夏を過ぎた先にある収穫祭の話で盛り上がりながら、踊り子が誰になるのかにも期待を膨らませる。

 

そうして歩いていると、槍使いや魔女などの冒険者たちが牛飼娘に声をかけてくる

 

以前、牧場がゴブリンに狙われた時に彼が骨を折ってくれたことで繋がった関係だが声をかけてくれるのは嬉しく、同時に彼が周りに受け入れられていることも嬉しく思えた

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年10号

 

 

だから、自分が作った繋がりじゃないことを寂しく感じてしまう。

 

 

女神官に普段の彼がどんな感じか訊いてみると、大いに助けてもらっているが、少しの迷惑もかけられていると、目を逸らしながら気まずそうに打ち明ける女神官。

 

そして、パーティーで一緒にお酒を飲んで、真っ先に潰れたこと。

呪文使いが多いパーティーだから、冒険中も何かと気遣って動いていること。

 

そうしているのは多分、受付嬢に銀等級らしい振る舞いをするよう注意されたからだろうと、女神官は教えてくれた。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年10号

 

 

他にも鎖帷子について教えてもらったと聞き、牛飼娘は彼がよく鎖帷子を手入れしている姿を思い出した。

 

だから、ふと冒険者の装備に興味を引かれ、ギルドの武具屋を冷やかしに行ってみようと誘った。

 

 

 

武具屋で真っ先に視界に飛び込んだのは、2パターンのビキニアーマーだった。

 

ご丁寧にマネキンの体つきも2パターンになっていて、女性の二人もあまりの生々しさでドキドキせずにはいられなかった。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年10号

 

 

見習い鍛冶師によれば、下に何も着ずにそれだけで完成しているものらしい

 

ちゃんと最低限の防御力は備えているという建前で一定の需要があるらしく、男性にアピールしたい女性が購入していくのだという。

 

そう聞いても、二人にこれを着る度胸はなかったし、着れる精神も理解できなかった。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年10号

 

 

最低限の防御力で男性に対する攻撃力を引き上げた究極の防具に二人が慄いたところで、今度は見慣れた兜を見つけた。

 

 

試着OKなので、まず女神官は被ってみた。

 

完全に着させられている感が強く出るし、意外な重さによたよたフラついてしまう。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年10号

 

 

重さもそうだが息苦しく、防御力を求めた結果の設えだから当然で、本来は綿入れを被った上に被るのでもっと重く窮屈になるらしい。

 

女神官は我慢できずにシールドを開け放し、牛飼娘を笑わせた。

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年10号

 

 

次は牛飼娘の番だ。

 

ちょっと被っただけで香ってくる女神官の仄かに甘い汗の匂いを羨ましく思いながらしっかり被ると、いつも彼が見ている世界を初めて知ることができた。

 

格子の間からしか見えない視界は狭く、重く、苦しい

著者名:蝸牛くも 引用元:ビッグガンガン2018年10号

 

 

とても見続けたい世界じゃなかったが、彼が被りながらどう周りを見ているのかは何となく想像できた。