進撃の巨人86話ネタバレ感想

シガンシナ区の生家に辿り着いたエレンとミカサ。父グリシャが託した言葉に導かれて、地下室で見つけたのは数冊の本と一葉の写真だった。

壁の中にはない技術に驚いたのも束の間、それは壁の外の技術で作られたものだというグリシャの言葉を読む。

彼が語る世界の真実とは・・・

 

 

第86話 あの日

グリシャが残した本の中には、彼が子供の頃に経験した残酷な出来事と、そこから生まれた決意に関することが記されていた。

 

町の上空に飛行船が通る日だった。空高くを進む飛行船を、妹のフェイは羨ましそうに見つめていた。いつか乗りたいなと叶うことのない夢を語るフェイ。そのうち、壁を越えて飛行船は姿を消していった。

著者名:諌山創 引用元:進撃の巨人21巻

 

 

名残惜しそうにしている妹を見て、もっと見せたやりたくなったグリシャは、壁の外に出てはならない言いつけを破って、妹の手を引いて外に飛び出してしまった。川沿いの土手に登ると見える発着場に、丁度着陸しているところだった。

 

そこに、仕事をサボっていたマーレ当局の人間もいて、見咎められてしまう。外出許可証はもちろんなく、仕方なく制裁を受けるしかなかった。妹の分も制裁を受けてかすむ意識の中、彼女がどこかに連れて行かれるのを見た

著者名:諌山創 引用元:進撃の巨人21巻

 

 

馬鹿なことをしたと思ったのは、その翌日のことだった。妹の分も制裁を受けたのは当然だと思ったが、彼女は翌日、川辺で冷たくなって発見されたのだ。

著者名:諌山創 引用元:進撃の巨人21巻

 

 

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妹が死んで発見されたことについて、妹を連れて行った当局の人間が家に説明しに来た。それは、我が家の監督不行届けをただ詰るものであり、妹を門までは送ったという言葉は明らかに嘘に聞こえた。

泣き暮れる母。当局の言葉に媚びへつらう父。父に憎しみを覚える一方で、グリシャはどうしようもなく自分の愚かさを呪わずにはいられなかった。

著者名:諌山創 引用元:進撃の巨人21巻

 

 

 

父はグリシャに常識のように語られている歴史を改めて語って聞かせた。1820年前、エルディア人の祖先「ユミル・フリッツ」は悪魔と契約し、始祖の巨人の力を得た。ユミルは魂を九つに分け、彼女の死後は9体の巨人がマーレを滅ぼし、エルディアの繁栄を築いていった。

著者名:諌山創 引用元:進撃の巨人21巻

 

 

巨人の力を持つエルディア人は他種族を弾圧し、多くの民族を絶滅させていった。その一方、他種族の女を孕ませ、子孫を増やし続けていった。その血で塗れた歴史は1700年に及んだ。

だがマーレの生き残りが画策した内部工作によってエルディアに内戦が勃発し、徐々に弱体化していった。さらに七つの巨人の力をも奪い、80年前の大戦にマーレは勝利した。

フリッツ王は海に隔てられたパラディ島に多くの国民と共に逃げ込み、三重の壁を築いて平和を取り戻そうとした。だが、非マーレ派の国民は大陸に置き去りにされた。それがグリシャたちであった

 

 

そんな歴史を聞かされても、グリシャたちが虐げられていい理由にはならない。フェイが殺されたことに納得できるはずがない。父に怒りをぶつけても何も解決しないことだけが、唯一の収穫だった。妹の死で知ったのは、いや改めて思い出したのは、世界は残酷だという真実だけだった。

著者名:諌山創 引用元:進撃の巨人21巻

 

 

 

時は経ち、18歳になり父の診療所を当たり前のように継いで、張り合いのない毎日を過ごしていた時、ある日診療した男が、妹の死はマーレ当局の手によるものだと話し出した。その男はエルディア復権派の者だと名乗り、グリシャのマーレへの憎しみと医療従事者であることを知り、接触してきたのだった。妹の死の真相を知り、グリシャは復讐の想いを仲間の証である十字傷を刻むことで誓った。

著者名:諌山創 引用元:進撃の巨人21巻

 

 

 

フクロウと呼ばれる内通者は、復権派に武器や歴史文献を提供してくれた。教えられた歴史とは異なる文献に記された内容に、更に士気を高めていく。やがて王家の血を引く女性が仲間になった。

著者名:諌山創 引用元:進撃の巨人21巻

 

 

彼女とフクロウの情報により、フリッツ王が持ち去った始祖の巨人の力を手に入れれば、エルディア復権が適うのだと分かった。共通の目的を持ち、苦難に立ち向かううちにグリシャとダイナは距離を縮め、やがて結婚した。そして生まれたのがジークだった。

著者名:諌山創 引用元:進撃の巨人21巻

 

 

世の中の技術レベルは急速に上がっていった頃、エルディア復権派に転機が訪れた。マーレ政府がグリシャたち「ユミルの民」の中から、パラディ島に逃げたエルディア人を滅ぼすための戦士を集ったのだ。

 

フリッツ王が宣戦布告したので、来る戦いに備えてのことだと政府は発表したが、フクロウによれば急速な技術発展による資源の調達の為、パラディ島に目をつけたということだった。政府が所有する七つの巨人の力を使い、フリッツ王を刺激せずに秘密裏に始祖の巨人の力を奪うのがマーレの狙いだった。

著者名:諌山創 引用元:進撃の巨人21巻

 

 

5~7歳の男女が戦士になれる条件のため、ジークに希望を託した。それが間違いだったのかどうか分からない。エルディアの希望は繋がったが、多くのユミルの民が悲惨な未来を生きなければならなくなったのだから

著者名:諌山創 引用元:進撃の巨人21巻

 

 

感想

進撃の巨人86話でした。

ついに語られた世界の真実。なるほど、細かな関係性の謎がまた出てきて気になるところですね。彷徨う巨人となってからの人生はどうだったのか?ジーク、ライナー、アニ、ベルトルト達はマーレの思想なのか、エルディアの希望なのか?

ユミルはどうやって生まれたのか?87話が待ち遠しいです。

 

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