21話~25話

綾女は後攻を選び、栗霧が弾を込めた。

 

まさか女子高生が本物の銃を持っていないだろうと思いながら、五連装のどこに弾が込められていて、どの数字を指定すれば何回目にアウトになるのか考えた。

賭ケグルイ妄
著者名:柊裕一 引用元:賭ケグルイ妄2巻

 

例えば2回回すなら、2、4、1、3発目がアウトになる。

同じく、1~4、6~9を指定しても5発目以外はアウトになる。

つまり、指定する数字は実質5かそれ以外の数字で分けることができる。

ただし、5を指定すれば5発目以外はセーフになる。

 

だが、綾女はあえてを指定した。

そして栗霧は5回回し、撃鉄を引いてから自分のこめかみに銃口をあてがった。

賭ケグルイ妄
著者名:柊裕一 引用元:賭ケグルイ妄2巻

 

その直後、綾女は自分の思い違いに気づいた。

 

栗霧は次々とシリンダーを回して自分に向かって撃ち、結局全てセーフだった。

次、もし綾女がアウトになれば3億円を奪われてしまう。

 

綾女が気づいた思い違いとは、撃鉄を引いてもシリンダーが一回回る事を知らなかったことだった。

だから、5を指定すれば6回回ることになる。

 

だが綾女が始める前に、妄が本当に弾が入っているのか調べさせろと物言いをつけた。

弾を込める瞬間は見ていなかったと言われた栗霧はいちゃもんを黙らせるため、銃を渡さずに引き金を引いて一発撃ち、正真正銘本物の銃で弾が入っていた事を知らしめた。

賭ケグルイ妄
著者名:柊裕一 引用元:賭ケグルイ妄2巻

 

 

まさか本物だと思わなかった綾女は死ぬかも知れないのにこれ以上できないと拒否した。

すると栗霧たちはバカにしたように笑い、撃つ側は弾が出るかどうか分かるんだからさっさとヤレよと醜い素顔を見せてきた。

賭ケグルイ妄
著者名:柊裕一 引用元:賭ケグルイ妄2巻

 

 

もちろん生きるか死ぬかのギャンブルに妄はテンションが上がり、綾女の辞退を許そうとしなかった。

とは言え、命をかけられるはずもなく万が一を考えて綾女は突っぱねた。

 

このまま辞退で負けになったとしても撃てない。

そう言わせることが栗霧の狙いだった

 

だが妄は栗霧のイカサマなどどうでもよく、自分には撃てないという綾女を褒めた。

自分に撃てないなら、あたしに向かって撃つんだろ?と恍惚の表情を見せたのだ。

賭ケグルイ妄
著者名:柊裕一 引用元:賭ケグルイ妄2巻

 

 

もちろん綾女は否定し、他人に撃つ気もないと言い返したが、妄はシリンダーを思いっきり回してどこに弾が入っているか分からないようにし、これで弾が出るかどうかは運任せだから気兼ねするなと迫り、栗霧に指定の数字を催促した。

 

はっちゃける妄。

拒否する綾女はその時、栗霧が怒ったような顔をしているのに気づいた。

 

そして栗霧が1を指定してくると、さっきまで拒否していたのが嘘のようにあっさり受け入れた。

さすがに栗霧は焦り、5分の4で殺人者になるのに分かっているのかと問い質したが、綾女は汗一つかかずに「それが何か?」と返した。

 

そして妄のかけ声と共に、一発目が撃たれた。

賭ケグルイ妄
著者名:柊裕一 引用元:賭ケグルイ妄2巻

 

 

殺しだけはあってはならない。

そう思いながら見つめている栗霧をよそに、綾女は二発目も躊躇なく撃ち、セーフを引き当てた。