高台の屋敷の一室に閉じ込められていたイェレナは、鉄格子越しの外の景色を不満に思っていた。

 

 

訪ねたピクシスは感謝の思いが安くなるほどに、もう何度目かの義勇兵の今までの貢献に感謝した。

 

ただ、特に行動記録書を几帳面に提出してくれていたイェレナだからこそ、逆に信頼関係を築こうとし過ぎる違和感が顕著に思えた。

 

監視役が急遽交代になり、代役になったのがフロックであり、本人は情報漏洩で牢の中にいる。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年10号

 

 

この際の宿泊地とエレンの住処は数十キロの距離があり、エレンとイェレナが接触したと見ていた。

 

それを裏付けるように、エレンも同時期から単独行動が目立つようになっていた。

 

 

 

居候させてもらうことになったガビとファルコは、厩舎の掃除をしていた。

 

ガビが水を撒き、ファルコがブラシで擦っていると、ガビはふと見下ろしてくる馬の視線が気になり振り向いた。

すると、まるで正体が分かっているかのように噛み付かれ、情けなく悲鳴をあげたガビは自分の撒いた水で滑り、受身も取れずに無様に転んでしまった。

 

衝撃で手放した水桶が寸分違わず頭にすっぽりはまり、ただのドジも悪魔の仕業にして自己弁護した

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年10号

 

 

馬で逃走する目論見など夢の話だとガビが思い知らされると、ファルコは大人しくここで住み込みしながら、そう遠くない未来に来るはずの大規模な軍隊に救出してもらえるのを待てばいいと諭した。

 

ジークとエレンの繋がりは知らなかったとは言え、中継していたことは、二人きりの今はまだ話せないと思った。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年10号

 

 

掃除を再開してすぐ、カヤが昼休憩を伝えに来てくれた。

 

 

牧草地の柵に凭れながら、3人並んで昼ご飯を食べ始めると、カヤは二人の仕事の覚えの早さと年齢にそぐわない体力を褒めた。

 

流れでファルコも質問すると、ここが孤児を保護する牧場だと教えられた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年10号

 

 

4年前に親を失った子供の集まりだと聞くと、ガビは急に嫌悪感を募らせ、自分がマーレから来たのを隠していることも忘れて、自分たちが教えられてきた歴史と刷り込まれた悪魔への憎しみを溢れ出させ、親を亡くそうが善人ぶろうが、そんなもので償える罪ではないと説明した。

 

カヤはそれを、マーレの教えなのかと訊き返した。

 

二人の前に姿を見せる前から会話が聞こえていたカヤは、二人がマーレ出身の子供だと分かっていた。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年10号

 

 

 

ファルコは焦りを隠せないが、別段、バレているからといってカヤをどうこうするつもりはなく、どうすべきか考えを巡らせた。

 

しかしガビは殺すしかないと思い込み、すぐに人も殺せる農具を掴んで襲い掛かろうとした。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年10号

 

 

ガビは助けてもらった恩も忘れ、自分たちの正体を知っていると明かしたことを、悪魔が何かしてくる契機に結びつけた。

 

ファルコが必死に止めて咎めるが、もはや聞く耳を持つ冷静さは失われていた。

 

それだけ騒げば当然、他の子供たちにも何か争っているのがバレた。

 

しかしカヤは、ただの兄妹喧嘩だとごまかしてくれた

 

 

さすがに冷静さを取り戻したガビと、ファルコまでもカヤの取った行動の意味が理解できなかった。

 

しかし、通告するなら最初からしていると言われれば、納得するしかなかった。

著者名:諌山創 引用元:別冊少年マガジン2018年10号