくり降りて来た愛子に恐怖した善弥はシンクの陰に隠れ、容易く殺された警官を心中で罵りながら、返り討ちにするための武器を探し、包丁を手に取った。
だが音に気づかれ、近づいてこられるとやはり怖くて震えが止まらなくなる。
それでも余裕たっぷりで話しかけながら近づいてきたところを飛び出し、意外とあっけなく腹部を突き刺して返り討ちに成功したのだった。
だが、薄暗い中、声をシルエットを頼りに飛び出したのが間違いだった。
善弥が刺したのはカツラを被らされた妻の直美だった。
銃で脅され口を塞がれた直美は訳が分からないまま、夫に刺し殺されてしまったのだった。
19話
茫然とした善弥は蘇生を試みるが、もう手遅れだった。
自分から愛する人を奪ったメスネコを殺させる作戦を成功させた愛子はほくそ笑み、放心する善弥に顔を近づけ囁いた。
これからは3人、この家でずっと一緒だと。
目を覚ました詩音は、霧恵にワインを勧められて飲んだところまで思い出し、廊下に出た。
なぜか電気がつかない理由も分からないし、スマホをどこに置いたのかも思い出せないまま、霧恵を探して真っ暗な家の中を進んでいく。
不幸中の幸いか無残に殺された警官二人には気づかずにキッチンに入り、ロングヘアーのシルエットから霧恵だと思って安心したのも束の間、また理解できない状況に言葉を失った。
血塗れの母の前で放心している父と、父に抱きついている全裸の女。
意味が分からないなりに真っ先に倒れている母に縋りついて呼びかけると、愛子はさもおかしそうに笑いながら、直美がここにいる理由を暴露した。
詩音のスマホを使い、父がおかしいと嘘のメールで呼び出したのだと。
そして舌を出して夫に殺されたのだと煽った。
衝撃の答えに詩音があっけにとられていると、愛子は包丁を拾い、もう一人邪魔な詩音を殺すべく立ち上がった。
直後、我に返った善弥は愛子の腕を掴んで止め、詩音に逃げろと叫んだ。
その瞬間、ずっと苦手に思っていた父からの愛情を感じられた詩音だったが、愛子は彼にも躊躇わずに包丁を振るい、片目を切り裂いた。
悲鳴を上げる父を放っておけず詩音は駆け寄ってしまい、あえなく愛子に捕まってしまう。
まさか善弥に邪魔されると思っていなかった愛子は驚きつつ、詩音をこんなのと呼んで、彼への恨みを吐き出した。
出世のために結婚し、子供を作り、自分たちを捨てた。
ただその罪は、出世のために結婚した女を殺したから許すという。
それでも愛子は直美に似ている詩音の存在を許せず、顔を引き裂いて殺そうとした。
しかしその前に、愛子の頭が吹き飛んだ。
顔色一つ変えずに銃口を愛子に向けていたのは霧恵だった。
人一人殺した霧恵はいつもの調子で淡々と銃を置くと、善弥を心配して声をかけ、彼の前に屈んでこんな時に初対面の挨拶をし始めた。
自分は帆場霧恵という名前で、あなたの娘だと。
そう白状しながら、善弥の腹に包丁を突き刺した。
霧恵は一人だけ取り残されたままの詩音を振り返り、自分たちの関係や本当の気持ちを打ち明けていった。
そして全ては、最終話20話で決着がつく…
感想
煉獄女子4巻にて完結です。
面白度☆8 逆恨み計画度☆8
子は親の背中を見て育つ分かりやすい例が描かれた漫画でした。
根本的に善弥の人でなしが招いた悲劇でしたが、メンヘラ過ぎた愛子も他人と穏やかな家庭を作れるタイプじゃないですね。
室井さんは前作の屍囚獄も面白かったので、次回作も楽しみです。