天国にいる父にも、どうか沙羅を助けて欲しいと願った。
ある日のこと、式場で倒れた花嫁が死ぬビジョンが見えた。

 

人生で一番幸せな日を最悪の日にしてなるものかと、彼はまたビジョンに抗おうとして、最善の処置をして病院まで搬送し、新郎を励まし続けた。

だがやはり、未来は変えられなかった。

 

 

彼は落ち込んだ時に小さい頃から来ている、廃駅に足を向けた。

 

人の死が見えるだけで、結局何もできない歯痒さに打ちひしがれていると、これもまた小さい頃から同じように沙羅が来てくれた。

 

彼が泣くと彼女はもっと泣いて、悲しみを紛らわせてくれるところも変わらなかった。

著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド1巻

 

 

 

後日、その時の新郎が署まで会いに来てくれた。

 

みことはビジョンのおかげで的確な処置ができたのだが、その能力を人に打ち明けたことはなく、今回もやはり助けられなかった事に変わりはなかった。

 

しかし、新郎はみことの懸命な処置への感謝を伝えたかっただけで、せめてウェディングドレスを着せてやれて良かったと言った。

 

 

 

みことは帰ってから、一年はかかる大作を描いているらしい沙羅に、「ウェディングドレスって着てみたい?」とさり気なく訊いた。

 

彼女は結婚願望はなくてもドレスは着てみたいと答え、ベッドのシーツをまとってそれらしくして見せた。

それだけで彼の胸は高鳴り、思わず涙が零れ落ちた。

 

彼女はそんな彼を見て、結婚の誓いを諳んじてからかってくる。

 

彼は溢れ出る愛しさに負けて彼女の腰に手を回し、顔を近づけた。

著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド1巻

 

 

だが、さすがに触れ合わせる事はできず、適当にごまかして逃げるように部屋を出た。

 

 

それから数日後、沙羅が絵画講師の仕事のあった日、激しい雨が降ってきたので非番だったみことが車で迎えに行った。

 

家に向かう間にもどんどん雨は激しくなり、ほとんど前が見えなくなったので路肩に止めて少し治まるのを待つことにした。

 

 

シートを倒し、懐かしい思い出話に花を咲かせ始めた時、近くで土砂崩れが起きたとラジオから流れてきた。

 

彼は救命士として様子だけでも見に行ってくると車から出て行くが、彼女はそれを必死に引き止めた。

 

誰かを助けるためにみことがもっと危ない目に遭うのは耐えられない。

姉として言ってるんじゃない!私は・・・ずっと・・・

著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド1巻

 

 

 

彼は沙羅の死の運命を知ってから、ずっと彼女のために何をしてあげられるかばかり考えていた。

だが、今やっと自分の本心が分かった。

 

彼女に触れ、気持ちを伝え、抱きしめたい。

 

俺もだよ

 

そう言って、彼は強く抱きしめた。

 

そして、沙羅とずっと先まで共に未来を過ごしたいという想いが止められなくなった。

著者名:キリエ 引用元:4分間のマリーゴールド1巻

 

 

感想

4分間のマリーゴールド1巻でした。
面白度☆8 やるせなさ度☆9

水彩画のようなタッチは味がありますね。縁側、花火にマリーゴールドなんてノスタルジックさあって、絵柄ともマッチしています。

最終話は4分間の意味と、次回に波乱が起きそうな展開になっていますので、2巻も読まずにはいられなくなるでしょう。

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