一年前彼らは、線路を敷く作業に従事していた。

 

エレンが身体を鍛えるためだと嘯き率先してキツい力仕事をするものだから、彼らも護衛を兼ねて一緒にしなければならなかった。

 

そうしながら、アズマビト家の返答を待っていた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年9号

 

 

地鳴らしに頼らずヒストリアを助けられるかどうかは、ヒィズルが世界を説得してパラディ島に友好的な国を作れるかどうかにかかっていた。

 

 

そして作業中のある日、ハンジがアズマビト家からの返答を報告しに来てくれた。

 

結果、ヒィズル国を説得することは適わなかった。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年9号

 

 

パラディ島に理解を示す団体もあるが、圧倒的なマイノリティであり、それさえも変人集団扱いされていた。

 

パラディ島が危険な悪であり続けてくれることで、世界は共通の敵を持ち均衡を保っていたのだ。

 

 

結局、ヒストリアにまた辛い目に遭ってもらい、地鳴らしに頼るしかなくなった。

 

アルミンは世界全体で平和になろうとするのを拒否する選択が理解できなかったが、少なからず自分が異分子だと理解しているミカサは、パラディ島に住むのが何者か分かっていないから、世界は怯えているだけだという。

 

それはハンジも分かっていたので、調査兵団らしく、自分たちから世界に出て理解されに行こうと鼓舞した。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年9号

 

 

 

やがて線路は完成し、貢献した104期の彼らは貨物列車に揺られながら、マーレに行ったら何をしようかと、特にコニーとサシャのバカ二人が潜入任務なのも忘れて遠足気分で盛り上がっていた。

 

アルミンは現実的に言葉が通じるかどうかを気にし、それでもこの潜入任務に明るい未来を見出そうとしていた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年9号

 

 

そしてエレンは、ジークの寿命が後二年、自分が約五年なのを改めて言葉にし、次に誰が進撃の巨人を継ぐのか決める必要があると言い出した。

 

 

真っ先に立候補したのはミカサだった。

 

しかしジャンが、謎が多いアッカーマン家であること、東洋の血が巨人になるのに未知数であること、ヒィズルとの交渉に不可欠だと、巨人になるべきではない理由を捲し立てた。

 

そうしてミカサに諦めさせてから、頭が良くて何事もうまく立ち回れる自分が引き継ぐと、自信満々に請け負った。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年9号

 

 

するとコニーが、頭がいいからこそ巨人で短命にさせるわけにはいかないといい、自分が引き継ぐと言い出す。

 

だがサシャが、バカに巨人という重大な役割を任せられる訳がないと止め、バカと言われて驚くコニーに構わず、気は進まないが自分が引き継ぐと急に訛りがキツくなって言い出した。

 

するとコニーも、バカに任せられないと言ったばかりで、バカがおかしなことを言うなと咎める。

 

そこでサシャは、コニーが自分よりバカだと思っていたことを知らされ、言葉をなくした。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年9号

 

 

同期が次々と名乗りを上げるが、エレンは彼らに継がせるつもりはないときっぱり断った。

 

ジャンがその理由を訊くと、エレンは誰よりも大事な仲間には長生きして欲しいからだと答えた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年9号

 

 

そんな風に言われては、これ以上誰も自分が引き継ぐなどと言えず、また真剣な様子のエレンを茶化すこともできなかった。

 

むず痒くなるような空気に誰も何も言えないでいたその時、ジャンはエレンが一番照れて赤くなっているのに気づいて声を荒げた。

 

しかし、空はもう綺麗な夕焼けに変わっていた。

 

列車を運転して前を向いていたアルミンが、みんなも赤くなっているから夕陽のせいだと伝えると、ジャンもそれ以上エレンを責めることはできなかった。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年9号