巻数目次

4話

それは今まで壮一が担っていた役目だった。

 

美輪子には心臓とそれを狩る者が必要なのだと言う。

 

 

広田を大量出血から救い、両足を繋げた事実を持ち出し、ちかを助けられるかは自分次第だと広田は迫られた。

 

 

 

街に出て人の流れを眺めていると、狩れという声と共に人々の顔が心臓に見えた。

 

それでも人殺し等とてもできる気がせず、頭を抱えてちかに謝るしかできなかった。

 

 

これも全て壮一と美輪子のせいだと思った時、偶然にもあの轢き逃げ犯の男を見かけ、もう一人この事態を引き起こした憎むべき相手がいることを思い出した。

 

その男を尾行し、事故車を隠したガレージの中に忍びこみ、あの時すぐに救急車を呼んでいれば助かったかも知れない事実を突きつけ、心臓を奪ってやろうと襲いかかった。

著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫1巻

 

 

しかし、責任を取り罪を償うべき男が相手でも、やはり人を殺す重圧には耐えられそうになかった。

 

 

5話

男は涙を流して謝り出した。

 

広田は首にかけていた手を離し、そこから出ようとした。

 

すると男が急に苦しみ出し、胸を押さえてもがき、程なく事切れた。

 

 

腕には広田がつけた引っ掻き傷があったが、心臓の持病があったのか広田が殺したのかは分かりようがなかった。

 

 

 

広田は自分のせいではないと言い聞かせ、死体を屋敷に運んで美輪子に差し出した。

 

新鮮な心臓を、と言ったはずだと彼女は咎めるが、最初の仕事なのを大目に見て、心臓を抉り出すよう指示した。

 

広田はこれ以上恐ろしいことをしたくなくて、何度目かの大声を上げて拒否しようとするが、それが彼女の癇に障ってしまい、唇を上下で縫い合わされた。

著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫1巻

 

 

そして無理やり腕を掴まれ、男の身体に抉り込まされて結局心臓を取り出すハメになった。

 

 

 

その直後、広田は気を失った。

 

美輪子は取り出したばかりの心臓をギュッと握り、気を失っている彼の口に血を流し込んだ

 

 

6話

翌朝になって目を覚ました広田は、自分の姿が元に戻っている事に気づいた。

 

カーテンの隙間から差し込む光にも肌は焼かれなかった。

 

テーブルにはちかの片腕と、美輪子の牙から抽出した液体が入った小瓶が置いてあった。

 

 

広田はまっすぐに病院に向かい、ちかに千切れた片腕をあてがい、そこに小瓶の液体を垂らした。

 

するとみるみる腕が繋がっていき、ちかの体がビクンと跳ねた。

 

 

ちかの両親がやって来たので隣のベッドスペースに隠れ、彼女が何事もなかったかのように目を覚まし、腕も完治しているのを見た両親が泣いて喜んだのを確認してから、病院を後にした。

 

 

そして自分の家にも帰り、今度は母親が泣いて喜ぶ姿を見て、広田も安心感から涙を流した。

 

 

 

それから何も知らないフリをしてちかのお見舞いに訪れた。

 

そこで逆にちかの方が広田が無事に戻ってきてくれたことを喜んでくれるので、彼も素直になり、もうこの手は放さないと応えた。

著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫1巻

 

 

それから飼い犬がもう懐かずにうなり声をあげてくるようになった変化も深く考えず、今までの日常が戻ってきたのだと思い込んだ。

 

 

7話

来週にちかが退院することが決まり、また一緒に放課後デートができることが楽しみになった。

 

その矢先の放課後の帰り道、なぜか急に髪がぼさぼさに白く変わり、肌もガサガサで爪が割れ、あの時の化け物じみた状態に戻ってしまった

 

そしてまた頭の中に「狩れ」の言葉が響き始めた。

 

 

訳が分からず近くの林の中に飛び込み、暗くなってもそこで蹲って震えていると、あの時の広田と同じように鎖を垂らし、布を被った男が現れた。

 

だらしない体型をしたその男の被りモノは、豚のような鼻がついていた。

著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫1巻

 

 

猪鼻はとにかく広田の主人が誰なのか訊くが、彼は一体なんのことを言っているのかさっぱり分からず、ただ混乱するばかりだった。

 

 

猪鼻は元々何かを話し合うつもりはなかったらしく、手のひらから変形させた骨を突き出し、それを武器にして襲いかかってきた。

 

 

広田はなすすべなく背中から貫かれ、上に裂かれて縦穴を開けられてしまう。

 

頭の中はちかと過ごすささやかな幸せに満たされていたが、顔を隠すために被ったビニール袋に開けた目の穴から、赤黒い血が流れ出していた。

 

 

8話

猪鼻が去ろうとした時、美輪子がどこからともなく現れた。

 

 

彼女は猪鼻がよく屋敷を観察している使い魔だと気づき、猪鼻は美輪子が屋敷から出て下界にいることに驚いた。

 

 

彼はもう逃げられないと諦め、一か八か勝負を挑んだ。

 

 

地中に骨を潜らせて進ませ、広田の体の下から突き出し、油断した美輪子の体を貫いた

 

胸に大穴が空き、心臓も確実に潰した。

 

 

下界ならば勝てるかも知れないと思ったのがうまくいき笑いが零れるが、彼女は胸の穴より下着がダメになった事を嘆いた。

著者名:佐藤洋寿 引用元:屍牙姫1巻

 

 

そして猪鼻の目の前にまで悠然と歩いて近づき、たるんだ腹に指を這わせた。

 

途端に猪鼻の胴体の肉がベロンと捲れ、背骨まで丸見えになった。

 

 

猪鼻が立っていられなくなり膝をついたときには、既に彼女の胸の穴はほぼ完治していた。

 

 

猪鼻は自分の伸びる腕を限界まで伸ばされて木の天辺に縛り付けられ、そのまま朝を迎えて朝日を全身に浴びた。

 

 

 

美輪子は広田を屋敷に連れ帰り、ただベッドに寝かせていた。

 

朝になる頃には彼の傷も塞がりかけていて、彼女が近づくと無意識に腕を変形させ、刃のような先端を彼女の首に突きつけた。

 

 

感想

屍牙姫1巻でした。
面白度☆8 グロ度☆7

アップになった時の歪な表情が魅力的だと思います。

ベースは吸血鬼もので、独自のアレンジを加えてて、なかなかおもしろい仕上がりでした。エロ、グロ、サスペンス、吸血鬼ならファンタジーとも言えますかね。

他にも始祖的キャラがいるようなので、登場が楽しみです。

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