瑞希

瑞希は人事課に呼び出されて命令違反の事情聴取を受けたものの、加藤の取り計らいで捜査一課の籍はそのままにされた。

しかしそれは、あくまで監視下に置いておくという意味しかないことを彼女も分かっていた。

 

謹慎を言い渡され、家の中で悶々と考えを巡らせながら何もできないでいる時、覚えのない誰かから宅配便が届いた。

おそるおそる中を確認すると、それは太いアンテナがついた古めかしい携帯電話だった。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±10巻

 

そして箱から出してすぐに非通知で電話がかかってきたので出てみると、相手は廣瀬だった。

 

それは戦場でも使われるような衛星電話で、彼女と秘密の話をするために彼が送ったものだった。

 

彼は連続殺人事件の犯人が報道の通りだとは信用しておらず、真犯人はもうこの世にいないと考えていた。消したのは本物の鯨解体組織だと睨んでいる彼は、そこでまたあのSNSアカウントを使って事を起こそうとしていた。

 

PRISMと呼ばれるアクセスしてきた端末のIDを調べられる非合法システムを使い、アカウントにアクセスしてきた端末全てにDMを送って、その反応で本物の組織を辿るつもりだった。

 

内容は「あなたはだれ? T.H

タクマ ハナブサを臭わせたものだった。

 

しかし彼女は、もし環と会えたらどうするのかと訊かれて答えに窮した。

もちろん保護と捜査協力、そしていずれ英にも会わせてあげようとも思う。だが、加藤が黙って見過ごすはずがなく、そうなると、警察の人間でありながら警察に弓を引くことになるのだとも気づいた。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±10巻

 

 

そのメッセージは環とタカシのところにも届いていた。

タカシは環にそのメッセージには反応せず、アカウントにもアクセスするなと忠告したが、彼女はT.Hをすぐに英琢磨と結びつけていて、興味を持っていた。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±10巻

 

 

タカシは他にも、曹と会う段取りをつけるよう加藤に指示していたが、彼は曹との取り引きには賛成しかねていた。

それは彼が恩義を感じている、秋光正の遺志に反するからだった。

 

加藤はかつて、警察からの出向でアメリカで研修を行っていた。

同時多発テロなどで世界が揺れたあの頃、日本も対テロ対策として特殊チームの創設を計画し、そのメンバーに加藤が選ばれ、アメリカでテロリスト壊滅チームに加わり、正義の元、日夜危険な仕事をして経験値を積んでいた。

しかし、ある作戦で民間人を助け出そうとした時に肝臓に被弾し、二度と機能は戻らないと診断された。

 

ただ、その時助けた民間人が秋光正で、悲嘆に暮れる加藤は再生医療の話を聞き、肝臓が元に戻るならと実験台になることを受け入れ、正常な身体を取り戻したのだった。

著者名:ナガテユカ 引用元:ギフト±10巻

 

 

その時の手術の痕をタカシに見せ、秋光正への忠誠心を打ち明けたのだが、タカシはその自分の祖父を心から憎んでいるんだと言い返すのだった。

 

 

感想

ギフト±10巻でした。
面白度☆7 加藤度☆8

アクセント程度に梨世のセクシーシーンが差し込まれたのは置いといて、加藤の印象がちょっと変わりました。冷酷無比な機械みたいだと思ってましたが、それなりに重たい過去があってからのマシン化だったので、仲間には手を出さない点は評価したいと思います。

それと、捜査一課の女性の割合ってどれくらいなのか気になりました。実際見たことないので1割もいなさそうです。まあ、男の捜査一課の知り合いもいませんが。